世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

ゴッコ・布袋魚(ホテイウオ)

2008年03月11日 07時20分07秒 | 冬が旬の魚


布袋魚(ホテイウオ)・ゴッコ

【語源】
呼んで字のごとく~七福神の布袋様に似ているからです。
プックリと丸くふくれた体形を、ふくよかな布袋様に見立てた
と言うのが定説。

北海道では「ゴッコ」と呼びますが、こちらの方が名が通っている
様です。




     ゴッコの卵とヤリイカの煮物

【旬】
この「ゴッコ」は卵が美味しい。
産卵期は春になりますので、腹にたっぷり卵を持つ、冬が旬と
言えます。


     上・・・表側、下・・・裏側

【うんちく】
カサゴ目ダンゴウオ科ホテイウオ属の魚。

見た目のインパクトは、かなりのもの。オタマジャクシを大きく
したような風貌です。最大の特徴は腹に大きな吸盤を持っている事。

これは腹ビレが変化したものと言われています。

    ゴッコ汁

春になると、岩礁域の岩のくぼみや、海藻に数万個の卵を産み
つけます。そして、その卵を雄が保護し 40日前後で孵化します。
魚には珍しい~よい父親を演じる魚なんですね~

孵化した小魚は沖合い100m以浅で漂流し満3歳で成熟、接岸します。



【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。

相模湾以北、オホーツク海と若狭湾などで漁獲されます。
主な産地は北海道。定置網、刺網で漁獲されます。

     ゴッコの肝煮





         ゴッコ汁

【産地ならではの漁師料理】
食べ方は、鍋、味噌汁、唐揚げなどが美味しいですが・・・・・
マグロ君の一押しは、北海道の郷土料理でもある「ゴッコ汁」。

昆布のだし汁を温め、切った身、水洗いしたゴッコの卵・肝を入れ、
しょうゆ、酒、みりんで味を調えます。
アクを丁寧に取り、豆腐、ネギ、大根、岩のりなどを加えて
出来上がり。

鮟鱇(アンコウ)に似たゼラチン質の身と何と言っても、この卵と
胆が美味い。

作り方のコツを産地の方にうかがったところ・・・・・
「卵を持った雌は身が少ないよ。だから雄・雌一匹ずつ使って作る
のが通の作り方じゃ~」・・・・と教えてくれました!


【ゴッコの捌き方】
魚を捌くのに必要なもの・・・・・・包丁です。
しかし、このゴッコを捌くのに、もう一つ重要なものが・・・・
それは~タップリの熱湯なんですよ~!

ぬめりの強いこの魚は、まず熱湯をぶっ掛けヌメリを取る事から
はじめます。
その後、裏の吸盤の下から包丁を入れ、腹を裂き、卵・胆、内臓を
取り出します。
最後に背骨に付いた血合いを丁寧に取り除き、もう一度 熱湯を
ぶっ掛けヌメリを丁寧にとります。
後は簡単・・・ぶつ切りに~!

ちなみに吸盤も食べれますよ~珍味ですね。


     ゴッコ汁
【栄養と効果・健康】
たんぱくな白身ですので、DHAやEPAは期待できないと思われます。
しかし、ゼラチン質が多いので、かなりのコラーゲンは期待でき
そうです。

お肌ツルツル!女性にお勧めですね~!












         ゴッコの唐揚げ







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水雲・海雲・海蘊(もずく)

2008年03月05日 07時20分24秒 | 冬が旬の魚


モズク


【語源】
モズクは、高さ15~20㌢になり、枝の直径はわずか0.5~1㍉ と極細
です。
この枝は不規則に分かれ、互いに絡み合って、ホンダワラ類の体に
付着して生息しています。
このように藻に付くことから「モズク」と名付けられたと言われます。

      ウニモズク

食用とされているものは大きく分けて3種類、
「もずく」、「おきなわもずく」、「いしもずく」です。
見分け方は簡単。正真正銘の「もずく」は非常に細く細かい!
オキナワモズクはかなり太めで目です。イシモズクは、その
中間ぐらいのです。



      もずく

【旬】
旬は冬です。
現在「モズク」として、大量に生産・流通しているのはオキナワ
モズクです。
これに対して、本種のモズクは、「細モズク」、「絹モズク」と
称されています。
食感は本種の方が上。流通量も少ない為、オキナワモズクより、
高値で流通しているようです。


     いしもずく

【うんちく】
海藻類を色で分けると、褐藻・緑藻・紅藻類の三つに大別されます。
モズクはワカメ、コンブ、ヒジキ、ハバノリなどと同じ褐藻類の
仲間です。

食卓に上がった時の色を思うとワカメなどは特に緑藻ではと思いがち
ですが、細胞に黄褐色の色素体を持つため、体色は褐色です。
それが湯を通すと退色して、その下地の葉緑素の緑色が見えてくると
いうわけです。

モズクは褐藻綱ナガマツモ目モズク科モズク属に分類されます。
関東・北陸以南の各地の沿岸に分布していますが、特に多いのは日本
海沿岸です。



      おきなわもずく

【ブランド・産地】
ブランド化は特にされていません。
主な産地は沖縄です。流通量の90%を誇っています。
モズクの養殖の歴史はわずか30年ほど。
それぞれのモズク類の養殖技術が各産地で研究されましたが、
その中で先んじて大量生産に成功したのがオキナワモズクです。

今、やモズクと言えば「オキナワモズク」と言う位の地位を築いて
います。


      もずくのかき揚げ

【産地ならではの漁師料理】
モズクと言えば酢の物・・・・ですが、色々な美味しい食べ方が
あるようです。

玉葱や人参と一緒に揚げたかき揚げ、モズクのみの天ぷらも美味
です。
また、すまし汁もいけますよ~


もずく酢

【栄養と効果・健康】
もずくで注目されている栄養分は、食物繊維の一種である「アルギン
酸」と「フコイダン」。
アルギン酸には、血液中のコレステロール・血圧を下げる働きが
あります。
フコイダンには、強い殺菌作用があり、胃潰瘍や胃癌の原因となる
ピロリ菌を退治する働きが期待できます。

近年では、このフコイダンは、癌細胞自体を退治したり、
O-157をも殺傷する力がある・・・とまでも言われています。











        モズクの天ぷら











           沖縄モズクのモズク酢







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銀鱈(ギンダラ)

