また旅物だ。
「旅の楽しみ」というお題で投稿することもあるが、それがつかない時には、前に取り上げた場所を題材にしている。
エルツ城に行った時のことだ。
駐車場から城までは有料バスが出ている。
小型バスツアー運転手のN氏は「アルイテイコウ。」と提案をした。
「ナアニ、スグヨ。」と笑っている。
実際には900mあるのだが、歩くと良いことがあるという。
この坂は凄かった。
実際に歩かないと分からないことがあった。
写真を見ていただくと説明しやすい。
友人で車いすの方がいた。
それを普通に補助しては、乗っている人が転げ落ちてしまうのである。
N氏は後ろ向きにして坂を下り始めた。
そう、歩いていて分かった。
森の中に造った城なので、ここ以外に経路はない。
森の中に築城されている。
経路以外の所を通ろうとすると、途中に設けられた監視台から狙われる。
また、この途中にはイエス-キリストの像が祀られている。
仮に歩いて一般人を装ったとしても、ここでの振る舞いで何かを判断したような気もする。
監視台
そして、この道を走ることはできないのである。
走ったら確実に転び、谷底に誘われる。
坂は蛇行しているのだが途中で城から丸見えになるポイントもある。
もっとも現在は観光客からの絶好のビューポイントになっている。
ビューポイントからの撮影。
距離的・体力的には「ナアニ、スグヨ。」ではなかった(笑)
しかし、歩くことでたくさん楽しむことができたのは事実だ。
N氏はここでゆきたんくにお土産を持たせてくれた。
実はドイツの家の屋根は石でできている。
今はいなくなってしまったそうだが、薄くはがれる石を一定の形に整える職人がいた時代があったそうだ。
その石を利用して屋根が作られている。
N氏の運転する小型バスでドイツの街中を走っている時から、この屋根のことについては何回も説明してくれていた。
その屋根の素晴らしさ、材料の石、加工する職人と詳しく説明していただいた。
そしてその材料の石のことが頭に入って違和感がなくなった時に、このようなミニツアーを提案してくれる。
薄くはがれる石だそうだ。
これは屋根部分ではないが、石で造られたブラウバッハのマルクスブルグ城の壁。
城に行く途中で拾った(拾ってくれた)石
車いすを支える役を交代した時だ。
N氏が何かを拾っている。
そしてゆきたんくに差し出したのはビニールの小袋だ。
その中に、先ほどの石が入っていたのだ。
「コレ、コノイシネ。オミヤゲダァヨ。」
ビニール袋まで用意してお土産を作ってくれたN氏。
土産物屋では買えないし、売っていない品である。
凄く嬉しかったゆきたんくである。
ドイツにいる1週間を一緒に過ごしたN氏。
様々な場所で、枝葉の旅を組み立てて楽しませてくれる。
もっとも規定で客人と同じ宿に泊まってはいけないというので、車の中での話がほとんどだったが。
まぁ、客と離れたら本音のところリラックスしたいだろうと思うのだ。
自分たちで言ったら、行きも帰りもバスを利用してしまっただろう。
楽しい提案だった。
この他にはもN氏の提案はある。
また紹介する。