世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

栄螺(サザエ)

2022年07月17日 22時07分22秒 | Weblog



栄螺(サザエ)

【語源】
「ささ」は小さい、「え」は家にあるとのこと、つまり「小家
(ささえ)」が転じてサザエになったという説が一つ。
「小さな柄のようなもの(角)を多くつけた貝」である事から来
ていると言う説もあります。
古くは、細枝家(さざえ)といい、今も方言として残っています。
また「栄螺」の字の由来は、「螺(にな)」が巻貝を意味し、表面の角
がいかにも栄えているように見えることからこの字が組み合わされた
と言われています。

 

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     サザエのウニ和え




【旬】
サザエは地域によって旬も形も微妙に違ってきます。
角はサザエのトレードマークですが、角が大きいもの、小さいもの
から、まったくないものまで存在します。
これは種類が違うわけではなく、育つ環境によります。

外海の波の荒い岩礁に住むものは角が長くなり、内海の波の静かな所
に住むものは短くなります。
荒海では、角を岩に挟んで流されるのを防ぐが、内湾ではその必要が
ない為・・・・と言われています。
ちなみに、角(つの)のない内湾物を「つのなしサザエ」とか「丸腰
サザエ」と呼びます。

サザエの旬は磯の香りが強くなる、春から初夏と言えるでしょう。


右側のサザエはツノが、ほとんどありません




【丸腰サザエと日蓮の伝説】
日蓮上人が布教のため、千葉から海を渡って鎌倉に旅立った際
(1253年)、浜が遠浅で船が進まずに難渋し、村人が上人を背負っ
て岸辺までお連れしたそうです。
その時、村人の足がサザエのツノで傷つき、出血しているのを見た
日蓮は、お題目でそのツノを封じたと言われています。
それ以来、この横須賀の米ヶ浜で獲れるサザエはツノがないという
伝説が残っています。









【うんちく】
日本海側では新潟の飛島、太平洋側では千葉の外房から、九州に
かけての沿岸各地と朝鮮半島南部や中国大陸沿岸に分布します。
特に外海に面した岬や半島の先端にある岩柵や岩の下、岩礁の亀裂、
大型海藻の生え際などに多く生息します。

産卵は、初夏から初秋にかけて産卵し、特に水温が20℃前後から
急激に25℃に上昇する時期に産卵します。
外房では7~11月、新潟で8~9月、下関で6~8月にかけて
産卵します。

3月3日の「ひな祭」に、ハマグリやサザエを供える風習がありま
すが、もともと関西はハマグリ、関東はサザエだったと言われてい
ます。



 左側のワタの最後の部分は緑なので雌です。

【雄・雌・色】
サザエは食べている海藻によって殻の色が異なります。
テングサを食べていると緑褐色、アラメを食べていると殻は黄色味を
帯びます。

また、殻の、らせん状の層は6階建て。その中にある身の末端(苦味
のある腸のその先)は生殖巣。
この生殖巣がクリーム色なら雄。緑色なら雌です。

フタにある渦巻状の模様・・・筋の数で年齢もわかるとか・・・。

次回サザエを手に取った際は、じっくり観察してみてください。


サザエのお刺身

【ブランド・産地】
漁獲量では、長崎県がトップで山口、新潟、島根と続きます。

ブランド化はされていないようですが、マグロ君のお勧めは、
千葉県白浜町の、め突き漁で獲られるサザエです。
長い柄の先が三つ又にわかれた物でハサミ獲る漁法。

荒波に小船を浮かべ、箱眼鏡で水中をのぞきなが、この柄でハサミ
獲る姿はまさに職人技。
刺網漁で獲るサザエに比べ、活きの良さは格段に上です。


     サザエの壷焼き




【産地ならではの漁師料理】
サザエの醍醐味は、壷焼きでしょう。漁師さんも浜で火をおこし、
直接、殻ごと火にかけます。グツグツいい出した頃に酒と醤油を
少々・・・。シンプルですがこれが一番美味い。

磯の香りと歯ごたえを楽しむなら、刺身。鮮度の良いものは
ハラワタも刺身でいけます。
このハラワタは熱湯をサッとふりかけ、、二杯酢やぽん酢で食べてもよし。
また、醤油と砂糖で甘辛く煮ても美味しいです。

酢の物なんかも漁師さんに人気があるようです~。






【栄養と効果・健康】
摂取が困難なカロテンを多く含んでいます。
老化防止に効果のあるビタミンEもおおく、ミネラルではカリウム
・亜鉛が多いです。
また、動脈硬化を予防するタウリンの含有量は魚介類の中でもトップ
クラス。
多いといわれている、サバやマグロの血合いの2倍近くも含んでい
ます。

究極の健康食材と言えるでしょう。

鮑(アワビ)の方が、高級食材として認められていますが、旨み成分
であるコハク酸はアワビの2倍含有しているんですよ~。


      サザエのにぎり寿司








 

まずは押しとく~~~

 

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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】

 

 


子代(コノシロ)・小肌(コハダ)・新子(シンコ)