2008年02月19日 21時02分52秒 | 冬が旬の魚


ギンダラ
【語源】
カサゴ目の魚ですが何故かタラ・・・?
切身にした時の見た目がタラに似ていた為と、魚屋さんが販売
しやすいネーミングと言う事で付けられたのではないかと思います。


  ギンダラの煮付け




同じ様なネーミングで、「銀ムツ」と言う魚がいます。
正式名称は「メロ」。今や標準和名が義務付けられ、「メロ」で
販売されていますが、この「ギンダラ」は、これがこのまま標準和名
になっています。





       ギンダラのムニエル
【旬】
産卵期は冬。よって、夏から秋が旬と言えますが、冷凍での流通が
大半ですので、いつでも変わらず美味しくいただけます。
煮付や鍋が代表的な料理法。
よって、需要の高まる冬を旬とするのが妥当かと思います。





【うんちく】
全長約1㍍。見た目はアイナメに似ているが、カサゴ目ギンダラ科
の魚です。
水深300~600㍍の低層に生息し、ニシンやスケトウダラ、甲殻類、
烏賊類を食します。
長寿な魚で20年以上生きると言われています。

以前は漬け魚位しか需要がなかったのですが、日本人の食生活が
「脂肪好み」に変化した為、近年、食卓で定番の魚になりました。





    ギンダラのチリソース炒め
【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。主な産地はカリフォルニア沿岸。
ほとんどが、アメリカからの輸入です。

非常に安価な魚だったのですが、その美味さの為、大人気に・・・!
ファミリーレストランなどでもメニュー化され、需要が跳ね上がり
ました。
この為、今や高級魚!一昔前の4~6倍の値です。
庶民には悲しい事ですね~





    ギンダラのピリ辛煮
【産地ならではの漁師料理】
産地といても、カリフォルニア沿岸からなどの輸入がほとんど。
代表的な料理は煮付ですが、西京漬けなどの漬け魚にも相性が良い
魚です。

マグロ君のお勧めは塩焼き。脂が強いこの魚は、煮るよりも塩焼き
の方が好きです~
ご飯がすすみます。






【栄養と効果・健康】
たんぱく質よりも脂肪分のほうが多い珍しい魚です。
水分は少ないのですが、その割には身が柔らかいです。

この魚の注目すべき点は、ビタミンAの多さです。
なんとウナギ以上~!
ビタミンAは抵抗力を強め、様々な病気を予防する働きがあります。
抗酸化作用が大きいので、動脈硬化や癌を抑制します。


    ギンダラの西京焼き



また、若返りのビタミンEも豊富に含んでいます。

DHA・EPAも多く、中性脂肪やコレステロールを抑えてくれます。

美味しい上に健康的な食材です。


ギンダラの塩焼き


  煮付け







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平貝(タイラガイ)・タイラギ

2008年02月13日 09時33分54秒 | 冬が旬の魚


タイラギ・平貝(タイラガイ)



【語源】
平貝(タイラガイ)の方が馴染みがあるようですが、正式名称は
「タイラギ」です。
殻の付いた海にいるままのものを「タイラギ」と呼び、殻を剥き
貝柱の状態にしたもの・・・つまりこの貝の貝柱自体の事を
「平貝(タイラガイ)」と呼ぶ~と言う説もあります。

語源については、詳しい事はわかりかねますが、平。平たい姿から
きていると言う説。



海底で尖ったほうを砂泥の突き刺して、立っている状態で生息して
います。
この様子から瀬戸内では「立ち貝(タチガイ)」とも呼ばれるよう
です。
この立っている姿が語源になったという説もあります。



     平貝のグラタン

【旬】
産卵期は夏です。よって、旬は冬から初春と言えます。





【うんちく】
貝殻の尖った方を下に、内湾の水深10m前後の砂泥に突き刺さった
ような状態で生息しています。

平貝には2種類あって、殻の表面がザラザラしているを「タイラギ」
と、スベスベしている「スベタイラギ」に分けることが出来ます。
潜水夫の方達は、前者を「ケン」。後者を「スベ」と呼ぶそうです。
かつては、住む場所によっての違いと思われていましたが、遺伝子
からみると違う種であるという事がわかったようです。

市場に流通しているのは「スベタイラギ」が多いようです。

ちなみに、寿司屋で柱(ハシラ)と言えば、この平貝の貝柱を指し
ます。ホタテではないんですよ~。





     タイラギのにぎり寿司

【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
房総半島以南に分布し、特に東京湾、伊勢湾、瀬戸内海(備讃瀬戸、
周防灘)、有明海などが主要な産地です。

その中でも岡山県の倉敷あたりで上がる平貝は良質として有名です。

韓国などからの輸入物も多く流通しているようです。




      タイラギの串焼き

【産地ならではの漁師料理】
タイラギの主な食べ方は、生食です。
刺身、寿司で食べるのが王道です。
生は柔らかくて甘く、火を通すと歯ごたえと旨みが増します。
また、外套膜(ヒモ)も焼き物や、刺身、酢の物などで食しても
美味しいです。

マグロ君のお勧めは、軽く表面を炙ってワサビ醤油でいただく、
タタキ風のもの。
生の甘さと旨み、香ばしい香りの3つを一度に堪能できますよ~
お勧めです。


     平貝のお刺身



【栄養と効果・健康】
高たんぱく・低脂肪の典型的な食材です。
ホタテとほぼ同じような栄養素。しかし、たんぱく質の多さは貝類
トップです。

ホタテはグリコーゲンが多く、この旨みが特徴ですが、平貝は
たんぱく質に含まれる、アラニン・グルタミン酸・グリシンなどの
アミノ酸の濃厚な甘みが最大の特徴です。

コレステロールが少なく、血圧や血糖値をコントロールするタウリン
を多く含んでいます。







        平貝~ヒモの酢の物
























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水蛸(ミズダコ)・北海蛸(ホッカイダコ)

2008年02月07日 09時11分23秒 | 冬が旬の魚


水蛸(ミズダコ)


    ミズダコのお造り

【語源】
最も馴染みがあるのは真蛸(マダコ)ですが、そのマダコに比べ、
身がやや水っぽい為、水ダコと名付けられたと言うのが定説です。
マダコに比べ、身は水っぽく味は落ちると総評されますが、一概には
言えません。
刺身で食したときのしなやかな歯ざわりはマダコ以上と言う声も
少なくありません。

