折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

薔薇の歳時記、最盛期

2008年05月28日 23時40分06秒 | 小満
               
     
  □ いずれも、クイーン・オブ・スウェーデン(Queen of Sweden/ER)

◇ 季節はいつものように移ろい進み、薔薇にとってもやや蒸し暑い季節に入って来た。
  しかし個人的な経験則では、これからが薔薇の一番の見頃ではないかと思われる。
  花に凝縮されたその表情…花の姿、色彩、香り、どれ一つとってもハッと驚かされる。
  わが家のような埴生の宿の庭でも、周りに溶け込む「術」を、薔薇は心得ている。

     
          □ グラミス・キャッスル(Glamis Castle/ER)
            「ハナミズキ」の幼木よりも「高く」


     
      □ オレンジ・マザーズデイ(Orange Mothersday/Pol)


   
   (una poesia di oggi)

          つぼみすぎしことばしずかに薔薇を撰る   石田波郷


     
        □ L.D.ブレスウェイト(L.D.Braithwaite/ER)
          さしずめ「先生」で、生徒は白いちいさな花。


     
         □ ドミニク・ロワゾー(Dominique Loiseau/S)

     
     □ 夕焼け雲に例えるには、あまりにも儚くも繊細な色合い。
       「ドミニク・ロワゾー」去年売れ残りを1,000円で賭けのつもりで…。


     
     □ スカボロ・フェア(Scarborough Fair/ER)顎紫陽花と。

     

     
  □ 「スカボロ・フェア」の単純で素朴な美しさは何物にも代えがたい。

     
         □ 「スカボロ・フェア」の全容、奥は顎紫陽花。
           真紅の薔薇は「マリア・カラス」(Maria Callas/HT)

   
   (una poesia di oggi)

          薔薇園の薔薇整然と雑然と         須佐薫子


     
     □ アンジェラ(Angela/F) 山紫陽花「ブルー・サファイア」と。


◇ やがて来る強い雨を薔薇は、予感していたのだろう。
  痛みつけられて、吹きすさぶ風に振り回されるのに、とうに気づいていたのだろう。
  私の眼には、今シーズンで一番素晴らしい薔薇の朝だったような気がする。
  私の貧相な感性にも、充分過ぎるくらい満ち足りた、心地よい薔薇の姿に包まれた。

     

     
     □ ジュビリー・セレブレイション(jubilee Celebration/ER)


     
              □ ヘリテージ(Heritage/ER)

     
       □ 「ヘリテージ」と名も知らぬ「燃えるような」薔薇


     
      □ ピエール・ドゥ・ロンサール(Pierre de Ronsard/LCl)

     
     
           □ コンテス・セシル・ドゥ・シャブリアン
            (Comtesse Cecile de Chabrillant/HP)

   
   (una poesia di oggi)

          来し手紙束ねて持ちて薔薇に佇つ     上田章子


◇ 5月の初めに一番花をつけたバラ達は、すでに二番花に向かって準備怠りなし。
  でも、今の薔薇の一番花が咲いているだけで良いから、二番花はそう慌てずとも。
  さりとて、すぐに六月の声を聞くわけだから、もう二番花の時節でも不思議でない。

     
   □ シャルロット(Charlotte/ER) 後方の咲き始めが純粋なイエロー。

     
  □ マダム・エルネストゥ・カルヴァ(Mme.Ernest Calvat/B)とともに。

     
     □ シャルロット(Charlotte/ER) 今、この5倍咲いている。


     
      □ ジュード・ジ・オブスキュア(Jude the Obscure/ER)

     
    □ カルガモの母子みたいな行列「ジュード・ジ・オブスキュア」


   
   (una poesia di oggi)

          薔薇よりも濡れつつ薔薇を剪りにけり     原田青児


◇ 薔薇を始めて、薔薇に夢見て三度目の春、そして初夏。
  こんなちっぽけの庭でも、薔薇に囲まれているというのは、かけがえのないものだ。
  薔薇は、そして、汲めども尽きぬ「夢」を与えてくれる、感激と感謝の花でもある。

     
     □ レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci/F(AT/CL))

     
    □ 窓から手を差し伸べたら、そこに「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
      ささやかでも、これが満ち足りた心、すなわち「しあわせ」 
      それに代わるものが、いったい他に、何がどれだけあろう…?


