カッパが寿命を迎えた

2023-07-24 06:18:58 | 山行
山で着るカッパが寿命を迎えた。
外見はまだまだ使えそうだが、内側の防水のための目貼りなのだろう、生地と生地の境目に貼り付けてあったテープが剥がれてしまった。
それも一ヶ所ではなくあらゆる箇所のテープが剥がれたようだ。
広げると内側に簾状にテープがぶら下がっている。
少しづつ破れていくのでなくて、一斉に破れるというのが、日本製品の品質の良さというか、品質のバラツキのなさを見たようで、感心してしまった。
ということは新しいカッパを買わないと山に行けないということか。
こういう買い物って結構面倒に思う質だ。
一般的に新しく買い物するという行為は心躍るものなのだろうが、必要に迫られて購入しなければならないものはその限りではないよう。
ゴアテックスにすべきだし、そうなると出費が嵩む。
必ずしも必要で無いものを買おうとするのは楽しいんだけどなあ。


帰宅劇

2023-07-12 06:23:24 | 山行
ただの観光旅行をしている時は旅が終わりに近くなると、帰りたくないなあ、もっと旅していたいなあと思うものだが、山行きの時はそうでもない。
山小屋での宿泊は快適とは言い難いし、歩いてしんどいし、でも山の気はしっかり取り込んで、帰る時は清々としてさくさく帰る。
今回も最初は気分よくバスに乗り車窓を眺めていたが、乗り継いで乗り継いで電車に乗る頃から疲れが出てきた。
帰りも行きと同じルート。
伊那北駅から岡谷行きの普通電車に乗った時、変な格好で眠ってから急にしんどくなった。
判断力が低下していたようで、岡谷駅で次に乗る塩尻へ行く電車のホームを間違えてしまった。
移動する必要はなかったのに隣のホームに行ってしまい、すぐに来た電車に乗り損ねる事態が発生。

鉄道好きなのにこんな乗り換えの失敗をして、結構なショックを受けてホームのベンチに座り次の電車を待った。
幸い、先の電車に乗れたとしても、塩尻駅で特急電車を一時間待つ必要があったため、次に塩尻へ行く40分後の電車でも間に合ったのではあった。
思えばその日は朝の3時半から活動を始め、いつもより体力・注意力を使う登山をして11時間が過ぎようとしていた。
日帰りで遊ぶ休日なら、家に帰っていていい時間だ。
疲れていたから仕方ないと慰めて、塩尻から乗った特急「しなの」では座席を倒して爆睡だ。

名古屋駅手前でスッキリした気分で目を覚まし、だいぶ元気になったと電車を降りたのだが、またやってしまう。
新幹線に乗り換え、ホームで切符を見て覚えた指定席に行ったら座ってる人がいた。
「そこ、私の席なんですけど。」
その人は自分の切符を私に見せようと取り出そうとするので、私も切符を取り出し、その人に見せる前にふと見ると、なんてこった、私が号車を間違えてる。
ここは6号車で切符の記載は5号車だ。
「私が間違ってました、申し訳ありません。」と謝ってそそくさとその場を離れた。
んもー、乗る直前に見たのに一桁の数字を覚え損なうか、恥ずかしい。
5号車の該当の席は当然空いていて、やれやれと座る。

しかし失敗したなあ。
今後の生活に一抹の不安を覚えてしまう出来事となってしまった。
ついでに、いい記事ネタができたなと考えている自分もまたいるのだった。

<岡谷駅にて>



晴れの日

2023-07-10 06:22:55 | 山行
山小屋に戻り、朝ごはんをいただく。
朝も暖かい作りたてのお料理、焼いた魚の切り身が出てきた。
その日は体調良くおいしくいただいた。
食後、寝床を片付け、荷造りして出発だ。
食事前に仙丈ヶ岳山頂へ登ったので、この後は下山するだけ。
登ってきた道をそのまま辿り下る。
そうだ一ヶ所だけ、小仙丈ヶ岳については巻道を通らず山頂を経由した。
前日と違い遠くまで見晴らせる素晴らしいお天気で、地図を取り出して周りの山の山座同定を楽しんだ。
お天気とルートの他、前日と違うのは登山者の数。
早いうちにすれ違った人は、昨晩から北沢峠の山小屋かテント場に泊まり登ってきたのだろう。
後から後から続く人達は朝一のバスで到着した人達か。
前日とは比較にならない沢山の登山者とすれ違った。
以下、下山時に撮った写真。