地方名では北海マダコと呼ばれますが、こちらの方が名が通ってる
様です。




   赤酢ダコ
【旬】
旬は難しく、一般的に冬と言われています。
産卵期は初冬。この時季には、卵も楽しめます。

特に品質が良いとされる宮城県志津川湾のミズダコ漁の最盛期は
夏です。

しかし、需要、漁獲量を考慮して旬は冬としましょう。


【うんちく】
タコの種類は多く、世界には200種以上、日本近海だけでも30種以上
生息しています。日本で馴染みがあるのは、マダコイイダコ
そして、このミズダコです。
タコはその風貌から、食べる国は限られています。
日本、スペイン、イタリア、ギリシャ、韓国、東南アジア。

日本人は好んで食べる割には、日本語では良い言葉にタコは使われ
ません。
「タコ入道」「タコ部屋」「タコ配当」「三タコ」など・・・

ミズタコは、世界最大のタコです。
マダコが60㌢ほどになるのに対し、3㍍、20㌔にまで成長します。

流通の仕方も、丸ままではなく、足のみの「生」、「茹で」が主流
です。
お正月には欠かせない、真っ赤な酢ダコの原料もこのタコです。



【ブランド・産地】
主な産地は北海道、青森、日本海側。
東北地方以北で漁獲されます。
底びき、タコ箱での漁が主です。

ブランド化とまではいきませんが、宮城県志津川町沖合いで獲れる
ミズダコは「志津川タコ」と呼ばれ、高値で流通しているようです。


    活タコのしゃぶしゃぶ

【産地ならではの漁師料理】
何と言っても刺身でしょう。足の部分は薄皮と吸盤を取り除き、
薄造りにします。ねっとりした歯ごたえとタコの甘みを楽しめます。
吸盤は軽くボイルし食べます。コリコリ感がたまりません。


刺身はワサビ醤油も合いますが、塩とレモンで食べると最高!
マグロ君のお勧めです。

産地では足も人気ですが、それ以上に人気があるのが頭。
軽く湯通しし、刺身にして食べます。
また、卵の醤油漬けも美味。ネットリ感が答えられない。
日本酒ですね~

しゃぶしゃぶもお勧めですよ~!





      ミズダコの唐揚げ




【栄養と効果・健康】
高たんぱく、低脂肪・低エネルギー、ダイエット向きの食材です。
生よりも茹でて食べた方がたんぱく質が増加します。

コレステロールが多いと言われてきましたが、タウリンが豊富に
含まれている為、逆に血中コレステロールを下げる事が近年わかり
ました。
血圧を下げる効果もある為、動脈硬化、脳卒中などを予防する働き
が認められています。
また、肝機能を高める働きもあるので、酒の肴には最高の食材です。

        ミズダコの卵のお刺身








        ミズダコのカルパッチョ



         活タコのにぎり寿司









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特鰭(トクビレ)・八角(ハッカク)

2008年01月29日 21時17分16秒 | 冬が旬の魚


八角(ハッカク)・トクビレ



    ハッカクのから揚げ

【語源】
「ハッカク」の方が、ポピュラーですが、標準和名は「トクビレ」の
方です。
特に雄の第二背ビレと尻ビレは大きく、特の大きいヒレ・・・・
「トクビレ」・・・・と名付けられたと思われます。

「ハッカク」は、名のとおり、ぶつ切りにした時、断面が八角形
だから・・・安易なように思いますが、そのかわった姿はインパクト
があり、納得できます。


【旬】
産卵、成長に付いては、未だ不明とされている魚です。
よって、科学的に旬を述べる事は出来ませんが、味、脂ののりから
判断するところ、旬は冬と言えるでしょう。

      ハッカクの干物
雄・雌の見分け方は簡単。特にヒレが大きい方が雄。
また、大きなヒレに白い紋がある方が雄です。雌はありません。




      ハッカクのお刺身

【うんちく】
江戸時代に書かれた「西蝦夷日誌」の中で、「異魚があがる事あり」
と紹介されているのが、このハッカク。
見た目は奇妙だが、この魚がすこぶる美味い。
しかし、見た目ゆえ、市場価値がなく地元のみで食されていましたが
近年、テレビ、雑誌などで取り上げられ、非常に人気の魚に・・・

これに伴い、価格の方も急上昇!幻の高級魚になってしまいました。

水深200㍍以浅の砂泥底に生息し、鰈(カレイ)狙いの底引き網船に
昆獲されます。この為、水揚量は少なく、幻と言われる所以となって
います。




           ハッカクのにぎり鮨


【ブランド・産地】
この魚自体がブランド化されていると言って良いでしょう。
何せ・・・「まぼろし」と言われてるわけですから~
主な産地は北海道と北陸地方。

特に、北海道日高沿岸であがるハッカクは格別だと言います。
ご存知のとおり、日高は昆布の有名産地。
この上質の昆布に小魚が集まり、たくさんの餌の元で育つハッカクは
最高に美味いとか・・・。




        ハッカクの軍艦焼き
【産地ならではの漁師料理】
なんと言っても刺身でしょう。
鮮度の良いハッカクの薄造りは格別。
しつこくない上品な脂は、他のどの魚にもない独特なものです。
ただ、鮮度よく流通してるものが少ないのが玉にキズ。
美味しい刺身は産地の特権かもしれません。



また、この魚は焼いても美味い。塩焼きを良いですが、味噌を使った
「軍艦焼き」は格別です。
ヒレを取り除き、背に包丁を入れます。割った背の中に味噌を入れ、
弱火でじっくりと焼き上げます。
堅い皮を手でバリバリとはがしながら食べる軍艦焼き・・・・
日本酒ですかね~?
見た目が軍艦に似てる為、この名がついたとか・・・。

鮮度に左右されない、ハッカクの干物も美味しいですよ!


