今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

豪雪地帯車窓の旅

2006年02月16日 | 
(この紀行は私のHP「山根一郎の世界」の「旅と山の世界」にもより詳しく写真をつけて載せています。)
4メートルというものすごい積雪をこの目で見たくて……、もとい、気象予報士として、「平成18年豪雪」と名のついた豪雪状況を効率よく視察するために、積雪地帯を縦断する列車の旅を計画した。

●ルート選定
目的地となるのはアメダスでいつも日本最深を記録している新潟県津南町。
ここを折り返し点にして上越線と飯山線を結んで行こう。
群馬県ながら積雪2mをゆうに越えている水上(みなかみ)も、鉄道の駅で積雪最深記録(7m85cm)をもつ長野県の森宮野原駅がある飯山線も通りたいから。
時刻表によれば、どちらを往路にしても出発・到着時間ともに変わらない。
でも「国境の長いトンネルを抜けたら雪国だった」という感動を味わいたいので、往きは上越線(新幹線ではない!)、帰りは飯山線にした。

●宿の選定
宿は最初は津南町に決めかけたが、それより北にある松之山温泉の宿を選んだ。
たしか十日町市松之山町といえば、豪雪の新潟でも、とりわけ雪の多い所のはず(アメダスは設置されていないが)。
すなわち人の住む所では新潟一=日本一=世界一積雪の多い所なのだ。

旅のお伴に持っていく本は、この日のために買っておいた鈴木牧之の「北越雪譜」!(岩波文庫版) 
宿で観るDVD(このためにiBook14インチを持っていく)は新田次郎原作の「八甲田山」(「ホワイトアウト」でもいいんだが)。
車窓だけでなく、活字でも映像でも雪にひたろうってわけ。

●往きの列車
さて15日の10時に家を出発。
からっからの上州路を上越線で北上する。沼田を過ぎ、後閑に来てやっと雪が地面に出てきた。
雪の谷川連峰を望む上牧駅に到れば、さらに雪は深くなり、終点の水上駅は2m近い積雪。でも空は青空で、この点は群馬だ。
ここでガラガラの長岡行きに乗り換える。湯桧曽を過ぎると新清水トンネルに入りっぱなし。
そしてトンネルを出たら、灰色の空に電車の窓の上にまでたっする雪の壁。
さすが水上の積雪を大きく上回る。土樽や越後中里のホームは3m以上の雪の壁にかろうじて残っている。
六日町に着いて、北越急行ほくほく線直江津行きに乗り換える。
こっちは更にガラガラ。2両のワンマン電車で直線のトンネルばかり。
まつだい駅に降り立ち。送迎車を待つ。
駅の脇には真の積雪量を残している雪の山があり、4mの厚さのすごさを実感できる。

●宿
宿はシーズンオフの平日なので客は自分を入れて4組。
それでもいい方で、温泉街の他の宿では客なしの所もある。豪雪地帯の温泉は穴場だ。
翌朝は雨。それだけに寒くはない。
持ってきた厚手のセーターは不要で、綿シャツにパーカーだけですむ。

●帰り
今日は、ほくほく線で十日町で降り、飯山線で長野まで行く。
こちらも2両連結のワンマン。終点(乗り継ぎ駅)の戸狩野沢温泉まで(写真)、2両目は私一人。
豪雪情報で有名な津南、そして森宮野原を通り、乗り換えて、飯山まではずっと3m以上の積雪。飯山からはどんどん積雪が減って、豊野では地肌の方が多くなり。
雪国ではなくなる(先週行った松本は積雪なし)。長野で新幹線に乗って帰ってきた。

最後に、豪雪地帯車窓の旅の印象…雪しか見えなかった。