キハダマグロ・黄肌鮪
【語源】
「キワダ」とも呼ばれますが、標準和名はキハダです。
語源は、「黄鰭(きはだ)」からきています。「ハタ」とは鰭(えら)の
古名。
漢字では「黄肌」と書きますが、この魚の体皮は黄色でなく、体側線
上と鰭(エラ)だけが黄色なのです。
英名は Yellowfin tuna・・・そのままです。
【旬】
クロマグロ(本マグロ)の味が落ちる初夏から夏が旬です。
マグロ類の赤身はミオクロビンなどの色素タンパクを多く含むために
赤身となります。
この赤い筋肉は運動し続けてもあまり疲れない。持久力に優れた筋肉
です。まさにマラソンランナー!
長い距離を回遊するのに必要なんですね!
ちなみに、俊敏な動きが必要な魚・・・(鯛など)は、白身になり
ます。
しかし、キハダはクロマグロほど大きな回遊をしないので、筋肉で
ある赤身の色も濃くなく、ピンク色がかっています。
キハダマグロのお茶漬け(さっぱり系の鮪なのでお茶漬けも合う)
【うんちく】
魚類の生食が始まったのは平安時代の9世紀以降のことです。
魚種はタイなど白身魚でした。
生臭く鮮度落ちが早いマグロは「死魚」とされ、マグロが生食される
ようになったのは江戸後期、1800年頃のことで、江戸前にぎり鮨が
登場し、そのネタに使用される様になってからであると言われてい
ます。
その場合でも当初は「ヅケ」と称し、鮮度落ちを防ぐ為に醤油に漬け
たものが主でした。
このマグロを生で食べる様になったのは、天保改革の時代、贅沢品と
して鯛、平目などが禁止され、下魚扱いのマグロを何とか生食で食べよ
うと工夫した結果なんですよ~!
このシッポの部分で目利きし、競られます
【ブランド・産地】
特にブランド化されていませんが、あげるとするならば、宮崎県
油津港のキハダ鮪は有名です。
漁獲量では、静岡、宮崎、宮城、鹿児島の順になっています。
特に、名古屋、関西地方では、このキハダ鮪が好まれるようです。
関東ではメバチ鮪が主流。
近年、最も高価な本マグロ(黒鮪)の蓄養、完全養殖の技術が進歩し
本マグロが主流になりつつあります。
最高級のキハダマグロのお刺身
【産地ならではの漁師料理】
基本的に、本マグロやメバチ鮪、ミナミ鮪に比べ、脂も薄く、安価な
イメージのあるキハダ鮪。
刺身や寿司も美味しいですが、カルパッチョや、ねぎま、照り焼き
などでも食されます。また、資源的にも多いことから缶詰などの原料
にも、されているようです。
しかし、漁師さんの評価は違います。
「年に数度、最高のキハダが揚がる・・・このキハダの美味さは
本マグロの比ではないよ。一番美味しいマグロは?って聞かれたら、
迷わず、キハダ鮪って答えるね~」
この意見にはマグロ君も大賛成~!脂ののった最高のキハダは、
臭みもなく脂の質も上品。ただ、なかなかお目にかかれませんが・・
【栄養と効果・健康】
DHA・EPAが豊富に含まれ、視力改善・脳細胞の活性化・中性脂肪の
引き下げなど、多くの効果が期待される。また、鉄分も多く含み、
貧血気味の若い女性には最適。鉄分は赤身に、DHA・EPAはトロに多
く含みます。
余談ですが、キハダ鮪の幼魚は「キメジ」と呼びます。
メバチ鮪の幼魚は「ダルマ」、本マグロの幼魚は「メジ」・・・・
参考までに・・・・・!
いつも応援ありがとう~
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