<仙丈小屋から東の稜線への上り>


<なだらかな馬の背と右上は鋸岳>


<仙丈小屋を振り返る。
 昨日はガスに包まれこの位置からでは見えなかった。>


<キバナシャクナゲがたくさん咲いていた>


<小仙丈ケ岳へ。
 奥の青い山は左が甲斐駒ケ岳、中央から右へ早川尾根、右端はたぶん地蔵岳。>


<カッコイイ岩場>


<東側の眺め。
 一番奥の青い山は富士山、その右は北岳、その右が間ノ岳。
 日本で一番、二番、三番目に高い山の揃い踏み。
 山座同定に使った地図はこの北岳、間ノ岳を縦走した時に買ったもの。
 2013年版だったので10年も前だったかと思ったが、ブログ記事を見返すと2014年の秋だった。
 その時は向こうから仙丈ヶ岳を眺めたのだろう。>


<昨日は左の巻道で楽をした。
 今日は右の小仙丈ケ岳へ。>


<小仙丈ケ岳山頂>


<小仙丈沢カールと仙丈ケ岳>


<西側の眺め。
 中央奥はたぶん乗鞍岳。
 この左には御嶽山と中央アルプスが、右には北アルプスが同じように見えた。>


<行く手には甲斐駒ケ岳、左奥は八ヶ岳、右奥は秩父の山か。>


<登山者がやってくる>


<北沢峠のテント場。
 その左手上の谷まで降りる。>


<再び樹林帯へ>


<バス停横のお花畑で発車時刻待ち>



初めてのヘッドランプ

2023-07-08 07:45:15 | 山行
寝苦しい夜をやり過ごし、明け方に目を覚ました時、そろそろかなと時計を見ると午前3時半過ぎだった。
日の出の時刻は4時20分頃だから、ちょうどよい時間に目が覚めた。
体調が戻っていれば朝食の前に頂上に登って日の出を拝もうと思っていた。
起き上がっても、頭痛も気持ち悪さもない。
大丈夫そうだ。
暗い中ダウンジャケットを着込み、ヘッドランプの光を手のひらで絞って足元を照らし、階下に降りた。
登山靴を履いて外に出ると、ほんの少し明るくなりかけ。
ガスはまだ引いておらず周りは霞んでいるようだ。
山頂に着く頃には晴れてくれるのを期待して歩き出す。



ヘッドランプは登山を始めた当初に買い揃えた奴で、毎回山行きの時はもってくるのだが、頭に巻いて山を歩くのは多分初めてだ。
ザレた足元をうっすらと照らしてくれる。
小さいランプだが意外と見えるもんだ。



東の方角なのだろう、雲間に明るい部分がある。
仙丈小屋から仙丈ヶ岳山頂までは20分。
日の出に間に合うかと気が急いて足の運びが早かったのか、息が切れ出した。
ペースを落とす。



峰の南側から冷たい風が吹き上げてくる。
登山道は峰の北側にあるので、背丈を超える岩の横に入ると風はピタリと止んで助かる。
徐々に明るくなってきた。
ガスも引き、西側には白い雲間から青く沈む伊那の町の光が見えるようになってきた。



東の空はまだ雲が覆っていたが、ピンク色に染まり出した。
一ヶ所小さな雪渓をトラバースして、山頂に到着。
昨日はどうなることかと思ったが、無事到着できて良かった。
風が当たらぬよう岩陰に座り、日の出を待つ。



日の出は雲の中からだった。
それでも下側が切れていたので、山の稜線から出てきたところが拝めたのだろう。
太陽は時間と共に丸くなり、少し潰れた楕円形の輪郭がはっきりと視認できた。



日が昇るに連れてガスは晴れていき、昨日は窺い知ることの出来なかった辺りの様子が明らかになってゆく。
天気が悪いままだったら、こんな景色に囲まれていた事を知らずに降りねばならないところだった。
日の光が黄色くなるまで眺めて、小屋へと戻った。




高遠の町

2023-07-06 07:03:08 | 山行
時を少し戻し、前日の高遠町でのこと。
旅の初日が移動だけではつまらないから、途中で観光できるところはないかと探していた。
大阪から北沢峠まで、電車とバスで行くのにもっとも近いのは、
・新幹線で名古屋まで
・特急「しなの」で塩尻へ
・中央東線と飯田線で伊那北、または伊那市まで
・JRバス関東で高遠へ
・長谷循環バスで仙流荘へ
・南アルプス林道バスで北沢峠へ
と思っている。



この移動中の観光地として真っ先に思いつくのはやはり高遠。
高遠といえば高遠城址の桜が有名だ。
今は桜の季節ではないから、城跡を城跡として見学してはどうだろう。
ガッツリ見学する時間は取れないが、少しくらいなら見て回れるだろうと思っていた。



