夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

日中のひとときは、散策、買物、本屋、そして古本屋・・。

2009-12-16 19:03:32 | 読書、小説・随筆
私は東京郊外の調布市に住む年金生活6年生の65歳の身であり、
冬めいた曇り空の朝を迎え、6時過ぎは3度、昼下がりは7度ばかり、
夜の6時は5度ぐらいで、少し寒い一日となった。

朝10時過ぎ、市から依頼で市道と私の宅地の境界腺の立会いをした後、
駅前の本屋に向った。

福田和也・著の『大作家”ろくでなし”列伝~名作99篇で読む大人の痛みと歓び~』(ワニブックス【PLUS】新書)の本を注文していたが、
本が到着したという電話連絡を受けていたので、出かけたのである。

いつもと違った住宅街の中の遊歩道を歩いたのであるが、
この地域の古き時代からあったコナラ、クヌギなどの落葉樹が多く歩道の両脇に植えられて、
四季折々の移ろいを明確に彩(いろど)るから、私の好きな遊歩道のひとつである。

群生した朱紅色、紅色に染められたドウタン・ツツジの鮮やかなたわわの葉の上に、
イチョウの落葉した黄色い葉が幾重にも重なり、
こうした情景を眺めると、私は微笑んだりした。

帰宅後、昼食を頂いた後は、家内から依頼された日常雑貨を買い求めに、
買物のカート車を引きずり、15分ばかり歩いた大型スーパーで購入したりした。
店内の出入り口の中に、新年を迎える注連(しめ)飾り、門松などの販売コーナーがあり、
早くも歳末の準備か、と私は思わず微笑みを頂いたのである。

その後、帰路、何気なしに古本屋に寄ったのである。

結果として、三冊の本を買い求めたのである。

ひとつは、捜し求めていた篠田節子・著の『斎藤家の核弾頭』(朝日新聞社)である。
私は著作者に関しては、『女たちのジハード』を読み感心したのであるが、
『カノン』に失望して遠ざかっていたのであるが、
【OCN Cafe】のサイトで知り逢えた人が、この作品を絶賛していたので、
この作品に興味をもっていたので、購入したのである。


この後の本は、瀬戸内晴美・瀬戸内寂聴・著の『わが性と生』(新潮社)であり、
もとより同一の著作者であり、往復書簡の形式の本である。

私は作家・瀬戸内寂聴さんに関しては、このサイトに数多く投稿しているが、
【・・
私は東京オリンピックの開催された頃、大学を中退し、映画・文学青年の真似事をしていた。

この当時の頃、瀬戸内晴美の『夏の終り』を読み終えて、友人らに絶賛したりし、
初期の作品の『女子大生・曲愛玲』、『花芯』などの短編小説集を読み耽ったりしていた。

この後、『女徳』などで大衆文学を精力的に発表された後は、
私は瀬戸内晴美の小説から離れた。

私が25歳から民間会社に中途入社した後、
『美は乱調にあり』を本屋の店頭で見かけたが、タイトルの命名に魅了されたが、
購入する意志はなかったのである。

その後は、瀬戸内晴美は仏門に入った、と月刊総合雑誌などで知り、
私は有数の小説家なのにどうした心境なのか、と思ったりしていた。
そして、のちに晴美から寂聴と改名され、
私は少し寂しさを隠し切れなかったのである。
・・】

このような思いがあったので、何かと関心があり、購入したのであった。

三冊目は、店内で偶然に見かけて、思わず魅せられた教養雑誌である。
神田文人、小林英夫の両氏に寄る編集の『戦後史(1945~2005)年表』(小学館)である。

それぞれの年に、政治・経済、世界、社会、文化・芸術、世相の欄が設けられ、
左右のページで、その一年を短く出来事を明記され、何かと判りやすいのである。
そして後半には、人口の推移、進学率・教育費の推移、国民医療費と原因別死亡者数・・等、
敗戦後から2005年までをグラフで表示されて、
少しボケた私でも判りやすいのである。

この後、古本屋の主人と立ち話をした折、
『最近の若い人ほど・・本を読まなくなった・・』
と私に云われたりした。

私の若き20代の前半は、アルバイトをしながらが、映画・文学青年の真似事をしていた時代には、
欲しい本があった時などは、お金に困り果てている時は食事を抜いたりし、
買い求めていた時もたびたびあったりした。

過ぎ去った時代は大きく変貌をし、社会の風潮は軽薄となっているが、
こればかりはそれぞれの本人の意思でもあるので、
私は古本屋の主人は60歳と聴きながら、お互いに社会の劣化に対して苦笑したのである。


このような思いで帰宅したのであるが、
私は未読の本が積み上げられているので、私なりに読書に忙しくなるのである。




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