折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

思いがけず季節を感じる文章に触れたこと

2018年10月11日 21時11分22秒 | 寒露

◇ 時差マイナス6時間の海外に在住の孫娘のKちゃん(7歳)からは、登校する前や帰宅後によくLINEのテレビ電話がかかって来ます。

  電話代そのものが無料でいくらでもお話ができるLINEには驚きですが、いつの頃でしたか、Kちゃんがそのテレビ電話で突然「おはなし」を始めました。

 

    「はるはあけぼの ようようしろくなりゆくやまぎわ すこしあかりて むらさきだちたるくもの ほそくたなびきたる」

    「じいじ、知ってる?」と聞かれて、思わず

    「夏は夜 月の頃はさらなり 闇もなほ 蛍の多く飛びちがひたる」と続けましたら、

    「じいじ、どうして知ってるの?」 

    「子どもの頃に一生懸命覚えたんだよ」             (※ 実際は高校生のときにテスト対策で丸暗記、かろうじて憶えていました。。。)

    「へえ~」

  Kちゃんは自分の絵本の枕草子を読んでくれたのですが、身近なところに季節を感じる古典のあることを思い起こさせてもらえて、心地よい感じがしたのでした。

 

◇ さて、この秋はバラの返り咲きはあまり期待はできないようですが、赤いバラが少しだけ咲き始めました。

 

                              2018年10月11日

□ 一つの株にバラの花が一輪以上(!?)咲きました。

 

□ ヒースクリフ

(Heathcliff 2012 S 2008 D.Austin England)

 

                                                          10月9日

□ 一輪だけでも真紅のバラは華やかさを振りまきます。

 

□ 5月の一番花のような大輪がポツンと咲いています。

 

□ アブラハム・ダービー

(Abraham Darby S 1985 D.Austin England)

 

□ コントゥ・ドゥ・シャンボール

(Comte du Chambord P 1860 Moreau-Robert France)

香りのオールドローズがようやく咲き始めました。 

 

□ イングリッシュ・ヘリテージ(ER)は遅咲きでもありますし、

咲いたとしても11月になると思われます。

 

   (una poesia di oggi)  

 

     春はあけぼの。 

     やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

     夏は夜。 

     月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。

     また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。 雨など降るもをかし。

     秋は夕暮れ。 

     夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。

     まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。 日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

     冬はつとめて。 

     雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。

     昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

                                                             (清少納言 枕草子 第一段)

 

 

 

 


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4 コメント

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素敵ですね♪ (越後美人)
2018-10-12 10:12:47
小さい頃から古典の美しい調べに触れられるのは素晴らしいことですね。
それにしても、ジイジは「子供の頃に暗記」とは、見栄を張ったものですね。
このくだりで、思わず噴き出してしまいましたよ(笑)

枕草子は格調高く、読んでいてうっとりと心地良くなります。
これからは、Kちゃんの古典講義が聞けるようになるかも知れませんね。
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読むほどに味わいのある古文 (折節)
2018-10-12 22:25:54
越後美人さん、こんばんは。

さすがに秋の夜半ですね、部屋の中が何となく冷やっこい感じになってきました。
今夜はこの秋一番の冷え込みになりそうですので、風邪を引かないようにしなければ…。

枕草子は、この冒頭部分とあとは「雪のいと高こう降りたるを…」で始まる段をかすかに憶えています。
教科書を何度も何度も読み返して、頭にたたき込んだ頃がなつかしいです。
それでも自分には徒然草の方が合っていたんでしょう。
憶えているのはこちらの方がはるかに多いですし、このブログ名も第十九段の引用です。

年を取ってから、古文はたまに声に出して読んだらその世界に入っていけるような気がしてきました。
読むほどに味わいのあるのが、和歌も含めた古文なのかもしれません。
ワーズワースやキーツのような英詩でも同じような心地がします。
いつか孫たちとそんなお話ができたらとも思っています。


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清少納言 (Haru)
2018-10-21 21:14:52
こんばんは~!
ずっとあわただしい日々を過ごしていてこの週末は少しのんびりとガーデニングなどして過ごせてホッとしています(*^_^*)
折節さんのバラは秋色でゆったり、ふっくらと咲いていていいですね!
数は少なくても秋のバラは格段の美しさにうっとりとするでしょう?
ウチのもやっと少し葉が展開して蕾も見えてきてホッとしています。
バラがゼロの秋を覚悟していたのに3週間で復活が見えてきたのはうれしいです!

枕草子、懐かしいですね~~
高校時代に古文でやりながらこの初めの段は何度も読みましたね。
あの頃はテストに出るなんてことで覚えたりしてましたが、今なら音読してその流れを楽しめるように思います。
それにしてもKちゃんの絵本に枕草紙ですか、すごいですね~^
可愛いKちゃんのお話、さぞ折節さんも楽しんでらっしゃるでしょうね~♪
返信する
少しずつ秋が深まっていきます。 (折節)
2018-10-21 23:16:34
Haruさん、こんばんは。

早いもので10月も下旬に入りました。
この頃になるとさすがに朝夕は冷えて来るように感じられます。
それに日が暮れるのが早くなってあっという間に夜、日にちが進むのが速いはずです。

何だかこの秋はバラの咲きっぷりがよくなくて、ほとんど諦め顔です。
蕾があまり見られないから、咲く花も極端に少なくて当然ですよね。
それでもやっとのことで咲いたバラはいくつかありますので、ブログアップしようと思っています。
この頃は庭であまりやることがなくて、もっぱら草引き中心です。
それもすぐ飽きてきて、まだまだ蚊の来襲はありますし、気が入らないこの頃です。
11月になったら、ムスカリでも植えようかなと思っています。

Haruさんのバラは見事復活したようで、本当によかったですね。
塩害だなんてご心配でしたでしょう。
後程またご様子を拝見させてください。

孫娘のKちゃんとは、ほぼ毎日のようにLINEでお話して楽しんでいます。
先程も学校から帰って来て(日曜から木曜が登校日)、お絵かきをしているようでした。
かけ算の九九を一通り言ってましたが、アラビア語で書いたのを日本語で読んでいたようでした。
それはそれで驚きというか、何というか…。


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