前節で宿敵浦和を撃破して,とうとう長いトンネルを抜け出した大宮が,当面の残留争いの相手となった札幌と相まみえる。大宮にとってはモチベーションを高く保った状態で乗り込んできた札幌の一戦は,ここまでホーム無敗を誇る札幌のサポーターの声援に押された金園のヘッドと宮澤の素速い反応が生んだ得点によって,札幌が残り2/3強の試合に光を与える結果となった。
大宮は前線のチェイシングは的確なものの,最終ラインは終始引き気味で,中盤から前線への長いパスも正確性を欠いたため,結果的にシュート数は13本を数えた札幌の半分以下の6本に留まった。大前を欠き,ドラガン・ムルジャも投入できない状況で,攻撃に厚みがなかったのは確かだが,それにしてもボール支配率が54%だった割に「前へ」という姿勢が見られなかったのは,札幌にとっては嬉しい誤算だった。
浦和を破ったという事実を見ても,潜在的なポテンシャルは決して低くないだけに,できれば今日のような「休眠状態」をアウェイでもお願いしたいところだが,果たして暑い7月のNACKはどんな展開になるだろうか。
札幌はレンタル移籍の横山が所属元のチームとの対戦とあって,代わりに河合が出場したが,見事に久しぶりとなる無失点試合を成し遂げた。特に前線からのチェイシングは効いていたように思う。フィニッシュをさせない最後のブロック,空中戦での競り合い,いずれも札幌の球際の強さが目立っていた。
その一方で,相手のプレッシングがボールサイドに偏っていたため,度々フリーとなっていた逆サイドへのサイドチェンジは殆どなく,その点では相手の守備を楽にしていた。また若手の運動量とポジショニングは大幅な改善の余地があるように見えた。特に菅は2列目のウィングというよりも,サイドバックとしての守りに徹していたせいか,溌剌とした動きがまったくと言って良いくらい見られなかった。その菅に替わって入った前も,簡単にサイドの突破を許していた。身体を張っていた都倉の気迫を見習って欲しいものだ。
これで勝ち点は12。このペースで勝ち点を積み上げて行ければ,34試合を終えた時点では残留安全圏と言われる「勝ち点40」に手が届く。これまで2001年のたった一度しか成功したことがない「J1残留」に向けて,鍵は今日薄皮一枚のところまで迫った金園の得点と若手の爆発だろう。今後益々マークがきつくなるであろう都倉を,どれだけ周囲がサポートできるかどうか。残り24試合はあっと言う間だ。
大宮は前線のチェイシングは的確なものの,最終ラインは終始引き気味で,中盤から前線への長いパスも正確性を欠いたため,結果的にシュート数は13本を数えた札幌の半分以下の6本に留まった。大前を欠き,ドラガン・ムルジャも投入できない状況で,攻撃に厚みがなかったのは確かだが,それにしてもボール支配率が54%だった割に「前へ」という姿勢が見られなかったのは,札幌にとっては嬉しい誤算だった。
浦和を破ったという事実を見ても,潜在的なポテンシャルは決して低くないだけに,できれば今日のような「休眠状態」をアウェイでもお願いしたいところだが,果たして暑い7月のNACKはどんな展開になるだろうか。
札幌はレンタル移籍の横山が所属元のチームとの対戦とあって,代わりに河合が出場したが,見事に久しぶりとなる無失点試合を成し遂げた。特に前線からのチェイシングは効いていたように思う。フィニッシュをさせない最後のブロック,空中戦での競り合い,いずれも札幌の球際の強さが目立っていた。
その一方で,相手のプレッシングがボールサイドに偏っていたため,度々フリーとなっていた逆サイドへのサイドチェンジは殆どなく,その点では相手の守備を楽にしていた。また若手の運動量とポジショニングは大幅な改善の余地があるように見えた。特に菅は2列目のウィングというよりも,サイドバックとしての守りに徹していたせいか,溌剌とした動きがまったくと言って良いくらい見られなかった。その菅に替わって入った前も,簡単にサイドの突破を許していた。身体を張っていた都倉の気迫を見習って欲しいものだ。
これで勝ち点は12。このペースで勝ち点を積み上げて行ければ,34試合を終えた時点では残留安全圏と言われる「勝ち点40」に手が届く。これまで2001年のたった一度しか成功したことがない「J1残留」に向けて,鍵は今日薄皮一枚のところまで迫った金園の得点と若手の爆発だろう。今後益々マークがきつくなるであろう都倉を,どれだけ周囲がサポートできるかどうか。残り24試合はあっと言う間だ。