イギリスの映画俳優、ビーター・オトゥールの訃報を知った。
いわずとしれた映画「アラビアのロレンス」の主役である。
この映画は、中学生の時、学校行事として同学年全員で観に行った。
今から思えば、中学生には、醜い政治取引や同性愛の話は早すぎたが、
私はこの映画のオープニング音楽(スクリーンが暗いうちに音楽が始まる)に打ちのめされ、
さらに、シネスコの大スクリーンに拡がる砂漠の美しさに感嘆の声を上げた。
それ以来、憑かれたようにレコード店で「アラビアのロレンス」の音楽を探し回った。
脇役もそうそうたるメンバー(オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、アレック・ギネスなど)。
女性の役者が出ていない(映像には一部登場)、男だけの映画であるのも特徴。
それまで映画館で観る映画といえば、日本の怪獣ものなど年齢相応のものばかりだった。
本格的洋画との出会いがこの「アラビアのロレンス」で、その意味で私にとって忘れられない映画だ。