しかし、事前の調査不足であった。
JRバス関東のバス停が高遠城址から結構離れたところにあったのだ。
高遠で一番の観光地なんだから、バス停はその近くにあるものと勝手に思い込んでいた。
それにこの先、山で食べる糧食を買っておく必要があるのだが、バス停近くにコンビニ、スーパーが見当たらない。



当てずっぽうで歩いて見つかるとは思えない雰囲気で、どうしようと思っていたら観光案内所を見つけた。
聞いてみると歩いて20分ほどかかる場所にしかないという。
行って買って帰ってくるだけで高遠での残りの滞在時間はほぼ使い果たしてしまう。



つまらんなあと思いながら歩き出したが、コンビニへの往復の道中で通り抜けた町は意外に被写体に溢れていた。
古い建物と新しい建物が入り混じった町だ。
観光案内所でもらった地図で歩く道は、こんなことでもなければ歩くことのなかった道。
城跡見学を町並み見学に入れ替えて、高遠観光とした。




外のベンチでビールを一杯、とはいかず

2023-07-04 06:25:47 | 山行
仙丈小屋は小降りな山小屋。
同じような髭を生やした同じような背格好の二人のお兄さんが管理していた。
受付してもらい、注意事項の説明を受け、寝床の番号を教えてもらう。
小屋は三階建て。
一階には外から入る昼用トイレがあり、それ以外のスペースは小屋の維持管理用設備に使われているよう。



入口は階段を登った二階で、受付と小さな売店があり、土間にテーブルと椅子とストーブがある。
ストーブは薪ストーブでかっこいい。
その左手に厨房。
奥は畳敷きの休憩スペース兼食堂。
本棚に漫画がたくさん。



三階には夜用トイレが、これも外から入る場所にある。
寝床も三階で、その日は9人宿泊したようだ。
一人一畳分くらいのスペースがボードで区切られていた。
頭の部分が盛り上がったマットが敷いてあり、毛布は三枚。
持参したインナーシーツを毛布と身体の間に敷いて寝るよう言われた。



ザックから荷物を出して就寝用体制を作り、二階に降りた。
夕食は17時からで、まだ2時間弱時間がある。
暇を持て余して外に出るが、相変わらず辺りは真っ白。
足元の花しか被写体にならない。
体調回復したと思ったのだが、花を撮るのにしゃがむとやはり頭痛がする。
小屋に戻る事にした。



二階の休憩スペースの畳に座り壁にもたれていたら眠くなり、変な格好でうつらうつらした。
ふと目を覚ますと、とっても気持ちが悪い。
夕食、喉を通るかな。
テーブルに配膳された料理は作りたてで暖かく美味しかったのだが、こってりしたおかずは食べきれず残す事になってしまった。
申し訳ない。
まだ17:30だったがもう休むことにし、三階の寝床へ。
明日は回復していることを願って横になった。




さらに不運の追い討ち

2023-07-02 19:09:07 | 山行
北沢峠は標高2030mほど。
ここから3030mを少し超える仙丈ヶ岳まで登る。
歩くのは尾根道だが、原生林の中なので眺望は効かず。
道脇を覆う苔の中に芽を出すツガなのだろうか、針葉樹の芽や草の幼葉を愛でながら歩く。
出発が他の人とずれたので、他の登山者ともほぼ遭遇せず、静かな山行きだ。



長い道のりの途中には何度か少し斜度のある上り坂が続くところがある。
登っても登っても同じような上り坂が目の前に現れ、さすがでっかい山は登りでがあるなあと、息を切らしながら思う。
脚の筋力の衰えはいかんともし難く、上るのに高い場所に足を置くと、脚だけでは体を持ち上げられず、手で膝を押さえる補助が必要だ。



息を切らしては立ち止まり、撮影しては息を整える。
立ち止まる度に何かしら気になる被写体がいるので、いいところで立ち止まるなあといい気になっていたが、たぶんどこで立ち止まっても同じなんだろう。
ほんの少しづつ違う自分を魅了する存在で、周りは埋め尽くされていたのだ。



峠を出発した時には日の差していた天気が崩れ出した。
ガスが漂い始め、小さな雨粒が落ちてきた。
標高はどんどん上がっていくので雨が止むことはないだろうとカッパを取り出し着込む。
コースのちょうど中間地点となる大滝頭に到着。
標高が高くなり周りの木々も段々と小さくまばらになってきた。
森林限界が近そうで、雨を遮ってくれる木々があるところでお昼ご飯とした。



