来年のお正月映画

2020-01-30 06:22:23 | 音楽&本&映画
ネットで今年公開予定の話題映画という記事のスライド写真を見ていたら、最後の最後で見たことのある題名の映画が出てきた。
「Dune」ってあの砂の惑星の事でないか?
その記事には俳優の写真と公開時期しか書かれていない。
調べて見ると果たしてそうだった。
大昔に見たあの映画がリブートされるようだ。
どんなだったかあらすじを調べてみるといろいろと思い出されてきた。



浮遊移動するハルコネン男爵、空中浮遊して動くものに突き刺さる毒殺注射器、早い動きは弾き返しゆっくりと動くものは侵入を許すバリア、砂虫だったか振動を感知して襲ってくる巨大なミミズ、砂の民の青い目。
なんか独特の雰囲気を持った作品だった。
今度の監督は「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。
「ブレードランナー2049」は暴力的なのに静謐とも言える雰囲気がベースになっていて大好きな作品である。
彼が作るとなれば前作とはまた違う独自の世界観を展開してくれるだろう。
とても期待大である。



ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の紹介文には大抵「メッセージ」「ブレードランナー2049」の、という修飾子がつくのだが、「メッセージ」はまだ見ていない。
代表作としてあげられるのだから評価が高いのかと調べてみるとその通りで、こちらも見てみなければ。
「デューン」は今年の12月公開予定。
来年のお正月に観る映画となりそうだ。
楽しみである。


お正月映画

2020-01-10 08:30:50 | 音楽&本&映画
今もそんな呼び方をするのだろうか。
今年は久しぶりに寅さんの映画がお正月に公開されたから、そんな映画には似つかわしいけどな。
さて、今回お正月に楽しんだのはスター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け。
とうとうシリーズ9作の最終話。
どうやって終わらせるのか興味津々だったが、まずまず無難に納めたのではないだろうか。
設定で引っかかったところや、ふーんうまく考えたなと思ったところを書いてみたい。
もう大丈夫だろうけど、以下、ネタバレ注意。

まずはパルパティーンの復活。
やはり最大の悪は彼でないと締まらないということか。
強大な悪の軍隊を結成していた。
その本拠地であるエクセゴルへの道が一つしかなく、特殊な道案内をしてくれる装置がないと行けない、星図に載っていない宙域にある、というのが私には解せなかった。
だって宇宙なんて四方八方に開けてるんだから、反対側から近づけそうなもんでしょう。
でもこれを書いてて、ハイパースペースにジャンプするには途中の障害物(ブラックホールとか大きな恒星とか)を避けて通るよう計算してからでないと飛べないんだと、ハン・ソロがルークに教えていたのを思い出した。
SWの世界では銀河のどこへでも行けるイメージが出来ていたが、実は星図の作成が終わっていない宙域がまだまだあって、星図がなければハイパードライブを使えないのだ。
だからルークも隠遁することができたという訳か。
今頃気がついた。
あの古い三角錐の装置は密林のどこかに隠された古代都市のありかを示す古地図というところか。

面白かったのはレイとカイロ・レンが離れた場所にいるのにライトセーバーを交わらせ戦うシーン。
フォースで呼び合う事で実現するようだ。
相手の姿しか見えないのでどこにいるのか分からず、ライトセーバーで勢い余って破壊された周りのものがカイロ・レンのいる空間に現われ出でて、レイがどこにいるのかバレるという。
最後にカイロ・レンがレン騎士団と素手で戦っているところへ、レイがライトセーバーを想念で送ったり。
とうとうフォースで物質転送してしまった。
この辺はフォースがどのような力なのかよく分からないので魔法としてみるしかないな。

もうSFXがどうのという時代ではないのだが、SWの特撮シーンには何故か惹かれてしまう。
贔屓目があるからかな。
エンドア星系の惑星で大荒れの海を背景にライトセーバーで戦う場面は、砂漠ばかり出てくるSWとしては目新しいものだった。
デス・スターの残骸が形を保って惑星に落ちてる画も良かったなあ。
ああいうのに私は弱い。
ちょっと半径が小さい気もするが、内殻の一部だとすればいいか。

