時間がなくて、戦争遺跡調査に出かけていない。
ゆきたんくの戦争遺跡調査は、主に上物である。
上物というのは、地上にあるものだ。
かつての軍舎、掩体壕(飛行機格納庫)、弾薬庫、訓練施設、境界標柱などである。
ゆきたんくの住んでいる松戸駅東口には相模台という高台がある。
現在は、聖徳大学、相模台小学校、松戸第一中学校、松戸中央公園、イトーヨーカドー、千葉地方検察庁、千葉地方裁判所、松戸拘置所・・・
実にたくさんの施設が相模台にはあるが、ここは昔は松戸工兵学校であった。
松戸中央公園入口には、その時の門柱や歩哨楼が残されている。
松戸中央公園入口(松戸工兵学校門柱)
松戸工兵学校と民間の土地との境界に建てられているのが境界標柱だ。
この旧工兵学校周囲で今のところ17本見つけたゆきたんくであるが、その中で一番状態の良いものがこれだ。
陸軍境界標柱
陸軍境界標柱はたいてい御影石で造られている。
そして「陸軍」、「陸軍用地」、「陸軍省」などの文字が彫られている。
先に見つけた17本のうち5本はコンクリートでできていた。
余談だが、海軍の標柱はコンクリート製が多い。
さて、このごろ戦跡調査に出かけていないと書き出した。
自分にとって、新しい物件に触れることや今までであった遺構の状態を確認していないのである。
16本の標柱のうちの1本が、崩れかけている。
戦争についての史跡の保存が消極的であること。
それは現在生きている日本人のほとんどが近代史についてしっかりと学んでいないことが原因ではないか。
前に「負の世界遺産」という文を書いたが、「平安京」、「平城京」のような歴史的建築物のように保護されなくてならないものではないだろうか。
現在、大学等の建物として使われている旧軍舎などは残るだろうが、境界標柱は小さい遺構である。
最後に、崩れかけている標柱の写真を載せよう。
松戸駅東口の通り沿いで見つけた標柱
特に保護しなければ、これに足を乗せる人がいてもおかしくないところにある。
右側が崩れている。
一つ上の写真と比べると状態は雲泥の差である。