ご飯を食べるのに止まってる時間はコースタイムに入っていない。
食べ終わってすぐに出発。
エネルギー補給はしたが、足の疲れに即効性はなく、息が切れる間隔も短くなる。
森林限界を過ぎ、急に周りの見晴らしが良くなった。



といっても近くの景色は見えるが、遠くはガスっていて真っ白。
あるはずの隣の峰は時々ちらりと覗く程度でほとんど見えない。
行くてはハイマツに覆われた丸い山塊だ。
雨はいつの間にか上がっていた。



ここにきて息がますます苦しくなり、足元に咲く花を撮ろうとしゃがむと頭痛に襲われ、立ち上がると立ち眩みと吐き気が通り過ぎる。
むむ?これって高山病の初期症状ではないか?
気分の悪いのをやり過ごししばらく頑張ったが、とうとう立っていられなくなり、道端の岩の上に座り込んでしまった。
しばし呼吸を整える。



じっとしているとしんどくはないが、立ち上がればまた気持ち悪くなりそうだ。
こんなことは初めてだ。
暑くて気持ち悪くなったことはあるが、ここまではっきりした高山病の症状は経験したことがない。
どうしよう。
山を降りることもできるが、宿泊予定の仙丈小屋まであと一時間くらいで、そちらの方が近い。
もう少し登ってみる事にする。



縮んでしまったような肺に空気を送り込みつつゆっくり歩いていくと標識が現れ、小仙丈ヶ岳の頂まで登らずとも済む巻道があった。
ガスってなにも見えないから頂上を通過する必要はなく、ありがたく巻道で楽させてもらう。
上り坂から解放され、平坦な道を歩くようになると呼吸はだいぶ楽になり、これなら小屋まで行けそうだ。



もう上りは無いのかと思ったがそうは行かず、鎖の付いた岩場を越えたりしなければいけなかったが、ふらふらすることは無くなった。
写真撮る時頭痛はするが体調は回復傾向。
道が下り坂になり、そろそろ山小屋に着くのではないかと歩いていると、前方から話し声が聞こえてきた。
すると薄っすらと山小屋らしき建物が、白いガスの向こうに見え出した。
やれやれ、ほっとした。
到着期限の15時に20分ほど早く到着。



仙丈小屋から仙丈ヶ岳山頂までは20分とあった。
当初予定では小屋にザックを置いて、山頂往復するつもりだったが、この体調では無理だろう。
数十m先の山小屋も見えないガスの中だ、どうせ何も見えない。
明日の朝、体調と相談して登ることにしよう。




出鼻を挫かれる

2023-06-30 06:26:58 | 山行
北沢峠から仙丈ヶ岳へは大きく分けて二つのコースがある。
薮沢から馬の背ヒュッテを通り北側から詰めるのと、小仙丈ヶ岳を経由して東から詰めるコース。
薮沢コースは谷間を行くので眺めはないが、原生林を味わえそう。
小仙丈ヶ岳コースは峰を行くので眺めが良さそうだ。
初日はあまり天気がよくなさそうなので、薮沢でガスに覆われる雨の原生林を味わい、翌日は天候回復を想定して小仙丈ヶ岳コースで帰ってくる計画とした。



薮沢コースへはバスで来た林道を少し戻り、森の中を下っていく道に入るようだ。
そちらに向かって歩き出したが、バス停のすぐ横に見たことのない花が咲き乱れていて、いきなり足を止められる。
ひとしきり撮影した後、広い林道を歩くと、バスの車窓から見えた苔に覆われた林が左右に広がっていた。
道標が現れ、林道をそれると下り坂。



つづら折れて行く道は原生林の中。
下草は前日の雨で濡れそぼり、樹々の間を抜けて差す光が美しい。
湿った林床は苔やキノコがいろんな表情を見せて楽しい。
後の行程が無ければここで一時間くらい撮影していられそうだ。



20分もかけて大平山荘(休業中)に到着。
この横手から薮沢への道があるのだが、その入口にきて驚いた。
黄色いテープが張られ、通行禁止とある。
立札には薮沢新道は積雪期通行禁止と書いてあった。
積雪期?
今って6月だよな。
そんなに雪深いの?