最後は空中戦とシス対ジェダイのフォースの戦い2元中継。
エピソード6のルークと皇帝の対決シーンを彷彿とさせる。
ハラハラドキドキの二乗、やはりこのパターンが一番盛り上がるということか。
レイが今は亡きジェダイ騎士達の力を借りてパルパティーンを葬り去る。
いろんなジェダイ騎士の声が聞こえるのだが、判別できたのはヨーダだけだった。

強力な大艦隊も、一箇所でしか集中管制できないという出撃前の弱点を突かれて撃破される。
エピソード7のスターキラー基地もそうだけど、一箇所の弱点を攻略されると、全て壊滅するような設計にするのは何故なんだろう。
まあ、そう設定しないとレジスタンスが勝てない訳だけど、なんだかなあ。
このエクセゴルでの戦いの後、銀河各所で反乱が起こりファースト・オーダーの支配から解放される。
それならもっと早くみんなで対抗すればいいのにと思ってしまったが、これはまあシス支配の中枢が崩壊し、統制が取れなくなったから可能となったということなのだろう。

カイロ・レンが最後にライトサイドに転ぶのは、まあそうなんだろうな。
カイロ・レンの記憶として少しだけハン・ソロが出てきたので、エンドロールにハリソン・フォードの名前を探したが、涙に霞む目であの小さな文字群から探し出すのは難しく、見つけられなかった。
あるはずだよな。
もう一度見る機会があればしっかり探してみよう。
シリーズ9作はこれで終わりだが、サイドストーリー的な物語はまた作成されるのだろう。
きっと観に行ってしまうに違いない。
楽しみにしておこう。


で、カメラ雑誌を買ってしまった。

2019-12-24 06:34:35 | 音楽&本&映画
最近、図書館を利用することを覚えた。
覚えたと言っても、図書館の存在を知らなかった訳ではもちろんなく、利用したことがなかっただけだ。
戦後に活躍した昔の作家の小説で読みたいものができ、そんなのは全集みたいな本でしか今は残っていないだろうし、そんなのは図書館で見つけるのが手っ取り早い。
何冊か借りていたら、なんだ本は買わなくても読めるじゃないかと今更ながらに気付いたのだった。
これまで本は買うもので、捨てられなくて部屋で山になるものだった。
借りれば返す手間がいるが、お金がまったくかからない。
いいではないか。



本との付き合いがそんな風に変わったのであるが、本屋には変わらず立ち寄る。
買う必要はなくなったのだが、さて、なにか無性に寂しい。
やっぱり買いたいのである。
学生の頃は手持ちの本も少なかったので、お気に入りの文庫本を本棚に綺麗に並べて読書歴を眺め悦に入ったものだが、社会人うん十年生になると読み終わった本の扱いは非常に雑だ。
繰り返し読むこともなくなったので、手元に置く必要はなくなったというのに。
所有欲というより購入欲みたいだ。
買い物することはいい気晴らしになるとも言う。
たまにはいいでしょう。

好みの本

2019-09-27 06:27:49 | 音楽&本&映画
どうも、またやってしまったようだ。
梅田の大きな本屋さんで買った文庫本が、以前買って読んだことのあるやつだった。
うーむ、新作の棚にあったと思ったのに、見間違えたか。
出版社が時々催すなんとかフェアに選ばれた本だったのだろうか。
馴染みの本屋さんならその辺間違えなかっただろうけどなあ。

文庫本を選ぶ時は、中身はほとんど読まず、裏表紙や見返しを包むカバーのそでに書かれているあらすじ的紹介文を読んで購入の是非を判断している。
私の気を惹く紹介文は一定の傾向があって、当然購入する本のベクトルは同系統である。
前にも同じ本を二度買った事があって、過去に何度も読んでいる著者の場合は注意するようにしてたのだが。
飲んだ帰りだったから酔ってたかなあ。

どうやったら防げるのかな。
中身を少し読めば、「あれっ?」と思うだろうから、初めての小説家以外はある程度読んでみるしかないかもしれない。
今回はどこで気付いただろう。
結構読み進んでからのようにも思う。

