夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

伊豆の網代(あじろ)にて【12.5.21.~5.25.】  第二章  部屋の窓辺からの情景

2012-05-26 17:33:05 | 
私たちが指定された部屋は3階の一室で、
8畳の和室、そして窓辺に三点セットのテーブルと椅子ふたつが置かれた4畳ぐらいの広さがあり、
この間の間仕切りとしては障子があるので、
何かと私たち夫婦としては、4日ばかり滞在であったが過ごしやすい処であった。

何よりも魅了させられたのは、部屋の窓辺からの情景であった。

海辺に建つ当館は、左側の外れに里山が海岸に接して、干潮の時は波打ち際から20メートルぐらいの浜辺となり、
そして浜辺となった所に幾重かの岩が群島のように見えたりした。

その後に満潮の波時は、浜辺が海水で消え去り、寄せては返す波間となり、
岩の群島に波が押し寄せて砕け散っていた・・。

前方の500メートルぐらい先には、海上越しに多賀の街並み、かすかに海岸沿いの道路が観え、
そして上方の里山の中腹の樹木の中、ときおり伊東線の電車が観えたりした。
里山の頂上までには森の中に、わずかながら人家が点在していた。

そして前方の少し右側の海辺の近くには、大きなリゾートマンションのような建物が三軒あり、
目を右側に動かせば赤根崎にある建物が観え、その先には赤根崎を通して大きな街がかすかに観え、
その後に熱海の市街と解った。

窓辺から観える右側の遥か彼方には、真鶴半島も観えたりした。

こうした情景を私は見たりし、部屋の窓辺の近くに寄せては返す波を見惚(みと)れて眺めたりした。
まじかに海岸の横から眺めていたので、
改めて干潮に現れた浜辺、或いは満潮の波が押し寄せる無限なような波間となり、
ときおり宿泊先から配布された館内ニュースを見たりしていた。

たとえば到着した21日の時は、
《 明日の天気  曇り時々雨
  明日の日の出  am4.35  
     日の入り  pm6.46 

  満潮 am4.32  pm6.25 
  干潮 am11.28 pm11.38 》
このように記載されていたので、釣りもしなく満潮と干潮にも疎(うと)い私でも、
押し寄せる波を見ながら、まもなく満潮になるから浜辺は消えて、
海岸まで波が押し寄せてくると学び、不思議な周期に見惚れてたりしていた。

そして夜のとばりになると、彼方の海上越しに多賀の街並みなどが灯(あか)り燈(とも)り、
里山の上空には数多くの星が彩(いろど)った。
そして確か二日目の深夜に目覚めると、満天の星空となり、
家内も偶然に起きだして、私たちは夜空を彩(いろど)る情景に見惚れたりした。

早朝、昼下り、夕暮れ、ときには深夜に窓辺から眺めたりし、
打ち寄せる波音、岸辺の大きな樹木には小鳥の鳴き声が聴こえだけの静寂な時を過ごした。

このような状況だったので、俳句に素養のない私でも、
つたない一句を詠んだりした。

横たえば 寄せては返す 波の音  
                詠み人・夢逢人

                           《つづく》
                           
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伊豆の網代(あじろ)にて【12.5.21.~5.25.】  第一章  街並みを散策すれば

2012-05-26 14:52:11 | 
21日の月曜日、私たち夫婦は10時過ぎに自宅を出て、
路線バスに乗り、10分足らずで最寄駅のひとつの小田急線の『成城学園前』の駅前に下りたった。

その後、この駅でも停車する特急のロマンスカーに10時40分発に乗車し、
『小田原』駅に11時37分に到着後、駅ビルにある食事処で、この先の宿泊所で滞在する間は魚ずくしも配慮し、
イタリアンの肉料理のディナーセットを頂き、
JRの『熱海』駅に着いたのは午後1時過ぎであった。

そして海沿いを走る路線バスを利用して『網代』駅前まで、
或いは伊東線で『網代』駅まで里山の中腹から海を眺める車窓を楽しむか、
少し迷ったが、行きは路線バスで海沿いの道路から海上を観て、帰路はJRの伊東線を利用することに決めた。

この後、晴れ渡った少し暑さを感じる中、路線バスの乗車し、
熱海のにぎわった街並みを通り、起伏の激しい観光ホテル街を抜け、樹木越しに海が見えたりした後、
多賀地域を通り、『網代』駅前の少し前で私たちは下車したのは2時前であった。