そういえば南アルプス林道バスの運転手さんもそんなことを言ってたな。
冬にここに来ることはないからって聞き流してた。
そんな特殊な表現でなく、全国で通じるよう日にちで「◯月◯日まで通行禁止」とかにして欲しいなあ。
仕方ない、行きも小仙丈ヶ岳コースを上るしかないか。
バス停まで戻らなくては。



戻る道は上り道。
足が重い。
戻ったバス停には着いた時の喧騒は無くなって、テント場から来たのか二人の登山者が登山口に入っていくを見かけたくらい。
あとは下りのバス横に運転手さんがいるくらいだった。
時刻は10時前。
9時前にバスを降りたから、まるまる一時間出遅れた事になる。



その日泊まる頂上直下の仙丈小屋には15時までに到着するよう言われており、あと5時間しかない。
標準コースタイムは4時間なのであまり写真に時間を使えなくなってしまった。
もし薮沢コース入口まで行ってなかったら撮れなかった写真が撮れたから、悪い事ばかりではなかったと慰めるしかない。
すでに疲れ始めた脚を登山口に踏み入れた。




南アルプス林道バス

2023-06-28 06:20:40 | 山行
久しぶりの南アルプス登山。
手持ちの山岳地図に仙丈ヶ岳が載っているものがないか探したら、すぐに見つかった。
北岳から農鳥岳へ縦走した時に買った地図に載っていた。
2013年版とあったから、もう10年も前だ。
そんなに経つのか、と少し愕然。



仙丈ヶ岳へは北沢峠から登る。
北沢峠へは仙流荘という宿の隣にあるバス基地から、南アルプス林道を通って向かう。
南アルプス林道は一般車通行不可なので、バスで行くしかない。



梅雨時の平日なのに切符を買う長い列ができていた。
乗車人数によって出るバスの台数が変わるようで、その時間(朝8:05発)はほぼほぼ満員状態のバスが三台出ていた。
今でこんななのに、夏山シーズン中のお休みの日はどれだけの人が来るんだろう。



道路は最初、川と同じ高さにあるが、一般道をそれて南アルプス林道に入る橋を渡るとグングン標高を増し、川は遥か谷底に遠くなる。
北沢峠までは1時間弱。
乗っている間、運転手さんがポイントポイントで話をしてくれる。



例えば、南アルプス林道が開通した時の事。
途中に見える山の説明。
鋸岳という岩峰にある鹿窓という岩穴を遠望できるところで止まってくれたり。
薮沢コースは冬期は雪が深くて通行禁止だとか、いろいろ。



南アルプスの森は原生林だそう。
北沢峠が近くなると林道は谷筋から離れ、林床の様子がよく見えるようになった。
古い倒木もろとも地面は苔に覆われ、素敵である。
到着した北沢峠には立派なバスの待合室があった。



綺麗なトイレもある。
目の前に山小屋があり、入ってはいないが軽食くらいは食べさせてくれるかも。
登山の装備がなくてもここまでなら来られるので、南アルプスの山懐の雰囲気を味わいたい人は来てみるといい。



到着早々、登山口へではなく、林道をさらに歩いていく人が沢山いた。
どこに急いでいるんだ?と初め不思議だったが、その先にテント場があって、いい位置を確保したいんだなと気付く。
たぶんそうなんだろう。
トイレを借りて、靴紐を締め直し、脚をストレッチして、さあ出発だ。




山行き計画

2023-06-26 06:59:14 | 山行
年度始めの予定では、早めの夏休みを6月に取得しようと考えていたが、今年は仕事の都合で長期休暇を取るのは難しそう。
久しぶりに山小屋に連泊して、どっぷり山に浸ろうと思っていたのだが、残念。
まあ長期休暇代わりにゴールデンウィークに良い旅ができたから、長く休みたくて悶々とすることもない。
来年のお楽しみとしよう。
ただ、近場の山にはない日本アルプスならではの雄大な山の景色は久しぶりに見てみたい。
一週間まるまる休むのは無理だが、週末に二日お休みを当てるくらいなら可能。
てことで二泊三日で行ってきた。



アクセス良く行ける山はないか探したところ、仙丈ヶ岳が良さげ。
南アルプスにある山である。
地図では麓の町から結構離れて見えるのだが、北沢峠という甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を結ぶ縦走路の鞍部までバスで行けるので、健脚の人なら一泊二日でも行って帰ってこれそうな山である。
一日目に麓の旅館で宿泊、二日目に山頂にある山小屋まで行き、三日目に下山、そのまま帰阪のだいぶゆったりしたスケジュール。



梅雨の時期だから雨の可能性が高いがそれはそれで良し。
晴れたらそれも良し。
一番いいのは一日目曇り、二日目雨、三日目晴れ、かな。
雨ならではの山の表情と、晴れて見通せる見晴らしの良さと、両方写真に撮れるといいなと思っていた。
結果は一日目雨、二日目曇りのち雨、三日目晴れ、でまずまず希望どおり。
また分割記載したい。