前に読んでから時間がかなり経っているので、ほとんど忘れているが、結構記憶に残っている方だった。
短編集である。
なので、それぞれの物語にオチがあり、途中で「あ、こんなんだったな」と概要を思い出してしまい、その後は自分の記憶がどこまで正しいかを確認する読書になった。
詳細な部分はほぼ記憶から抜け落ちていたので、まま楽しめているか。




現実に侵されている

2019-01-12 20:51:57 | 音楽&本&映画
小川洋子 著「琥珀のまたたき」を読書中。
まだ中盤だが、心穏やかに読める物語である。
外界から人為的に孤絶した環境に暮らす家族(子供達)のお話。
一言で言うとそうなってしまうのだが、この一文ではこの物語の本質は説明できていない。
状況を説明しているだけ。
お話の面白さを表現する術を今の私は持っていないのと、今回の記事のテーマではないので詳細は省略。



読んでいて思ったのは目には見えないいろいろを、美しく違和感なくまた分かりやすく表現するなあ、と。
感嘆。
写真を撮るとき、今自分がやりたいと思ってることをやってる。
人は気付かない、自分の心の目で見たものを写真に表現したい。
でも貧しい人生経験で曇った心の目は、当たり前に見える景色しか捉えることができない。
目の前にある事物に現実的な意味づけしかしていない。
前にも書いた、年取って空想しなくなったなと。
もっと心を自由に遊ばせる術をもう一度手に入れねば。



小説家ってのはすごいな。
売れ残った図鑑、音の欠けたオルガン、郵便受け、雨でできたぬかるみ。
こんなものからあの美しい物語を編み出すのだ。
私が同じことを写真でやるには二つの関門がある。
まず見えない絵を心眼で描く。
そしてそれを画像に写さねばならない。
一つ目はなんとかなる?として、二つ目の見えないものが写せるのか?
雰囲気のある写真とはそういう見えないものが写ってるんだよな。
文章ではとても表現できないが、写真でなら…。
モノにしたいものだ。




二つ知らなかった事が

2018-08-31 23:20:09 | 音楽&本&映画
先日、書店のDVDコーナーでスター・トレックの「BEYOND」を見つけた。
2016年公開の作品。
当時、映画館で見て、最大の脅威を排除したシーンで不覚にも涙してしまった奴だ。
後からよくよく考えれば、本当にそんな事になるのかと思える排除方法なのだが。
それはまあいい。

公開後しばらくしてもDVDが売り出されていなかったので、なんでだろうと思っていた。
けど、発売時期が遅れただけなのか、私が見つけられなかっただけなのか、DVD化はされてたみたいだ。
2年も期間を置いたので、一枚1,000円の廉価作品になっていた。
ラッキー、これは買わねばと手に入れて、鑑賞した。

たった2年前の作品なのに、物語の核心部はすっかり忘れていて、最終解決シーンは映画館で観たのとほぼ同じレベルで楽しめた。
はは。
そこは、私にとって重要ではなかったようだ。
涙した場面はしっかり覚えていて、今回は涙するにはいたらなかったが、第1作と繋がる「いい選曲」がうまいもんだなと口角を上げさせた。

2016年の公開当時、レナード・ニモイが亡くなったことは知っていた。
物語の中でもスポック大使の死として、現スポックの心情に影響を与える事件として使われていて、元祖スポック死んじゃったか、と寂しく思ったのを覚えている。
今回、DVDを手に入れて、メイキングの特典映像を見ていて、知らなかったことを知った。
そのレナード・ニモイの追悼映像があったのだが、後半にチェコフ役のアントン・イェルチン(役者名はこの映像を見て知った。)も映されていたのだ。
え?、彼まだ若いのに死んじゃったの?
ネットで調べてみると、どうやら撮影後に事故死したよう。
エンドロールにも「レナード・ニモイに捧ぐ」とメッセージがあって、そのあとに「そして、アントンへ」と表示されていた。
俳優の名前を知らなかったので、アントンって製作チームの誰かかと思っていた。
チェコフだったのか。

