笠子(カサゴ)
カサゴの寿司
【語源】
カサゴの語源は、頭が大きくまるで三度笠をかぶっている様なので
笠子(カサゴ)と言われている。
また、ゴツゴツした体表が瘡蓋(かさぶた)におおわれている様な
ので、カサゴと言う説もあり、瘡子とも書きます。
関西では「ガシラ」、九州では「アラカブ」、神奈川の三浦では
「つら洗わず」などとも呼ばれます。
カサゴのから揚げ
【旬】
磯魚の代表格で日本全国に分布している為、各地で旬は異なりま
すが、一般的に旬は冬です。
ただし、春の季語として使われますので、お間違いなく。
【うんちく】
カサゴは、メスの体内で孵化させて産み落とす卵胎生魚です。
オス・メスとも高等動物の性器に近い道具を備えています。
メスは肛門のやや後方に大小2個の穴があり、大きい方が精子を
受け入れ、かつ稚魚を産み落とすためのもの、小さい穴は尿道。
まさに、進化した魚?ですね~!
カサゴはその風貌から、良いたとえには使われないようです。
「磯のカサゴは口ばかり」と言うことわざは現在も使われていま
す。口先ばかりで実行の伴わない人の事を言います。
また、釣り上げられた際、大口を開け、胃袋を舌のように出すその
風貌から「アンポンタン」とも呼ばれます。
しかし、不評ばかりではありません。
江戸時代の武家では、勇ましく、甲冑をまとった武士と重ね合わせ
、男の節句「端午(たんご)の節句の祝い魚」として備えられた
そうです。今もその風習が残る地域があるとか。
カサゴ酒
【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。また、日本各地で漁獲される
為、特別な産地もないようです。
カサゴの煮付け
【産地ならではの漁師料理】
刺身・煮つけ・塩焼き・唐揚げ・ちり鍋とどんな料理でも
美味しく仕上がる、身の締まった白身魚です。
しかし、漁師さんは、この魚のダシに注目しているようです。
実際、西洋でもブイヤベースなどに使われ、この魚のダシは世界で
も認知されていると言えます。
まず、一品目は「鯛飯」です。鯛の名産地である徳島県鳴門の漁師
さんはこのカサゴでダシをとり、このダシで鯛めしを作るのが最高
といいます。贅沢極まりない料理ですね~!
もう一品は、「カサゴ酒」。小ぶりのカサゴのウロコ、はらわたを
取り除き、塩焼きにしたものに、熱燗を注ぐだけ・・・・!
カサゴの風味と香ばしさが口いっぱいに広がります。最高!
【栄養と効果・健康】
高たんぱく、低脂肪、低エネルギーの白身魚。
コレステロールも極めて低い魚です。
カルシュームを多量に含んでおり、骨粗鬆症の方にお勧め。
また、心臓病を防ぐ効果も期待できる魚です。
ビタミン類は、多くないですがバランスよく含んでいます。
EPA・DHAなどの多価不飽和脂肪酸は、ほとんど含んでいません。
カサゴの煮付け
【余談】
カサゴの仲間には、イソカサゴ・オニカサゴ・ユメカサゴ・ミノ
カサゴなどがありますが・・・、「ウッカリカサゴ」という愉快な
名前を持つ魚がいます。
これはカサゴが、うっかりしている訳ではなく、それを見ていた
人間がうっかりしていた事から名付けられました。
この名前が付いたのは最近のことで、1978年にカサゴにそっくりな
魚がソ連の学会誌に新種として発表されたました。
この後、阿部宗明博士は「日本の魚類学者もうっかりして新種と気
づかなかった」と言う事で、「ウッカリカサゴ」という和名をつけ
たとか・・・。かなりユーモアがある先生ですね!
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