☆☆☆☆☆ 夕刻、リビングの窓を開けて、すぐそこ。手が届くとは、こんな感じ。

     

                         (2008年5月29日追記) ☆☆☆☆☆


     
        □ アルバ・セミプレナ(Alba semi-plena/A)
          今も、イタリアはフィレンツェで咲いていることだろう。
          ボッチチェリ「ヴィーナスの誕生」に描かれた憧れの薔薇。

   
   (una poesia di oggi)

          行き交ひの人影淡き薔薇の園       北 光星


夕べのパカラの寝顔。

     

                         (2008年5月29日追記)



  
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10 コメント

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ふぅ~ (ぴ~)
2008-05-29 17:07:03
やっとコメントにたどり着きましたぞよ^^

ついに、バラとあじさいのコラボですね!
あじさいの名前がまた素敵!
「ブルー・サファイア」!透き通ったブルーから
目が離せなくなりました♪

カルガモの母子の行列に、にっこりと笑みがこぼれました(*'▽'*)

これだけ、たくさんのバラが咲いていたら・・・
毎日どんな気持ちで過ごすことができるんだろう
想像がつかないわ~~!
返信する
ジュビリー・セレブレイション (milky)
2008-05-29 18:15:39
う~ん、スカボロ・フェアはやっぱりいいなぁ、今日はスカボロ・フェアにコメントだなぁ、なんて読み進んでくると・・・。
がが~んとまたまた美しく登場するのがジュビジュバダーのジュビリー・セレブレイション様でございます。
どうしてもこのジュビジュバ様に勝てない私。
また目がハート!
もう目の毒だわ~、まっじ、ほんとっ、困ったもんです~
返信する
パタパタパタ→タオルで煽いであげてまんねん。 (折節)
2008-05-29 20:15:42
ぴ~さん、こんばんは♪

阪神逆転で、気を良くして、左団扇なんて場合じゃなくて、
やっと辿り着いたぴ~さんに、涼しい風を送ろうとしたら、
もういないもんね、コメントから3時間も経ったんや。

雨があがって、帰宅時は快晴、西日が眩しくて、暑くて…。
帰ってからも、しばらく汗かいてました。

今日は水遣りはせず、明日の朝、様子を見てからです。
そうそう、薔薇に水遣りはならぬ…。
私にも、そうそう、アンコをあげてはならぬ…それと同じ。

「ブルーサファイア」って、去年植えたんですが、
洗剤の名前みたいなだけに(!?)、
とてもさわやかな色を見せてくれますよ。
これから、もっと水色が出て来るはずです。

カルガモの子どもたちは、今日はもうオトナになってました。

あの、実は咲いているのに、載せきれてないのもあるんです。
画像を貼り付けながら、ようこんだけ咲いたもんやなあって♪


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jubilee → 25周年とか50周年、75周年のおめでたい区切り意味だとか。 (折節)
2008-05-29 20:38:46
milkyさん、こんばんは♪

「ジュビリー・セレブレイション」は、名前と特徴で選びました。
女王陛下の即位50周年で、クイーン・エリザベス2世に捧げられたということ。
それにイングリッシュローズで唯一の、サーモンピンクだということ。

その名に違わない花が咲いた日には、感激しました。
…くらいで、その日のことなど完璧に忘れ果ててますが

この冬、地植えにしたら、今シーズン、一挙に花開きました。
狭くても、地植えにしたら、こんなに違うものかと…
これは「スカボロフェア」にも言えることです。

こうした、一重か半八重でとても素朴な姿ですが、
色彩にイングランドの出らしく品があって、
花びらとしべとのバランスが、なんとも絶妙ですよね。

これは「歌好き」の私らしく、懐かしの歌、
サイモンとガーファンクルの同名の歌、
映画「卒業」の挿入歌、そんな連想で選んだものでした。



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見事~~ (Haru)
2008-05-29 23:02:19
たくさんのバラがほんとに素敵な折節バラ園!
トントンって、ドアーをたたいてお邪魔したいな~
今日ね、ちょうど京成バラ園のガーデンショップで
素敵なレオナルド・ダビンチを見てきたんですよ~
それは見事な花付きで素敵でした~~
アーチへの誘引がほんとに素敵でね~!
折節さんとmilkyさん、そして友人のところもあるね、
って話しながら見たんですよ~
そしたらやっぱりここでも同じ色の素敵な花!

それにしても花がきれいですね~~
見事な咲っぷり~~♪
返信する
レオナルド・ダ・ヴィンチ♪ (折節)
2008-05-30 22:32:39
Haruさん、こんばんは♪

レスポンスが遅れてすみません。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、花持ちが非常に長い薔薇です。
つるんと艶があって、しっかりとした花びら。
雨に少々降られても、色褪せることのない輝くようなピンク。
花数も多く、花弁の数も多く、ほとんど病気にもかからず、
一番育てやすく、かつ美しい薔薇の一品種だと思います。

