夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

改めて、無名な宮沢賢治が亡くなった後・・。   

2008-08-27 15:07:06 | 読書、小説・随筆
私は机の中の引き出しに、一冊のノートがあり、
8月27日 詩人・童話作家の宮沢賢治の生誕の日、
と綴られていた。
そして、この下段には、
 ==>嵐山光三郎・著の『追悼の達人』(新潮文庫) 最重要
と記していた。


私は宮沢賢治が遺(のこ)された作品の多くは、
40数年前頃、文学青年の真似事をしていた時代、人並みに読んだりしていたが、
それ程、感銘を受けない人であったが、何かしら気になる人であった。


定年退職前の数年前、雪の降る時節に、花巻温泉に2泊3日であったが滞在して、
その折、宮沢賢治記念会館に行ったり、
付近を散策し、遺(のこ)された偉業は実感できたが、
何かしに不可解な面が残ったりしていた・・。


その後、一昨年の秋に、
遅ればせながら嵐山光三郎・著の『追悼の達人』(新潮文庫)を読み、
私は嵐山光三郎に導かれ、私なりに宮沢賢治の人生の軌跡を学んだのである。

そして、『無名な宮沢賢治が亡くなった後・・♪ 』
と題して、あるブログ・サイトに、投稿したりしている。



特にこの中で教えを受けたのは、
宮沢賢治は追悼によって世に出た、
と読んだ時は驚いたりした。

著作者の嵐山光三郎の格調たかい名文を無断であるが、引用させて頂く。


【・・

昭和8年、花巻で無名の詩人が急性肺炎で死んだ。
・・・
(宮沢)賢治の死は、詩人仲間の草野心平の手で友人たちに知らされたのみであった。
・・・
没後、唯一、次郎社より「宮沢賢治追悼」雑誌が出た。
草野心平が逸見猶吉と企画した同人雑誌「次郎」が形を変えて出版された追悼集で・・・

この薄い一冊の追悼文集に寄り、宮沢賢治への評価の起爆剤となった・・・

・・】


生前の彼は、『春の修羅』、そして童話集『注文の多い料理店』を自費出版したが
まるで出廻らず、殆どの人はこの詩人の名を知っている人は少なかった、
と記載されている。
これは文学的な評価の側面であった。


そして、もうひとつ驚かされたのは、
宮沢賢治の人そのものであった。


【・・

賢治は花巻の富豪宮沢商会の息子である。
・・
東京を嫌いつつ東京にあこがれて9回も上京している。
農民を大切にしつつも「農民から芸術は生まれない」と言っている。
・・
理想主義者の裏に「お坊ちゃん」のわががまがある。
それらは賢治文学を理解するうえの条件であり、
賢治もまた矛盾だらけの人間である。
その「教育癖」ゆえに賢治を嫌う人もいる。
・・・
賢治にとって、生身の自分がさらされないことは幸運であった。
・・

詩人にとって死は有効であり、虚構に生きようとした賢治は、追悼によって生き返った。
詩人は裏技の魔法を使い、死者をよみがえらせてみせる。
・・



そして、著作者の嵐山光三郎は、
いまの日本詩壇に、無名詩人を発掘する第二の草野心平がいるだろうか・・
と結びの文として綴っている。



私は著作者の 嵐山光三郎の書物については、数多く発刊されているが、
ある程度は読んで折、愛読者のひとりである。
その上、現存されている作家の中で最も感銘を受け、
信頼を寄せている作家の方でもある。


私は俳句を詠(よ)んだり、詩を綴ったりする素養はないので、
やむえず散文で綴っている。

散文の世界といっても、確固たる根拠もなく、
独断と偏見が多い中、屈折した日々の半生を歩んできたが、
拙(つたな)いなりに、表現者のひとりとして、
ブログ等に投稿しているに過ぎないのである。

ときおり、宮沢賢治を思い浮かべたりする時、
私はあるサイトで知り得た人の詩に思い馳(は)せる時もある。

私はこの人の詩を読み、感じながら、
励まされたり、表現者のひとりとして喚起されたりしている。

その人も孤独で魂まで響きせながら自己格闘の中で、
ときおり、たぐい稀(ま)れ詩を表現している。


http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/pikkipikki

私は無名で無力な年金生活の身であり、
拙(つたな)い感性と感覚の持ち主であるが、
少なくとも、この方からは、私は宮沢賢治以上に感銘を受ける時がある。



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東京郊外は、久々の朝の陽射しに恵まれ・・♪

2008-08-27 08:15:54 | 小庭の情景を眺めながら
東京郊外は、久しぶりに朝の陽射しが射し込んでいる。
青空が空いっぱいに拡がり、微風が吹く朝を迎えている・・。

過日の21日(木)の日中以来であるので、
何日ぶりかしら、と指で数えたりしたのである。

先ほど天気予報を見たら、
朝のひとときは快晴で20度、
日中は曇り時々晴れで25度前後となり、夜に雨、
9月中旬の気候になる模様です、
と報じていた。

明日から3日間は雨時々曇り、となるので、
長雨の合い間のわずかな陽射しかしら、
と私は微苦笑している。

朝の陽射しの中で、色々な蝉(せみ)の合唱団が、久々よ、元気よく鳴いている。


家内は洗濯物の干竿(ほしざお)を拭いたりし、
久しぶりに洗濯物が外に干せる、
と忙しく動いている。


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