私は東京郊外の調布市に住む年金生活の67歳の身であり、
今朝6時過ぎに玄関の軒下で、小雨降る中の樹木を眺めたりしていた時、
ぼんやりと『城ヶ島の雨』の歌の一節を思い重ねたりした・・。
♪雨はふるふる
城が島の磯(いそ)に
利休鼠(りきゅうねずみ)の
雨がふる
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
と私は心の中で唄っていたのである。
♪雨は真珠か
夜明けの霧か
それともわたしの
忍び泣き
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
私はカラオケは苦手であるが、ときおり鼻歌を唄ったり、心の中で唄うことが多い。
このような定年後の日常生活であるが、今日は『城ヶ島の雨』かょ、と微苦笑である。
私は無念ながら北原白秋のようにこうした詩は、
とても書けないが、あの北原白秋の人生の軌跡も波乱に満ちた人だった、
と思い馳せたりしていた・・。
もとより北原白秋(きたはら・はくしゅう)氏は、日本の詩人、童謡作家、歌人であり、
1885(明治18)年に生まれ、生涯に数多くの詩歌を残し、今なお歌い継がれる童謡を数多く発表するなど、
日本の文藝に多大に貢献し、1942(昭和17)年に死去された人である。
詩歌や童謡にも疎(うと)い私でも、詩集の『邪宗門』、童謡の作詞された『ゆりかごのうた』、『砂山』、
『からたちの花』、『この道』、『ペチカ』、『あわて床屋』、『待ちぼうけ』、『城ヶ島の雨』ぐらいは、
若き日の頃から学んでいる。
私は学生時代、大学を中退し、映画・文学青年の真似事をしたが、
あえなく敗退し、やむなくサラリーマンに転職し、
35年近く音楽業界のあるレコード会社に勤め、定年退職となったのは2004(平成16)年の晩秋であった。
私は定年退職後、その直後から年金生活をしているが、
私の半生は、何かと卑屈と劣等感にさいなまれ、悪戦苦闘の多かった歩みだったので、
せめて残された人生は、多少なりとも自在に過ごしたと思ったりしている。
日常の大半は、随筆、ノンフィクション、小説、現代史、総合月刊雑誌などの読書することが多く、
こうした中で、文藝評論家・河盛好蔵(かわもり・よしぞう)氏の詩人・北原白秋の評論文を読んでいた時、
《・・
いよいよ旺盛な詩作活動を続けていたが、
明治45年7月、隣家の人妻・松下俊子との恋愛問題のため、
俊子の夫から姦通罪で告訴され、市ヶ谷未決監に二週間拘置、
無罪免訴となったが、深刻な打撃を受けた。
のみならず郷里の家が破産して一家の人々が上京し、
その生活を負担しなければならなくなったために一層困窮した。
大正2年4月、離婚した俊子と結婚。
5月に神奈川県・三崎に転居・・
『城ヶ島の雨』は、このころの作である。
・・》
こうしたことを思い浮かべると、
♪舟はゆくゆく
通り矢のはなを
濡(ぬ)れて帆あげた
ぬしの舟
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
私は鼻歌などで気楽に唄えなくなる。
この後は、俊子は肺患療養となり、窮乏の末に、白秋は離婚し、
その後は江口章子と結婚したり、清貧生活の中で詩作を発表したのである。
そして江口章子と離婚してまもなく、佐藤菊子と結婚し、終生つれそった、
と伝えられている。
私の敬愛している作家のひとりの嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう)氏に寄れば、
《・・
最初の妻はフランス人形のような麗人て、
二番目のの妻は菊人形ような美人、
そして三番目の妻は婚期を逸して三十歳を過ぎ・・
(略)
白秋の名が広く知られるようになったのは、
童謡によるところが大きく、
悪魔的耽美世界から出発した詩人は、少年的抒情世界に転進しました。
これは、ひとえに菊子夫人あってのことで、
菊子との出会いがなければ、糸の切れた凧になって、
白秋は破滅の道を進んだかもしれません。
・・》
と嵐山光三郎・著の『人妻魂』(マガジンハウス)で明記されている。
私は小説、随筆、詩、短歌、俳句などの創作者は、
作品の出来ばえが良ければ、その人の日常の言動は問わぬという哲学じみた暗黙の了解は、
知っているつもりである。
しかしながら小心者で無力の私は、結婚はたった一度で、
ひとりの妻となった人と寝食を共にして37年目となっている。
そして独身時代でも恥ずかしながら人妻と性愛し、その主人からも告訴された体験もないので、
詩人・北原白秋の結婚の三度ばかりの軌跡に思い馳せる、と
改めてこの人生は大変だなぁ、微苦笑したりした。