そして3分足らずを歩き、宿泊する『湯の宿 平鶴』でチエックイン後、
私たちは漠然と街並みを歩ま廻った・・。

海沿いの防波堤が整備された遊歩道となり、海の匂いは潮風と共に心地よく受け、
その後は街中の歩道を歩き、干物銀座と称される数多くの干物屋を見たりしたが、昼下りの為か、
のどかで閑散としていた。
そして港の漁業市場、港に浮かぶ筏(いかだ)で釣りを楽しめる筏釣り場、
海上の釣り堀などが見られたりした。

しかしながら私は釣りには興味がなかった。
幼年期に農家の児として育った私は、釣り上げる魚の生臭さが苦手であるので、
漁船の匂いはもとより、網元の方たちの集う場所、生魚の匂う民宿も避けてきた。

このような結果、恥ずかしながら魚を捌(さば)く技量もなく、
単に料理して頂いた刺身、焼き魚、煮魚が好きで、
炉端屋などで貝を含めて、地酒を吞みながら頂く身勝手な身である。

この後、街中も戻り、『網代』駅前の通り、『網代』駅に寄ったりしたが、
静寂であった・・。

ここ20数年、伊豆半島の熱海はじめ、南下した伊東、熱川、稲取、下田まで、
かっての昭和30年から昭和の終りの頃のにぎわった頃より、観光客は減少していると風の噂で聞いたりしているので、
まして大きな街の熱海と伊東の間にある『網代』の街並みは、過ぎし時代より減少していることは、
やむ得ないだろうと思いを巡らしたりした。

この後、街並みを歩き廻り、結果としては2時間近く散策して宿泊先の『湯の宿 平鶴』に戻ったりした。

                           《つづく》
                           
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伊豆の網代(あじろ)にて【12.5.21.~5.25.】  序 章  旅立つ前に夢想することは

2012-05-26 07:47:02 | 
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の67歳の身であるが、
ときおり家内との共通趣味の国内旅行をしたりしている。

この一年は山里の観光ホテル、旅館、リゾートホテルなど温泉地に滞在することが多く、
海を見ながら波打ち際に近い露天風呂で、ゆっくりと過ごしたいわ、
と家内は私に言ったりした。

この根底には、一昨年の2010〈平成22〉年の若葉の季節、北東北を周遊していた時、
青森県の日本海に面した黄金崎(こがねざき)にある観光ホテル『不老ふ死(ふろうふし)温泉』に3連泊し、
この観光ホテルの波打ち際にある露天風呂に、私たちは圧倒的に魅せられたのである。

その後の12月中旬、やはり雪の舞い降る北東北を周遊し、旅の終りとし、
この『不老ふ死温泉』に再訪して3連泊したりした。

このような思いもあったりしたが、私たちの住む処から余り遠くない伊豆半島で、
海に近く温泉も良し、食事処でも浴衣で良し、気楽に過ごせる観光ホテルを調べたりした。

私たちは伊豆半島の東海岸だけでも熱海の伊豆山地域、赤根崎、伊東、伊豆高原、稲取、下田などを訪ねてきたが、
いずれも海を見下ろす高台で展望は良かったが、波打ち際には遠かったのである。

この結果、私たちが今回たまたま選定した処は、
伊豆半島の東海岸の熱海から少し南下した網代(あじろ)温泉で、
露天風呂から海を観ることができる観光ホテルを見つけたりした。

これまでの私としては、網代(あじろ)地域名は知っていたが、
伊東、伊豆高原、稲取、下田などに行く時、観光バスとか特急の『踊り子』で、
あたかも通過点であったので、ネットで検索し、たまたまこの地の観光ホテルにめぐり逢えたのであった。
http://www.hiraturu.com/
☆網代(あじろ)温泉【湯の宿 平鶴(ひらつる)】公式サイト☆

私たちが圧倒的に魅せられたのは、海辺に建ち、波打ち際に近い処に露天風呂があり、
海上の浪間を観ながらお風呂に入れることのようで、
単細胞の私たちは、この観光ホテルに直接に電話連絡して、四連泊することにした。

このような温泉滞在旅行は、私の現役時代のサラリーマンの時は、
35年近く中小業で勤め、何かと悪戦苦闘が多かった時代はもとより叶えられず夢想を重ねたりしてきたので、
せめて年金生活の今、お互いの夫婦が心身元気な中で甘受できることなので、
特権のひとつかしら、と思ったりしている。

この後、この地域をネットで調べたりした・・。
http://www.ajirospa.com/index.htm
☆伊豆網代温泉 観光ナビ 公式サイト☆

そして誰しも旅立つ前に、その地を夢想するように、
私は歴史とか文化を学ぶひとが好きであるので、このサイトを見て、長らく見つめたりした。

そして滞在する中、読書もしたく、持参する本を数冊選んだりした。

                           《つづく》
                           
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