そしてもう一つ知らなかったことを知った。
ネットで調べた時、アントンの出演作にターミネーター4があり、カイル・リース役とあった。
ええ?そうなの?
あの少年時代の?
言われてみれば、そうだわ。
役どころが全然違うので気がつかなかった。
さすが役者さん、まったく雰囲気の違う人物になってますな。
もうその日は連続して愕然としたのだった。


またつまらぬものを切ってしまった。

2018-01-21 23:06:21 | 音楽&本&映画
1月19日金曜日のこと。
その日の金曜ロードSHOW!は「ルパン三世 カリオストロの城」。
昔々何度も見たアニメだが、もう何十年も(言い過ぎか?)見ていない。
ようやく早く帰れる日も持てるようになり、その日は早く帰って鑑賞しつつ録画しようと仕事を始めた。
お昼休みに休憩室でまったりしていたら、隣に座った私より少し年下と思われる違う部署の男Aとその後輩と思われる男Bが話をしていた。

男A:「俺今日早く帰ろう。カリオストロの城を見るんだ。」
私:(あはは、私と同じ事考えてるよこの人。)
男B:「そんなの何度も見てるでしょう。」
私:(まあ、そうだよな。)
男A:「俺カリオストロの城好きでさ、DVD持ってるんだ。」
私:(ええ?そしたらわざわざ早く帰って見なくていいじゃない。)
男B:「じゃあTVで見る必要ないじゃないすか。」
私:(うんうん、そうだ。)
男A:「んー(ごにょごにょ)。未来少年コナンとかもよく見たなあ。」
私:(おいおい、Bのコメントは無視かい。)

なんて、会話を面白く聞かせてもらった。
定時後、放送開始時間に間に合う時刻に無事仕事を終え、帰宅。
晩酌開始の15分後、放送開始した。
この作品、学校に通っていた頃音声だけカセットテープに録音し、毎晩何度も何度もBGMとして流しながら勉強したものだった。
だから全てのセリフを覚えてしまった。
その頃は次のセリフや音楽を先取りして悦にいっていたが、さすがに数十年振りだと全てがすらすらとは出てこなかったな。
映像を見た回数はそれほど多くは無かったので、そちらはなかなか新鮮だった。
それにカセットテープに録音した時の放送は、昔よくあったTV用に一部カットされたもので、ノーカットと思われる今回、音楽音声のつながりが一部記憶と違っていた。
こんなシーンがあったのね。

音声記憶の詳細さと画像記憶の懐かしさが渾然一体となって、普通でない映画鑑賞の時間となった。
放送が終わり、いい気分でへべれけになり、おやすみした。
翌朝目が覚めると、いつもになくスッキリとした心持ちで起床。
この一週間のストレスがさっぱり解消していた。
酔っ払ってたから、そんなにいい時間だったことを意識できていなかったみたい。
なにしろ土日はこれからなのに、休みがおわった月曜日みたいなさみしさがあったくらいだから。
土日は遊びの予定を特に入れてなく、楽しみといえば土曜日の夜の飲みの約束だったが、金曜日まで一番だったその楽しみが色あせてしまうくらい楽しい時間だった。

年取ると若い頃の記憶を蘇らせるのが元気になる一つの方策だという。
それにはまったようだ。



とにかく、理不尽なのだ。

2018-01-13 02:44:49 | 音楽&本&映画
旅に関する短編小説を集めた文庫本を買った。
「短編伝説 旅路はるか」という。
紀行文を集めたものではない。
主題が旅の内容になくても、少しでも旅(移動)に関係していれば編纂の対象となるお話しを集めたものだ。
旅してる気分になれるかと思ったが、上記のとおり旅そのものを題材にしているものは少なくて、ちょっと失敗。

それはいいとして、その中の一編に山田正紀の作品があった。
私の中ではSF小説の大家である。
物語は、東南アジアのある国に遊びに寄った商社マンが、空港からホテルに行くのに使ったタクシー運転手に翻弄されるお話し。
そうだ、私が学校に行ってた頃はSF小説ばかり読んでいた事を思い出した。
星新一に、小松左京、筒井康隆、眉村卓、豊田有恒、平井和正、高千穂遥、なんてえの。
おー、前回読んだ文庫本の作者がだれか思い出せないのに、大昔読んだ小説の作者はすらすらと出てくる。

