冒険とは

2016-10-01 20:17:04 | その他旅行き
秋分の日に日光白根山を登山しようと目論んだが、お天気悪く中止した。
現地まで行っていたので周辺観光に目的を変えたら面白いものを見つけた。
日光白根山の北西、国道120号の北側に大尻沼、丸沼、菅沼といった湖沼群がある。
大尻沼と丸沼との間にダムがあり、そのダムの下流側すぐの大尻沼湖面に人力の渡し船があったのだ。
営業運転してるようなものではない。
なんとかいう会の方達が作った手作りのドラム缶の筏が、ロープにつながれ浮いているのだ。
純粋にただ楽しむためだけに存在する渡し船。
その名も「トムソーヤ号」
自分でロープを引っ張って対岸へ渡る仕組みだ。
対岸と言ってもほんの20mくらいだろうか、気軽に挑戦できる。
そう、挑戦する渡し船である。



始め筏は対岸にあったのでこちらに引っ張り寄せた。
高い位置にロープがあり力を入れにくかったが、滑車は滑らかに回りそれほど苦労することなく引き寄せられた。
半分沈んだ桟橋を踏んで筏に乗ると、体重を掛けた方にフワフワと傾き不安定この上ない。
これは下手をすると簡単にひっくり返るな。
ロープを引っ張ってみた。
筏の上では腰高にロープがあって力を込めやすい。
ドラム缶が湖水を押し分け、意外と軽くスルスルと湖上へ進出。
対岸までたった20mほどだが、深さは結構あり、短距離でもドキドキである。



筏の上からはすぐそばにそびえる丸沼ダムを見上げられる。
このダムはバットレスダムという型式で、技術的に作るのが難しいらしく、あまり数はないそうだ。
雨の日の夕刻だったので、暗くそびえる様が何やら廃墟のビルのたたずまい。
不気味であった。
しかも時折ダムの中から金属のぶつかるような音が響き、静かな湖面に消えていく。
そんなこんなを背景に、いつ沈むか分からぬ筏で岸を往復した。
ただそれだけなのにすごい冒険をしたみたい。
トムソーヤ号とはよく名付けたものだ。
冒険心をたっぷり満たしてくれた。



岸には使用に当たって注意書きされた看板が立っていて、簡単に言えば「自己責任で遊んでください」ってことが書いてあった。
安全が保証された乗り物では無いことを認識して遊ぼう。



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