【栄養と効果・健康】
高たんぱく、低エネルギー、低脂肪、低コレステロール!
しかも美味しい。究極のダイエット食と言えるでしょう。

ミネラルではカリウムが豊富。腎臓の機能を高めます。また、
塩分を体外に排出する機能もあります。

ビタミンでは、B6が豊富。これは、体内でたんぱく質を作るときに
必要とするものです。
たんぱく質も多く、B6も多い・・・たんぱく質を多く摂取したい
方には、うってつけの食材と言えます。


     ハッカクのお刺身









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子代(コノシロ)・小肌(コハダ)・新子(シンコ)

2008年01月16日 09時52分32秒 | 冬が旬の魚


コノシロ・小肌(コハダ)・新子(シンコ)
【語源】
コノシロの語源は、かつて、飯の代わりになるほど大量に獲れた事
から由来しています。



「飯(コ)」、「代(シロ)」で「飯代魚」となったと言わます。
とても解りやすい名前なのですが、これが後の世に思いもかけない
難癖を付けられることになります。
コノシロを食うは「この城を食う」とされ、縁起が悪い。
ましてや「この城を焼く」など言語道断。「武士は食べてはならぬ」
と言うお達しで、禁止されました。
また、コノシロを焼くと死人を焼く臭いがすると言われたり、
切腹の作法として、最後に与えられる魚がコノシロの塩焼だったとか
・・・・・。
そこで付いた名前が「切腹魚」。また、傷むとすぐに腹が切れるから
と「腹切魚」・・・。最悪の魚ですね~


      コハダのにぎり寿司





         シンコのにぎり



ところが、縁起良しとする話もあります。
コノシロを「児の代」または「娘の代」と表記することがあります。
これは幼子、娘の代役という意味です。出産児のあるいは今で言う
入学時の健康を祈って、コノシロを地中に埋める風習があったとか。
また現代でも、正月の祝い膳にはコハダの粟漬けは欠かせません。

メデタイのか?・・不吉なのか~?良くわからないお魚ですね~




    コハダの酢漬け

【旬】
祝い事や正月のおせち料理に欠かせないのが「コハダ漬」で、
江戸前鮨には、なくてはならない一品です。
需要もこの時季が一番。

産卵期は春から初夏にかけて・・・・
よって旬は、晩秋から初春と言えるでしょう。

しかし、最も需要の多い時季を鑑み、旬を冬としましょう。

但し・・・・「シンコ」の旬は春~夏です。



【うんちく】
コノシロは出世魚としても知られます。
値段は大きさに伴わず、小さい方が高値がつく事が多い、珍しい魚
です。
東京・神奈川では、小さいものから順に「シンコ」 「コハダ」
「ナカズミ」 「コノシロ」と呼び方がかわって行きます。
しかし、その大きさの基準はあるようでなく、目安としては握り鮨
一カンに使う量によって区別されています。
2尾付けまでがシンコ。この時の大きさは6~7cmまで。
コハダは一貫、半身付けで12cmまで。ナカズミは一貫、半身付けで
15~16cm位。コノシロは握りには使わず17cm以上、と言った感じ
です。


      シンコの酢〆

ところで驚きなのはその値段です。
早春生まれのシンコは走りの時期の5月頃には1k当たり数万円と
いう信じがたい高値が付く事もあります。
これは、初物をにぎり鮨にするため、引き合いが強いからです。
もっとも、これは東京だけの相場。
それが季節の移ろいと成長に伴い値段は急激に下がり続け、大きさ
によってはわずか 1k 数百円にまで下がります。


【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。
松島湾や福井県以南から東シナ海、インド、ポリネシア方面に広く
分布します。
春から秋には、内湾でも塩分濃度が低い河口域に棲み、冬は湾口部の
比較的深みに移動して越冬します。

主な産地は、大阪湾、浜名湖、伊勢湾。北朝鮮からの輸入物も多いようです。


コノシロのナレズシ
【産地ならでは漁師料理】
この魚は、なんと言っても酢〆でしょう。
かるく塩をして、2時間ほど熟成させ、酢につけます~
お好みで砂糖、少しの醤油などを入れるところも・・・

そして、醍醐味はにぎり寿司。江戸前鮨には欠かせない食材です。
しかし、これは「シンコ」「コハダ」「ナカズミ」までの話。

「コノシロ」になると、塩焼きがお勧め。骨は多めですが、脂がのり
、美味しい魚ですよ~



もう一品は「なれ寿司」。
なれずしの本場和歌山県御坊市では、コノシロをなれずしにします。

時間をかけて熟成させたこの一品は最高!機会があったら食べてみてください。


【江戸前鮨】
江戸前鮨では「鮨は小鰭(コハダ)に止めをさす」と言われます。
コハダの塩加減、酢締めの加減は鮨職人の腕の見せ所で、その鮨屋の
看板にかかわるとされてきました。
また、通人の間では味の濃いコハダは最後の締めに食べるもの・・・
とされているようです。
コハダは、江戸前鮨の真骨頂なのです。


      シンコのにぎり寿司
  
一方、最初に注文する事が通とされるのが、「シンコ」・・・・。

大きさによって、呼び方、価格(価値)、食べる順番まで違う 
珍しい魚なんですよ~

     コハダの酢〆

【栄養と効果・健康】
良質なタンパク質と脂肪酸が豊富です。

脂質には血栓防止などに役立つEPA、脳神経細胞機能の維持に役立つ
DHAを豊富に含くんでいます。
骨を強化するカルシウムも極めて多く含んでおり、その吸収を助ける
ビタミンDも豊富。
貧血予防に交換のある鉄分と、その吸収を助ける銅なども豊富です。

ビタミンでは、若返りのビタミン・・・Eが豊富。

まさに健康食品です。

シンコ












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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】




田中玄華・田中幻魚(タナカゲンゲ)・ババチャン・バァバァ・キツネダラ

2008年01月07日 22時02分01秒 | 冬が旬の魚


タナカゲンゲ・ババチャン・ババァ

【語源】
スズキ目、ゲンゲ科の魚。

標準和名は「タナカゲンゲ」。
この名前の由来はハッキリとしていませんが、標準和名の定義を作った
田中茂穂氏のタナカからだと言われています。

しかし、産地では「ババァ」、「ババチャン」で通っており、
「タナカゲンゲ」・・・と言っても通じない事があるほど。
「ババァ」は名のとおり、顔がお婆ちゃんに似てるから・・・!