2022年07月17日 05時14分01秒 | Weblog


コノシロ・小肌(コハダ)・新子(シンコ)
【語源】
コノシロの語源は、かつて、飯の代わりになるほど大量に獲れた事
から由来しています。

 

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「飯(コ)」、「代(シロ)」で「飯代魚」となったと言わます。
とても解りやすい名前なのですが、これが後の世に思いもかけない
難癖を付けられることになります。
コノシロを食うは「この城を食う」とされ、縁起が悪い。
ましてや「この城を焼く」など言語道断。「武士は食べてはならぬ」
と言うお達しで、禁止されました。
また、コノシロを焼くと死人を焼く臭いがすると言われたり、
切腹の作法として、最後に与えられる魚がコノシロの塩焼だったとか
・・・・・。
そこで付いた名前が「切腹魚」。また、傷むとすぐに腹が切れるから
と「腹切魚」・・・。最悪の魚ですね~


      コハダのにぎり寿司





         シンコのにぎり



ところが、縁起良しとする話もあります。
コノシロを「児の代」または「娘の代」と表記することがあります。
これは幼子、娘の代役という意味です。出産児のあるいは今で言う
入学時の健康を祈って、コノシロを地中に埋める風習があったとか。
また現代でも、正月の祝い膳にはコハダの粟漬けは欠かせません。

メデタイのか?・・不吉なのか~?良くわからないお魚ですね~




    コハダの酢漬け

【旬】
祝い事や正月のおせち料理に欠かせないのが「コハダ漬」で、
江戸前鮨には、なくてはならない一品です。
需要もこの時季が一番。

産卵期は春から初夏にかけて・・・・
よって旬は、晩秋から初春と言えるでしょう。

しかし、最も需要の多い時季を鑑み、旬を冬としましょう。

但し・・・・「シンコ」の旬は春~夏です。



【うんちく】
コノシロは出世魚としても知られます。
値段は大きさに伴わず、小さい方が高値がつく事が多い、珍しい魚
です。
東京・神奈川では、小さいものから順に「シンコ」 「コハダ」
「ナカズミ」 「コノシロ」と呼び方がかわって行きます。
しかし、その大きさの基準はあるようでなく、目安としては握り鮨
一カンに使う量によって区別されています。
2尾付けまでがシンコ。この時の大きさは6~7cmまで。
コハダは一貫、半身付けで12cmまで。ナカズミは一貫、半身付けで
15~16cm位。コノシロは握りには使わず17cm以上、と言った感じ
です。


      シンコの酢〆

ところで驚きなのはその値段です。
早春生まれのシンコは走りの時期の5月頃には1k当たり数万円と
いう信じがたい高値が付く事もあります。
これは、初物をにぎり鮨にするため、引き合いが強いからです。
もっとも、これは東京だけの相場。
それが季節の移ろいと成長に伴い値段は急激に下がり続け、大きさ
によってはわずか 1k 数百円にまで下がります。


【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。
松島湾や福井県以南から東シナ海、インド、ポリネシア方面に広く
分布します。
春から秋には、内湾でも塩分濃度が低い河口域に棲み、冬は湾口部の
比較的深みに移動して越冬します。

主な産地は、大阪湾、浜名湖、伊勢湾。北朝鮮からの輸入物も多いようです。


コノシロのナレズシ
【産地ならでは漁師料理】
この魚は、なんと言っても酢〆でしょう。
かるく塩をして、2時間ほど熟成させ、酢につけます~
お好みで砂糖、少しの醤油などを入れるところも・・・

そして、醍醐味はにぎり寿司。江戸前鮨には欠かせない食材です。
しかし、これは「シンコ」「コハダ」「ナカズミ」までの話。

「コノシロ」になると、塩焼きがお勧め。骨は多めですが、脂がのり
、美味しい魚ですよ~



もう一品は「なれ寿司」。
なれずしの本場和歌山県御坊市では、コノシロをなれずしにします。

時間をかけて熟成させたこの一品は最高!機会があったら食べてみてください。


【江戸前鮨】
江戸前鮨では「鮨は小鰭(コハダ)に止めをさす」と言われます。
コハダの塩加減、酢締めの加減は鮨職人の腕の見せ所で、その鮨屋の
看板にかかわるとされてきました。
また、通人の間では味の濃いコハダは最後の締めに食べるもの・・・
とされているようです。
コハダは、江戸前鮨の真骨頂なのです。


      シンコのにぎり寿司
  
一方、最初に注文する事が通とされるのが、「シンコ」・・・・。

大きさによって、呼び方、価格(価値)、食べる順番まで違う 
珍しい魚なんですよ~

     コハダの酢〆

【栄養と効果・健康】
良質なタンパク質と脂肪酸が豊富です。

脂質には血栓防止などに役立つEPA、脳神経細胞機能の維持に役立つ
DHAを豊富に含くんでいます。
骨を強化するカルシウムも極めて多く含んでおり、その吸収を助ける
ビタミンDも豊富。
貧血予防に交換のある鉄分と、その吸収を助ける銅なども豊富です。

ビタミンでは、若返りのビタミン・・・Eが豊富。

まさに健康食品です。

シンコ












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