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今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

映画『八甲田山』で気づいたこと

2022年01月24日 | 作品・作家評

勝手ながら、1月25日を、明治35(1902)年に起きた青森県の八甲田山での199名遭難死事件を悼む「八甲田忌」としている(その理由→1月25日は八甲田忌)。

山を愛する一人として、世界最大の山岳遭難死事件を悼み、とりわけ若くして死んだ兵卒たちが眠る山麓の記念墓地には訪れるべき子孫がいないため、私がこの日に彼らの子孫に成り代わって冥福を祈るようにしている。

そしてまた、新田次郎原作の映画『八甲田山』を観ることにしている(3時間弱の長編なので数日に分ける)。
ただし、原作『八甲田山 死の彷徨』の時点で創作(まず人名がすべて変更)が入っていて、映画はさらに原作と異なる創作(女性案内人(秋吉久美子)に対する心温まる対応)が加わっている。
真実を伝えているのは、八甲田の資料館で買った『八甲田連峰 吹雪の惨劇』(小笠原孤酒著)など地元資料(それによれば”神田大尉”のやけっぱちになった集団自決への叫びは事実に基づく)。

創作であってもこの映画は日本映画史に残る名作なので、観るに値する(私はDVDを所有)。

八甲田忌を前にその映画を観て、改めて気づいたことがある。
23日に出発した青森五連隊210名が、麓の田茂木野村で小休止の際、村長からの案内人の申し出を拒否して自力で八甲田に入り込もうとする連隊を見ながら、村長役の加藤 嘉が「よりにもよって山の神様の日に…。命知らずのバカなまねにもほどがある!」と吐き捨てたシーン。

今までさして気に留めなかったシーンだったが、昨年末から山岳宗教の勉強をしていたので、「山の神の日には、山に入ってはいけない」という信仰が前提となっていることに気づいた(宮家 準『霊山と日本人』)。
この掟を破ってこの日に山に入ると、山の神は喜怒哀楽が激しいので、怒りを爆発する。

明治35年の1月23日が本当に山の神の日であったかは疑問だが、このシーンを入れたことで、青森五連隊の運命が暗示されたことになる。

ちなみに「山の神の日」に対する畏怖は、最近の映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』(矢口史靖監督)でも表現されている。

山への敬意にもとづく登山(峰入り)を志している私自身、山の怒りに触れないよう心がけたい。


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