      タナカゲンゲの煮付け

【旬】
旬は、北陸・山陰でズワイガニ漁が行われる頃・・・冬です。


【うんちく】
全長1㍍にまで育つ大型魚です。
水深300㍍以深に生息する深海魚。底引きや刺し網で漁獲される
「ゲンゲ」の仲間は「下の下」と言われ、かつては見向きもされない
魚でした。
しかし、鳥取県岩美町で、ズワイ蟹漁に混獲されるこのババチャンを
「松葉蟹に続く街の名物にしよう~」・・と言うキャンペーンに
よって、局面が変わりだしました。キャンペーンが始まったのは10年
ほど前。

豊富に流行のコラーゲンを含んでいる事も功を奏し、産地では大人気
に・・・。全国デビューも近いかもしれませんね~


【ブランド・産地】
ブランドと言えるかどうか?は、疑問ですが、少ない漁獲量と北陸、
山陰地方などの特定地域でしかあがらない希少性によって、ブランド
が確立しつつあると言って良いでしょう。


     ババァの刺身
【栄養と効果・健康】
詳しい事はわかりませんが、ゼラチン質の身には、かなりの量の
コラーゲンを含んでいる事は予想できます。


     ババチャンの鍋
【産地ならではの漁師料理】
ババチャン料理の代表は何と言っても鍋。
昆布出汁、又は、薄めの醤油味の鍋で・・・漬けダレは、ポン酢で
食べるのが漁師流。
身離れが良く、たんぱくで濃厚な身は、アンコウにも引けをとらない
と評判です。

また、甘辛煮もお勧め。特に頭の部分はすこぶる美味く、たっぷりの
コラーゲンを含んでいます。

料理のコツは、タワシで体表の滑りをよくとる事と、血合いを丁寧に
取り除くこととか・・・。

鮮度の良い物は刺身や昆布〆もお勧めです。






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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】




野呂玄華(ノロゲンゲ)・幻魚(ゲンゲ)

2008年01月01日 19時26分52秒 | 冬が旬の魚

ノロゲンゲ

【語源】
ズワイガニ漁に混獲され、捨てられてきた魚。
それで「下魚(げぎょ)」がなまってゲンゲになったと言われて
います。
日本海各地で「げんげ」「げぎょ」「げんぎょ」などと呼ばれてい
ます。

    ゲンゲの一夜干し
【旬】
旬はズワイガニ漁が盛んな冬。



【うんちく】
全長約30㌢ほどに成長します。
ゼラチン質で身はブヨブヨしており、体表は淡い褐色色。
水深200㍍以深に生息する深海魚。
近年、「タナカゲンゲ」と共に人気が出だした魚で、「幻の魚」と
まで言われている。

シロゲンゲと言う別種も生息しているので注意が必要です。


【ブランド・産地】
希少価値のあるこの魚自体がブランド化に向かっていると言って
良いでしょう。
主な産地は、新潟や富山。日本海からオホーツク海で漁獲されます。


     ノロゲンゲの吸い物

【産地ならでは漁師料理】
なんと言っても、吸い物でしょう。ゼラチン質と体表の粘液で
つるん~と、喉を通っていく食感は病み付きに・・・・!
良い出汁がでます。

一夜干しもお勧め。これをかるく炙ると酒のつまみに最高!
脂ののりに驚かされます。

産地の方は意外にフライが良いと言います。クリーミーな身は
クリームコロッケを思わす食感になるとか・・・!
いずれにしても、珍味ですね!


     のろげんげの一夜干しを炙った物

【栄養と効果・健康】
詳しい資料はありませんが、コラーゲンは相当量含んでいます。
女性にお勧めです。






     のろげんげの干物






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公魚(ワカサギ)

2007年02月09日 11時38分29秒 | 冬が旬の魚



ワカサギ(公魚)


             ワカサギの南蛮漬け

【語源】
ワカサギの「ワカ」は「湧く(わく)」に由来し、「サギ」は多い
事を意味するという説。

「ワカ」は幼い、弱々しい事を意味し、「サギ」は白い事や、
小魚を表し、これに由来していると言う2説があります。

「公魚」と書くのは、霞ケ浦、北浦の一部を治めていた麻生藩が
将軍家斉公(徳川 11代目)に年貢として治めたことから公儀御用
の魚、つまり「公魚」と呼ばれ、この字があてられました。



      ワカサギ
【旬】
極寒の中 氷の張った池や湖に出て、開けた穴から釣り糸を垂らして
釣るワカサギ釣りは、湖の冬の風物詩となっています。
ワカサギの味は淡白の一語につきる、全くバター臭さがない
桜の頃に孵化した稚魚の漁が秋から始まります。秋の深まりと共に
脂がのり、真冬には身がしまって適度に脂も落ちます。
冬から初春が旬と言えます。


      チカ

【うんちく】
ワカサギは、サケ目キュウリウオ科ワカサギ属に分類されます。
同属は世界に6種、日本にはその内ワカサギ、チカ、イシカリワカ
サギ、チシマワカサギの4種が分布しています。
もともとは冷水の海産魚で、日本海側は島根以北、太平洋側は茨城
以北から北海道オホーツク海沿岸に分布していました。
川で産まれて汽水湖や海で育って、産卵のために故郷の川に戻ると
いう鮭の縮小版のような回遊を行っていたようです。
それが明治の終わり頃から各地の湖に移植されるよになった事と、
沿岸域の環境変化に住みかを奪われて、すっかり淡水魚になって
しまいました。

今では純海産のワカサギはわずかです。岩手県宮古湾に注ぐ閉伊川は
、ワカサギが海から直接、大量に遡上する全国でも珍しい川として知
られます。



        チカ
【ワカサギのそっくりさんチカ】
ワカサギにそっくりですが、別種の魚も多く流通しています。
その魚の名を「チカ」と言います。実際、数年前までは区別される
事なく、ワカサギとして販売されていて程・・・・・!

先のも述べましたとおり、ワカサギは今や淡水魚です。
しかし、このチカは海水域に生息します。これが最大の違い。

細かい違いを記すとすると、ワカサギより腹ビレがやや後方にある
こと、歯の数がチカの方が少ない点が異なります。



ワカサギの天ぷら
【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
氷の張つめた湖面に穴を開けて釣り糸を垂らす、諏訪湖や山中湖など
のワカサギ穴釣りは有名です。網漁で有名なのは 陸奥小川原湖の
引網漁や宍道湖の投網漁など。
かつては霞ケ浦で操業された帆曳網、「寒引き」とも言われ冬の風物
詩として詩情がありましたが、現在ではトロール船に交代し、効率を
求めた事から、急速に資源が減少しました。
そのため 早朝 短時間での操業に制限する事により、資源の回復に
努めているとか・・・。
新たな漁場として 最近は、滋賀県琵琶湖から産出される様になり
ました。

ワカサギの唐揚げ

【産地ならではの漁師料理】
なんと言っても、獲れたてを油で揚げる天ぷら・唐揚げが最高。
「ワカサギは死後硬直に入る時間が短い、死後硬直の時間も熟成の時
間も短いんだよ、釣り上げて氷の上に放って置き、【死後硬直→熟成
→天ぷら】の一連の流れを氷の上ですませてしまうのが、最高の味わ
い方だ」と、漁師さんは言います。


ウロコもほとんど無く、気にならないのが良いですね~

もう一つは、「焼ワカサギの酢醤油ひたし」
獲れたてのワカサギを素焼きにし、ひたひたの酢醤油で食べる素朴な
料理。  癖になりますよ~!


