子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2023年J1リーグ第22節 札幌VS.鹿島【0:3】

2023年08月06日 20時51分05秒 | 北海道コンサドーレ札幌
開始10秒足らず。札幌がボールに触れることが出来ないまま,先制点を奪われて試合は決した。札幌の守備網を面白いようにかいくぐって繋がったパスの仕上げを行った樋口が,今日の試合の主役だった。樋口は正確無比のキック精度で放ったCK2本も蹴っており,全得点に絡む1G2Aの活躍が見事だった一方で,札幌のパスワークの精度の低さをより鮮明に浮き彫りにしてしまった。

今日の鹿島のボール奪取のためにかけた圧力は凄かった。的確なポジション取りから,ここと見定めた瞬間のスピード,奪った時のトランジションの速さは,札幌とは別次元のゲームをしているようだった。
確かにターゲットとなったFW鈴木の強さがあってこそ,そこから逆算したかのような連携が機能していたという点では,攻撃時のポジションをフリーにして,不定型なアタック故の(岩政監督曰く『特殊なチーム』)捉え所のなさを売りにしている札幌とは根本からチームが目指す方向性,フォーマットが違うと言えるかもしれない。だとしても,今日のように組み立て時から鹿島の圧力に負けて,インターセプトを許し続けていては試合にならない。ボランチの荒野,DFの岡村,中村の雑なパスは,何度も相手中盤の格好の餌食となっていた。
取りわけ中村は大きなサイドチェンジで見せる非凡なキックとは対照的に,至近距離で気の抜けたパスを出していては,ミシャの言う「代表選手レヴェル」はお伽噺に過ぎないだろう。

だがそれ以上に気になるのはミシャの采配だ。TV中継でも「ようやく」という言葉が使われていたが,最初の交替が3点を奪われて試合が決した後半29分というのは,幾ら何でも「采配」とは言えない判断だろう。
まったく精彩を欠いていた3人の交替選手の人選(浅野,荒野,菅)が的確で,交替で出場した青木,スパチョーク,小林が,この3人だけで得点の匂いのする突破や連携を何度か見せただけに,戦況を見てジャッジするタイミングの間違いは,今後残留争いに巻き込まれる危険性さえ漂わせるものだったと言わざるを得ない。

金子,ソンユンの放出という,チームの屋台骨を揺るがしかねない変革を「正解」として受け止めて前へ進むには,残された選手たちの並大抵ではない奮起が求められる。一週間後の鳥栖戦,浅野と荒野を外して青木とスパチョークを使う英断と,全てを賭けて臨む選手の覚悟を切に望む。


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