SFと言ってもスペースオペラな物語ばかりがあったわけで無く、今で言えばファンタジーに含められるような現実から少し外れた「科学」のつかない空想小説が多かった。
シニカルな物語が多く、主人公が理不尽な出来事に会う作品が多かった。
今回の旅物語もそのような内容で、あの言いようのない読後感を思い出した。
今は食指の伸びないタイプのお話しだ。
あの頃、なんであんなに熱心に読んでいたのだろう。




独り言

2018-01-09 23:03:02 | 音楽&本&映画
この秋から冬にかけ公開された個人的に注目のSF映画、本命の「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」を観てきた。
とても面白かったのだが、なんだかこれまでのスター・ウォーズとちょっと違う雰囲気になっていた。
好きなシリーズであるが故に個人的な不満があれこれ。
勝手な文句を交ぜながら感想を残しておこう。
以下、ストーリーに触れる部分があるので、知りたくない方はご注意あれ。

上映時間が2時間35分もあった。
だからか、なんだか説明っぽい展開。
も少し要点圧縮し、勢いで伝える手もあったのでは。
どうも納得いかなかったのはレジスタンスの最後の生き残りがクルーザーでひたすら逃げるところ。
ファースト・オーダー側は複数戦艦を持ってるんだから、燃料切れを待つ迄もなく、何隻かハイパー・ドライブで逃げる方向に先回りして挟み撃てばいいのに。
ストーリー展開上、時間を作る必要があったことは分かるけど。

しかしレジスタンスはもはや風前の灯である。
エピソードⅣからⅥの感覚でいたから反乱軍は各所にまだまだ潜伏していて、帝国側に痛手を負わす勢力があると思っていた。
が、この時代では反乱軍ではなくレジスタンスと表現が変わっていたのね。
旧帝国もファースト・オーダーなんてよく分からない名前。
その辺、前作で把握し切れて無かった。
確かに反乱軍とは呼ばれておらず、レジスタンスとしか表現されてなかったな。
エピソードⅥ後に帝国軍は弱体化して、反乱軍も反乱組織ではなくなった訳で、同じ組織ではないから当然と言えば当然だ。
もう将軍と呼ばれる存在はレイア姫のみ?だったのね。
最後はクルーザー一隻だけになってしまい、さらにミレニアム・ファルコンに全員搭乗が可能な人数にまで減ってしまう。
うわあ、むっちゃピンチだ。

スノークはおどろおどろしいんだけど、本当に大局を見渡し、銀河を支配する最高指導者としての能力を持っていたのか疑問だ。
部下の扱いを軽々と語ったり、弟子をあざ笑ったり、大物と思えない言動。
それが原因で自身の命を落とすことになる。
カイロ・レンの心を読んでいながら、その殺意を感じられないとは、よほど自信過剰だったのだろう。

カイロ・レンは悪役としてちょっと見直した。
隙をついてスノークを殺してしまうとは。
これで、自分の父と師を手にかけた立派な人である。
お前のなりたかった悪の権化になれたよ、と言ってやりたいところだが、父も師もどちらもだまし討ちだ。
楽して悪人になって、なんか格好良くない。
相変わらず理性を保てず感情で動くし、それでレジスタンスを逃がして失敗してる。
フォースがなければそんな地位にいられる人物では無いよな。
そのかんしゃく持ちな性格で、ファースト・オーダーをまとめられるのだろうか。

しかし、重要人物を次々と死なせるシリーズだ。
簡単に死んじゃうから重要人物度が下がってしまって、物語が軽くなった気がして悲しい。
エピソードⅣを初めて見たとき、最後にダース・ベイダーが死なないことに納得いかず、帝国軍側で一人生き残って、嫌な感じだったのを覚えている。
エピソードⅥで皇帝が立坑に落ちて死んだように表現されたが、本当は生きてて次作でまた出てくるのだと信じていた。
その位の底知れなさがあの二人にはあった。
ああいう不気味さがなくなってるなあ。

