三回目にしてしっかり味わった

2017-08-14 22:54:52 |  常念山脈縦走
山行き六日目は金曜日。
朝、寝ている時に暑くて開けた窓から小鳥の声がよく聞こえ目が覚めた。
起床時間までまだ時間があるのでその度眠ったのだが、目覚ましが鳴って外を見たら日差しがあった。
あれー?
窓から顔を出し空を見ると青空だ。
あれあれー?、曇り雨の予報だったのに。
快晴だ。



それなら早起きしてその辺を散策したのになあ。
もったいない。
なんで天気は悪くなるとしか思わなかったんだろう。
もしお天気良い場合という選択肢を翌日の計画に必ず含めておくべきだ。
俄然観光にやる気を出し、大正池へのバスは8:25のに絶対乗るべく、荷造りを終えてから朝食に向かった。



食後7:50にフロントに行ったら係りのお兄さんが不思議そうにチェックアウトの手続きをしてくれた。
みんなもっとゆっくりするのが常なのだろう。
外に出ると空は真っ青、燕山荘の朝と同じくらいスッキリと晴れ渡っていた。
河童橋に行くと穂高連峰が遮るものなく目の前にあった。
こりゃいい。
今日これから穂高方面に向かうのか、大きなザックを背負ったパーティのメンバーが嬉しそうにカメラを向けていた。



昨日見えなかった焼岳もスッキリ。
河童橋を手前に入れたお約束の構図の写真を撮り、バスターミナルへ。
松本までの切符と新島々までのバスの整理券を手に入れ、大正池に向かうべく予定通り8:25の沢渡行きのバスに乗った。
上高地には過去二回来たことがある。
一回目は小学生の頃だったろうか、上高地の景色の記憶がもうない。
沢渡の駐車場へシャトルバスに乗って移動した時、やたら冷たい風が窓から吹き込んできて寒かった記憶があるだけだ。



大正池に着く頃には早や白く薄い雲が空の半分を覆っていた。
予報が晴れに変わったけど、ずっと晴れていてくれるわけではないようだ。
大正池の立ち枯れの木はほとんどなくなっていて、ずいぶん印象が変わっていた。
少し記憶の残る二回目の訪問は社会人になってすぐの頃。
乗鞍話しで書いたユースホステルに泊まった翌日にグループで一緒に訪れた。
その時は枯れ木がもっといっぱい立ってたと思う。
その時の記憶も数場面しか残っていない。
新しいホテルでも建ててたのか、杭を打ち込む音がずっと響き渡りやかましかった。



バスターミナルに向けて遊歩道を歩く。
昨日の徳沢、明神からの道と同じく広く平らな歩きやすい道だ。
中学校の修学旅行だろうか、上高地の自然を説明してくれるガイドさんが引き連れた班分けされたグループといくつもすれ違った。
上高地を歩いた記憶をキチンと残すべく、昨日今日としっかり歩き回って、ほぼ全ての見どころを抑えられたのでは。



上高地といえば大正池と穂高連峰の眺めだろう。
そちらが有名なので湿原があるとは知らなかった。
田代池という名で、小さなものだが浅い池というか川というか、澄んだ水の流れの向こうに鮮やかな緑の絨毯が覗く。
遠くから窺い観賞するところ。
近づけないが故に手の届かない楽園を覗き見るような眺めだった。



田代橋までやってきた。
バスターミナルまであと15分ほどだ。
予約したバスの時刻までまだ間があるので、上高地観光を完全なモノにするべくウェストン碑を見学に行った。
こうして日本アルプスを登山で楽しめるようになったのもウェストンさんのおかげである。
南無南無。