         わかさぎ
【栄養と効果・健康】
ワカサギは淡水魚にもかかわらず、多価不飽和脂肪酸を多く含んでい
ます。不飽和脂肪酸の中でもEPAやDHAの占める割合は多く、
淡水魚でDHAの占める割合がオレイン酸より多い珍しいお魚です。


骨も軟らかいので丸ごと食べれ、カルシュウムもたくさん摂取できま
す。
なんと、イワシの10倍のカルシュームを摂取できますよ~

まさに、「健康食品」ですね。

        ワカサギの南蛮漬け










      ワカサギの唐揚げ醤油漬け










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鯥(ムツ)・赤鯥(アカムツ)・のどぐろ・黒鯥(クロムツ)・本鯥(ホンムツ)

2007年02月02日 13時03分06秒 | 冬が旬の魚


       本ムツ

ムツ(本ムツ・黒ムツ・赤ムツ)
【語源】
ムツというのは四国地方の方言の「ムツコイ」に由来すると言われ
ます。これは味が濃いとか、しつこい、脂っこいという意味だそう
です。
現在では魚の脂をことのほか高く評価しますが、昔は旨味が評価の
基準で、脂はマイナス材料だったようです。
マグロにおいてもトロの部分は猫もまたぐとされ、捨てられていた
そうです~!もったいない話ですね~!



      黒むつ



       黒ムツの幽庵焼き


【旬】
ムツと呼ばれる魚は3種類あります。「ムツ(本ムツ)」と「クロム
ツ」・「アカムツ(ノドクロ)」です。
旬はすべて冬です。


     赤むつ


         赤ムツ(ノドクロ)の焼き物




       のどくろの炙り寿司


しかし、アカムツ(のどくろ)だけは別物。本ムツとクロムツはスズキ
目ムツ科ムツ属ですが、アカムツはスズキ目スズキ科アカムツ属の魚
です。


      ノドクロの煮付け


ちなみに、一昔前まで鮮魚売場で見かけた「銀むつ」と言う魚・・・
実は、あやかり「ムツ」で、今は「メロ」という標準和名で、販売
されています~!


      赤むつ(のどくろ)


         

        ノドクロの塩焼き






        黒ムツの塩焼き


【うんちく】
アカムツ(のどくろ)は字の通り、体色が赤です。
ムツとクロムツは非常に似通っており、市場においても区別なく
流通しているあり様。
見分け方は、体色がやや茶色がかっているのがムツ(本ムツ)。
紫がかった黒色をしているのがクロムツです。

また、細かい話になりますが、側線の上に並ぶウロコの数が58枚以下
なのがムツ(本ムツ)。60枚以上がクロムツだそうです。



    ノドクロ(アカムツ)のにぎり寿司



        のどくろ(赤ムツ)の炙りにぎり寿司



ムツ(本ムツ)とアカムツ(ノドクロ)は北海道以南の日本近海、
朝鮮半島南部から台湾北部の東シナ海に、クロムツは北海道南部から
駿河湾、新島にかけての太平洋沿岸域に分布しています。
水深200~700mの岩礁域が住み、小魚やエビ・カニ類、イカ類
などを食べます。非常に大食の魚です。
食い溜めができるように大きな胃袋を持っており、これは、餌の少な
い深海で暮らす魚の特徴です。



   本当にノドが黒い「ノドクロ」(赤ムツ)



   対馬のブランドのどくろ 紅瞳の塩焼き


【ブランド・産地】
北陸地方のアカムツ(のどくろ)はブランド化されつつあると言える
でしょう。
特に石川県能登の「ノドクロ」は有名です。

ムツ(本ムツ)・クロムツについてはブランド化はされていません。


          黒ムツの煮付け




     黒ムツのにぎり寿司


【産地ならではの漁師料理】
ムツ・黒ムツは刺身・煮付け、塩焼きなどで、アカムツ(ノドクロ)
は、煮付け、塩焼き、干物などで食されます。


漁師さんは、産卵直前の卵巣「むつこ」を好んで食べます。
煮付けが最高!ご飯がすすみます。


      ムツ子の煮付け

また、クロムツは鍋が最高といいます。新鮮なものは、特に「エラ」
が美味いと・・漁師さんはいいます。

マグロ君としては、アカムツの肝を煮たものも捨てがたいですね~。
濃厚なあの味わいが忘れられません。




         黒ムツの刺身




        赤ムツの肝煮
【栄養と効果・健康】
たんぱく質・脂肪分が多い魚です。
ビタミンでは、カルシュームの吸収を助けるDと動脈硬化や癌を抑制
するAが多目。
細胞を若々しく保つビタミンEも豊富に含んでいます。


また、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑え、高血圧を抑制する
DHA・EPAも豊富に含んでいます。

生活習慣病予防には最適の魚。ただ、高価なのが玉にキズですね。


          ノドクロの塩焼き


     ノドクロの刺身


       クロムツの煮付け




        アカムツ(のどくろ)の煮付け





       ノドクロの焼き物











      ノドクロの炙り

   ↑(上)ノドクロの炙りを巻き物にしたものが↓(下)



       のどくろの炙り巻き寿司










          ノドクロの刺身









         黒ムツの刺身




            のどくろの寿司


       黒ムツ



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海鼠(ナマコ)・マナマコ

2007年01月24日 18時18分19秒 | 冬が旬の魚


    赤ナマコ

海鼠(ナマコ)・マナマコ



【語源】
海の鼠(ネズミ)と書いて、ナマコと読むのは、夜になるとネズミの
ように海底をはいまわるからとか、見た目が、ネズミの後姿に似て
いるから・・・・などと言われています。

古くは、ナマコは単に「こ」と呼ばれていたようです。
生の「こ」が「なまこ」と言うわけです。
また、中国名は「海参」海のニンジンです。英名は「sea cucumber」
海のキュウリとか「sea sausage」海のソーセージと言います。