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今朝6時過ぎに玄関の軒下で、小雨降る中の樹木を眺めたりしていた時、
ぼんやりと『城ヶ島の雨』の歌の一節を思い重ねたりした・・。
♪雨はふるふる
城が島の磯(いそ)に
利休鼠(りきゅうねずみ)の
雨がふる
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
と私は心の中で唄っていたのである。
♪雨は真珠か
夜明けの霧か
それともわたしの
忍び泣き
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
私はカラオケは苦手であるが、ときおり鼻歌を唄ったり、心の中で唄うことが多い。
このような定年後の日常生活であるが、今日は『城ヶ島の雨』かょ、と微苦笑である。
私は無念ながら北原白秋のようにこうした詩は、
とても書けないが、あの北原白秋の人生の軌跡も波乱に満ちた人だった、
と思い馳せたりしていた・・。
もとより北原白秋(きたはら・はくしゅう)氏は、日本の詩人、童謡作家、歌人であり、
1885(明治18)年に生まれ、生涯に数多くの詩歌を残し、今なお歌い継がれる童謡を数多く発表するなど、
日本の文藝に多大に貢献し、1942(昭和17)年に死去された人である。
詩歌や童謡にも疎(うと)い私でも、詩集の『邪宗門』、童謡の作詞された『ゆりかごのうた』、『砂山』、
『からたちの花』、『この道』、『ペチカ』、『あわて床屋』、『待ちぼうけ』、『城ヶ島の雨』ぐらいは、
若き日の頃から学んでいる。
私は学生時代、大学を中退し、映画・文学青年の真似事をしたが、
あえなく敗退し、やむなくサラリーマンに転職し、
35年近く音楽業界のあるレコード会社に勤め、定年退職となったのは2004(平成16)年の晩秋であった。
私は定年退職後、その直後から年金生活をしているが、
私の半生は、何かと卑屈と劣等感にさいなまれ、悪戦苦闘の多かった歩みだったので、
せめて残された人生は、多少なりとも自在に過ごしたと思ったりしている。
日常の大半は、随筆、ノンフィクション、小説、現代史、総合月刊雑誌などの読書することが多く、
こうした中で、文藝評論家・河盛好蔵(かわもり・よしぞう)氏の詩人・北原白秋の評論文を読んでいた時、
《・・
いよいよ旺盛な詩作活動を続けていたが、
明治45年7月、隣家の人妻・松下俊子との恋愛問題のため、
俊子の夫から姦通罪で告訴され、市ヶ谷未決監に二週間拘置、
無罪免訴となったが、深刻な打撃を受けた。
のみならず郷里の家が破産して一家の人々が上京し、
その生活を負担しなければならなくなったために一層困窮した。
大正2年4月、離婚した俊子と結婚。
5月に神奈川県・三崎に転居・・
『城ヶ島の雨』は、このころの作である。
・・》
こうしたことを思い浮かべると、
♪舟はゆくゆく
通り矢のはなを
濡(ぬ)れて帆あげた
ぬしの舟
【 『城ヶ島の雨』 作詞・北原白秋、作曲・梁田 貞 】
私は鼻歌などで気楽に唄えなくなる。
この後は、俊子は肺患療養となり、窮乏の末に、白秋は離婚し、
その後は江口章子と結婚したり、清貧生活の中で詩作を発表したのである。
そして江口章子と離婚してまもなく、佐藤菊子と結婚し、終生つれそった、
と伝えられている。
私の敬愛している作家のひとりの嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう)氏に寄れば、
《・・
最初の妻はフランス人形のような麗人て、
二番目のの妻は菊人形ような美人、
そして三番目の妻は婚期を逸して三十歳を過ぎ・・
(略)
白秋の名が広く知られるようになったのは、
童謡によるところが大きく、
悪魔的耽美世界から出発した詩人は、少年的抒情世界に転進しました。
これは、ひとえに菊子夫人あってのことで、
菊子との出会いがなければ、糸の切れた凧になって、
白秋は破滅の道を進んだかもしれません。
・・》
と嵐山光三郎・著の『人妻魂』(マガジンハウス)で明記されている。
私は小説、随筆、詩、短歌、俳句などの創作者は、
作品の出来ばえが良ければ、その人の日常の言動は問わぬという哲学じみた暗黙の了解は、
知っているつもりである。
しかしながら小心者で無力の私は、結婚はたった一度で、
ひとりの妻となった人と寝食を共にして37年目となっている。
そして独身時代でも恥ずかしながら人妻と性愛し、その主人からも告訴された体験もないので、
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