この薔薇は、京成バラ園のオレンジ色のタグが付いてまして、
それを枝に下げています。
薔薇をやってみようと思って、まっさきに庭に来たバラなんです。
名前にも惹かれたんですけどね。
返信する
バラ苑の如く♪ (マーサ)
2008-05-31 00:16:39
折節さん、お見事!!
ふうぅ~、ため息が出ます。

バラ苑、見せてくださ~い、とあちらこちらからお声がかかりそうですね。

5月のバラは、香りもよいそうですね。
バラの香りに包まれて、今が最高のとき!
でも次に控えるアジサイも、準備万端ですね。
バカラちゃん、抱っこしてみたいです。
返信する
こちらもため息…。 (折節)
2008-05-31 00:46:20
マーサさん、こんばんは♪

夕食後、お昼寝ならぬお夜寝をしたものですから、
それも1時間半くらい、ちっとも眠くなくて…。

それが、明日というか今日になりましたが、TOEICのテストの景気付けにと、
夕飯が済んでニュースも見終わって、自室でCDを聴いてたんです。
それも、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と第7番を、
カルロス・クライバー指揮のウィーン・フィル盤です。

どちらも聴きようによっては、「やかましい」曲。
でも、運命交響曲の冒頭の「ジャジャジャジャ~~~ン♪♪♪」
その少し後くらいまでしか憶えてなくて、すぐに子守唄のように爆睡
これで明日のテストの運命も決まったようなものです

バラなんですが、私の嗅覚ではなかなかその芳しさがわからないのです。
でも、相当に薫っているのは確かだと思います。
明日は、テスト直前まで花殻摘みや細い枝の剪定。
二番花に備えて、風通しを良くしようと思います。
もちろん、紫陽花にもよく日光が当たるようにです。

パカラは、寝返りの途中でそのまま止まるのが得意なようです。
あれで身体は、ねじれているんですよ

返信する
美しきもの (blue camel)
2008-05-31 17:33:34
折節さんこんにちは♪

スカボロフェアの単純で素朴な美しさには何物にも
代え難いというその言葉が今日は胸にとっても響きます。

そもそも「美」とは一体どこに基準があるのかと
常々ミスユニバースなどをみながら思っていました。
特に昨年、日本人の方がグランプリをとられたときに
彼女は彼女でとても魅力的な方であるのでしょうけど
少なくとも私が感じる「美」とは何かちょっと違う、
違和感みたいなもの・・・

ですが今日の折節さんの言葉に出会って
それがどうやら解決できたようです。

美は複雑ではなく、単純だということ。
これが私の新しい基準の一つになりそうです^^/
どうもありがとうございました。

美味な天ぷらは衣の中の素材にある真実!
ということとは少々違うかもしれませんが、
美しい薔薇もその環境、背景があってのことなのですね。

枕草子の美しきものを思い出しました。
返信する
うりに書きたる児の顔 (折節)
2008-05-31 23:59:59
blue camelさん、こんばんは♪

枕草子第一五一段ですね。

美しい…多分に主観的なもの、好みを表すもの。
特に心のあり様により変わるもの、
そんなものへの気持ちの現れだと思います。

たとえば「美」という漢字、私は「うつくしい」と思います。
「び」という発音、これはどちらかと言えば、美しくない方…。
おそらく濁音だからでしょう。
同じ音でも「び」と「うつくしい」では響きが違います。
「美」は視覚的に受ける印象と、聴覚的な印象でも違いがあって、
そう単純でないところが、「美」に関しては面白いなと思います。

私は、単純さ、素朴さに美意識が傾斜している…ことが多いようです。
それも視覚的な美しさでしょうか、好みの情景とか。
「好み」は「個性的」とも密接な関係です。

二十九日は「晶子忌」でしたが、
私が好きでなおかつ美しいと思う彼女の短歌…。

  清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき

「逢ふ人」つまり行き交う女性(おそらく)ばかりでなく、
私には、「清水」「祇園」「よぎる」「桜月夜」「こよひ」
このすべての言葉が「みなうつくしき」に思えてなりません。
それほど、美しさの感じ方は、個性が現れるもののようです。

与謝野晶子がおそらく感嘆の声をあげそうになった「桜月夜」
それを「逢ふ人」が「みなうつくしき」と言い放つ。
そこには夜桜に漂う妖しい色彩を、独特の美的感覚で表現されています。

私たちが、短歌を詠んで、目で見て、思い浮かべる、祇園界隈の桜月夜。
そこをありのまま、さらっと歌い上げたところが、
「美しい」短歌になって後世に残ったのだと思います。

桜の花も、薔薇の花も、美しく咲いて散る。
他にも「…も」「…も」といくつもあるのですが、
最後は好みです。
美しく感じるのは自分であり、それに満足していればよい、
心は自由であり、その心の中こそ、いつも美しさを感じていたいと思います。

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