ルークが隠遁した理由はとっても良く理解できた。
なんかうじうじしていて、歳はとったが若い頃のルークを彷彿とさせ、変わってないなあと嬉しかった。
マスターなんて呼ばれてるが、ヨーダにいまだヤング・スカイウォーカーと呼ばれて、おかしく思えないのが可笑しい。
ヨーダの教えは明快で、あれは良かったなあ。
あの教えが今回のエピソードの主題でよかったのでは。

ところが、クルーザーの整備士が新たに重要な役どころとして参入。
この設定って必要なのかなとちょっと疑問。
自己犠牲に対する考えが盛り込まれて、別の主題が変に入った感がある。
それはそれで重要な事なのは理解できるが、一般世界の価値観にわざわざ触れたので、なんの映画を観てたんだっけと分からなくなった。
この辺スター・ウォーズらしくなく、フォースの光と闇のありようを基軸とした物語が迷子になってる感がした。

レイのフォースの目覚めは著しく、ルークが苦労して見につけた力をなんなく会得している。
普通あんな超能力を手に入れたら、悪いことに使ってしまいそうなものだが、その気配が無いのが不思議である。
ジェダイとして精神修養した上で身につける力であって、アナキンですら修行開始が遅いと心配され、ダークサイドに落ちてしまったのに。
アナキンをジェダイにするのは反対したヨーダが、レイを教えることには積極的だったから、危うい未来は見えなかったのかもしれない。

さて、次作にどの様につながるのだろう。
いろんな意味で楽しみである。


2049

2017-11-26 22:49:56 | 音楽&本&映画
この秋冬公開の気になるSF映画第2段、「ブレードランナー2049」を観て来た。
気になるSF映画第1段の「エイリアン コヴェナント」はリドリー・スコットが監督だった。
このブレードランナーではリドリー・スコットは製作総指揮を担当している。
結構いいお年だと思うが、製作意欲は衰えないようだ。

見終えて気が付いたが、コヴェナントもブレードランナーもアンドロイドの物語なんだな。
コヴェナントで出てくるのはちょっとロボットよりの機械的アンドロイドで、ブレードランナーの方は人間よりの生物的アンドロイドだ。
位置付けは違うが両方とも使用者である人間に負の感情をベースに持つ。
リドリー・スコットは同時期に同じような(物語の背景は全く違うが)作品に関係して、面白かったことだろう。

コヴェナントの方は過去記事で書いたので、今回はブレードランナーの方を。
人間の為に過酷な労働を強いられるアンドロイドであるレプリカントの悲哀を描いている。
前作でもそうではあったが、前作はまだ人間よりの物語だった。
一部レプリカントの「犯罪」を人類の為に取り締まるブレードランナー、な内容だった。
が、今作は明確にレプリカントが主役だ。

アクションも入るのだが全体的に静かな印象。
主役のレプリカントのブレードランナーが物静かであるのが大きいが、ウォレス社社長の常軌を逸した危険な欲望の現れや、彼の側近のレプリカントの犯罪行為の淡々とした表現、自然環境の崩壊したロスアンゼルスのジメジメした街の描写、などがサイレントに統一されていて馴染める。

この作品、好きである。
どんな作品も見終えた直後は面白かった事を否定しないが、しばらくして冷静に考えてみれば、設定上の疑問点が複数表出して評価を下げてきた。
が、この作品は私が基準ではあるが、その対象が少なかった。
より現実的と言えようか。
ハッピーエンドである必要はない、大人の映画は主題を如何に表現するかだ。



作品の内容とは離れるのだが、今回は4DXで鑑賞することになった。
料金は3200円もしたけど、都合のいい時間にやってるのがそれしかなく。
どんなものか経験してみるのもいいかと思って。
でも、なかなか楽しかった。
座席が動くだけでなく、水風光のシーンで雫は落ちてくるは、風が吹いてくるは、劇場内でピカピカ光るは。
遊園地のアトラクションのようだった。
また機会があれば4DXで鑑賞してみてもいいかな。