インパクトある姿をしているので、見た目から命名が多いようです。



        青ナマコ



          海鼠腸の塩辛

【旬】
ナマコは冷たい海が好き。
水温が16℃以上になると、冬眠ならぬ夏眠に入ります。
北海道では夏眠しないものもいますが、秋も深まり水温が下がると
目覚めます。そして、待ちに待った漁期となります。

海鼠(ナマコ)の旬は冬です。「冬至ナマコ」と言う言われ方も
します。

地域によって違いますが、ナマコ漁の解禁は11~12月です。



      (上)青ナマコ、(下)赤ナマコ



【種類】
マナマコは体色によって、呼び分けられます。
赤褐色のものを「赤ナマコ」、暗青緑色から黒に近いものを「青ナマ
コ」と呼び分けます。
色の違いは、生息場所の違いで、赤ナマコは岩礁地帯に住み、青ナマ
コは砂地の海底に生息します。

味は赤ナマコの方が良いとされ、高値で流通しているようです。

青ナマコの中でも特に黒色に近いものを、「黒ナマコ」とも、呼び分
けますが、沖縄以南には、標準和名で「クロナマコ」と言う別種が
存在しますので、お間違いなく・・・・ややこしい~!


       ナマコ酢

【うんちく】
一般的に流通しているのは「マナマコ」です。
ナマコは軟体動物ではなく、ウニやヒトデの仲間で棘皮(きょくひ)
動物です。

海へ行って知らずにナマコを踏んでしまった時に、ナマコがネバネバ
した糸状のものを吐き出したり、内臓を吐き出すのを見たことがある
と思いますが、この糸状のものは「キュビエ器官」と呼ばれるもので
、刺激されると肛門から吐き出します。
この糸が魚のエラブタにからみつくと、魚はエラを動かせなくなって
死んでしまいます。


もう一つの技は「自切」です。トカゲの尻尾のように危険を感じた時
に体の一部を自分から切り離します。
動きの遅いナマコの地味な抵抗ですね~!

こんな、強い生命力から、中国では古くから精力剤として珍重され
ました。陸の精力剤「高麗人参」になぞられて中国で「海参」呼ばれ
る事は既に記しましたが、ニンジンはニンジンでも、高麗ニンジンの
事なんですよ~!





     ナマコのくちこ干し


       くちこ干しを炙った物


【ナマコの珍味】
ナマコの加工品は、高級珍味として流通しています。
海鼠腸(このわた)は、ナマコの腸を塩辛にしたもの・・・。
ウニ、カラスミとならび、日本三代珍味と呼ばれています。

海鼠子(このこ)は、ナマコの卵巣の塩辛。

「このこ」を干した「干このこ」も超のつく高級品で酒の肴に最高
「くちこ干し」、「干口子(ひぐちこ)」とも呼びます。



【ブランド・産地】
ナマコは北海道から九州まで、生息している為、特別な産地は見当た
りませんが、漁獲量の最も多いのは北海道です。続いて、青森・山口
・兵庫の順となります。

ブランド化はされていないようです。



     海鼠腸(このわた)の酢の物
【産地ならではの漁師料理】
ナマコの代表的な食べ方は酢の物です。コリコリした歯ごたえと、
磯の香りがたまらないですよね~!

しかし、瀬戸内地方の漁師料理で「ふくらぎ」と言うナマコ料理が
あります。
ハラワタを取り除いて、適当な大きさに刻んだナマコを沸騰した
お湯にくぐらす・・・・ナマコのジャブジャブのようなもの。
これを、なます風に味付けし、すりおろした山芋などをかけて食べ
る料理。「ナマコは火を通すと柔らかくなり、また違った食感を楽し
めるんじゃ」と・・・・!なんとも精力のつきそうな一品ですね。



【栄養と効果・健康】
ナマコはコリコリとかなり堅い食材ですが、その成分は意外。
90%以上が水分です。堅さの原因はコラーゲンです。また、サボニン
、コンドロイチンなども含み、お肌の健康維持には最高の食材と言え
ます。女性は食べるべし。

東南アジアでは、美容に良いという事でナマコブーム。
ナマコゼリーやジュース、ジャムなどが登場して来ているとか・・!

ミネラルも、カルシューム・カリウム・マグネシュームをバランス
よく含んでいます。

       薄切りにした海鼠




        ナマコとコノワタの和えもの







          赤ナマコの酢漬け






       コノワタとホヤの和えもの









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𩸽(ホッケ)・マホッケ・シマホッケ

2007年01月18日 12時06分44秒 | 冬が旬の魚



ホッケ

【語源】
ホッケはアイヌ語では「ポッケ」と言います。
漢字では、魚辺に花と書きます。これは、稚魚がコバルト色で、
群れで泳ぐと花の様に美しい為。

北の花→ほくか→ほっけ となったと言う説もあります。
また「ホッケ」という言葉の語源は、日蓮宗の法華経に関わりがある
ともいわれています。



【旬】
旬は冬です。初春までは美味しいです。




       ホッケ茶漬け



       マホッケ

【うんちく】
ホッケには「マホッケ」と呼ばれる種類のものと、「キタノホッケ
(シマホッケ)」と言われる種類があります。

一般的には、マホッケの方が美味しいとされていますが、土地や
食べる人によって評価は違うようです。マグロ君は、魚の旨みは
「マホッケ」。脂ののりは「シマホッケ」だと思いますよ~!

さて、ここではマホッケを中心にうんちくを展開したいと思います。

マホッケは出世魚のように、大きさによって呼び分けます。

15㌢前後の稚魚を「アオボッケ」。25㌢位のを「ローソクボッケ」。
30㌢位のを「マホッケ(ハルボッケ)」。40㌢以上の成魚で岩礁地帯
に住みついたのを「ネボッケ」といいます。

味・脂ののりは、やっぱり「ネボッケ」が最高です。


            真ホッケの刺身



ニシン漁が盛んな頃は、ニシンの卵(数の子)を食べる害魚として
忌み嫌われ、根絶やしにすべきだ・・・とまで言われました。
今となっては、このホッケが数の子を食べていたかどうかは、はっき
りとしませんが、可愛そうな汚名を着せられた時代もありました。



     マホッケ



      マホッケの煮つけ




【ブランド・産地】
主な産地は北海道です。全国の漁獲量の90%を占めます。

ブランド化とまではいきませんが・・・北海道羅臼のマホッケは
最高級品と言われています。



また、開き干しでは、福島県小名浜の「判助の干しホッケ」は最高に
美味しく、ブランド化に近い商品と言えます。

小名浜判助のホッケ干しはこちらで・・・・


      ホッケの飯ずし

【産地ならではの漁師料理】
ホッケで最もポピュラーなのが、開き干しでしょう。
濃厚な脂と肉厚な身がたまりません。しかし、漁師さんは、
「ホッケは刺身だ。」と言います。鮮度の良い物だけしか食べれない
ようですが、「白身のトロ」と呼ばれているとか・・・・!

もう一品は「ホッケの飯ずし」。
食べやすい大きさに切ったホッケとご飯と米麹、生姜、唐辛子、塩、
ニンジンを漬け込んだもの。
10月頃に仕込んで、食べごろは12月から・・・!
ビール、日本酒に最高の一品です。


【栄養と効果・健康】
たんぱく質・脂肪分は比較的少なめ。
ミネラルでは、血圧上昇を抑えるカリウム、骨の原料のリン、貧血を
予防する鉄、亜鉛・銅を多く含む。

ビタミンでは若返りのビタミンと言われるE、赤血球の合成を促す
B12を極めて多く含んでいます。

ビタミンB群のひとつで、ストレスにさらされた時に放出する副腎皮
質ホルモンの合成を助けるパトテン酸も豊富に含みます。

貧血と美容・・・・・女性にお勧めの食材です。


     冷凍シマホッケ




          羅臼のシマホッケ





         マホッケの活造り






          マホッケのしゃぶしゃぶ  










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目板鰈(メイタガレイ)

2007年01月14日 11時12分06秒 | 冬が旬の魚



目板鰈(メイタガレイ)

【語源】
両目の間に堅い骨板があるから目板鰈(メイタガレイ)と言うのが
定説。
もう一説は、カレイを持つ時、普通は頭をつかみます。
メイタガレイの両目の間には小さなトゲが数本あり、頭をつかむと
チクリと痛いから「目が痛い」・・・メイタガレイと言う説もあり
ます。
後者の方が愛嬌があって面白いですね!


    メイタガレイの姿造り



【旬】
旬は、地域によって違いますが一般的には冬です。
ただし、晩秋から初春までは美味しいです。






【うんちく】
北海道以南から台湾にいたる、日本海沿岸、東シナ海北部に分布
します。水深100以浅の砂泥底に生息。

プランクトン、貝類や甲殻類を食し、ほとんどが底引き網で漁獲さ
れます。

このメイタガレイ、関西地方で特に好まれ多く消費されます。

メイタガレイの近縁に「ナガレメイタガレイ」がいます。
関西ではこれを「バケメイタ」と呼びます。
ところが関東ではこの2種を分ける事をせず、すべてメイタガレイ
で流通しています。これは両者の外見がとても似ている事もありま
すが、それよりも東西の食習慣の違いによります。
大阪では特にメイタガレイは珍重されていて、食べ方の第一は刺身。
刺身となると両者の違いは天と地、雲泥の差です。

ナガレメイタは身が柔らかすぎて刺身には向きません。
刺身で食べる習慣のなかった関東では、両者を使い分ける必要がなか
ったと言うわけです。



      メイタガレイの唐揚げ
【ブランド・産地】
ブランド化されていません。主な産地は瀬戸内。

【産地ならではの漁師料理】
特別な漁師料理はないですが、肉厚の本メイタガレイ、鮮度の良い
ものは刺身に限ります。
また、唐揚げも美味。2度揚げすれば、骨もヒレもバリバリ食べれま
す。

また、煮付けも最高。コツは、薄めの味付けで炊くこと。
また、皮に独特の匂いがあるので、苦手な方は皮を剥いでから
煮る事をお勧めします。
スーパーなどでは、皮を剥いで販売している姿もよく見かけます。




    メイタガレイの煮付け




【栄養と効果・健康】
高たんぱく・低脂肪。消化吸収が良いので、お子様、お年寄りに
最適の食材です。
カルシュームも豊富に含み、骨粗鬆症や育ち盛りのお子様に・・・
重ねてよい商材。

またビタミンB2、D、ナイアシンを多く含みますので、発育不良
や肌荒れなど皮膚障害の改善に効果があります。

肝機能を高め、心臓の働きを正常に保つタウリンも豊富です。










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蝦夷鮎魚女(エゾアイナメ)・鈍子(ドンコ)

2007年01月10日 13時54分27秒 | 冬が旬の魚



鈍子(どんこ)・エゾアイナメ

【語源】
正式名称は「エゾアイナメ」です。
ドンコと呼ばれる由縁は、見るからに鈍くさい格好をしているから。
頭でっかちで、タラコ唇。アゴには一本のヒゲ・・・!

また、どん欲に何でも食べるからドンコ・・・と言う説もある

【旬】
旬は一般的に冬とされる。しかし、夏場も美味いと言われる。



【うんちく】
波打ち際から水深100mまで生息し、小魚類を食す。
泳ぎは他の魚種に比べ遅いが、ゆっくりとした動きとはうらはらに
食についてはどん欲。自信の5分の1程の魚も丸呑みしてしまうほど。

風貌は良くないが、味は最高!特に肝は美味。

また、気仙沼では恵比寿講(大漁や商売繁盛を祈願する恵比寿・
大黒の祭り)に供えられる。
姿からは想像できないが、「ハレの日」の魚なのです。




         ドンコの煮付け




【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。主な産地は宮城県、岩手県など。


    ドンコの肝タタキ


【産地ならではの漁師料理】
流通度は低い魚。しかし、産地では美味いと評判です。
「肝なくして、この魚の美味さは語れない」と漁師さんは言います。
料理のコツは、ヌルヌルした肌のわりにはウロコが多い。
このウロコを奇麗に取り除く事。そして、ハラワタを取り除き、
ぶつ切りにし、すまし汁・味噌汁が最高です~!

鮮度の良いものは肝・身・味噌・長ネギを包丁でたたく、
「どんこの肝たたき」がお勧め・・・・!

もちろん、塩焼きや煮付けも美味しいですよ~!

漁師さんいわく・・・「ドンコは肝が命。身は頭付近にもたくさん
詰まっている。これが特に美味い」と・・・・・!


     ドンコのすまし汁

【栄養と効果・健康】
身は高たんぱくで低脂肪。ミネラル・ビタミン類も突起したものは
ない。しかし、肝は高たんぱくでミネラル・ビタミンをバランス良く
含んでいます。
しかし、コレステロールが多めなので注意が必要です。












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