夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

テレビが「バカにしていた」ネットに頼る皮肉の到来、時代の変貌に多々教示され、微苦笑を重ねて・・。

2017-04-07 15:54:30 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅に住み年金生活をしている72歳の身であるが、
先程、ときおり愛読しているネットの『東洋経済オンライン 』を見たりしていた中で、
【 テレビが「バカにしていた」ネットに頼る皮肉
           ~情報番組の2割を「ネット発」が占める実態も~ 】と題された記事を見た。

この記事を書かれた御方が、ネットニュース編集者として名高い中川淳一郎さんであり、
私は信頼しているひとりである。

過ぎし2009年(平成21年)5月下旬、
中川淳一郎・著の『ウェブはバカと暇人のもの ~現場からのネット敗北宣言である』(光文社新書)を購読した。

私はこの本を数週間前に店頭で見かけたが、
《・・どいつもこいつもミクシィ、ブログ
    インターネットは普及しすぎた

  「頭の良い人」の話はもういい。
  「普通の人」「バカ」の話をしょうじゃないか。》

と本の帯に明示されたり、

本書の中で第一章として、
《 ネットのヘビーユーザーは、やっぱり「暇人」 》と題されていたので、
私は少し不快な気持ちとなり、敬遠したりした。
             

私は遅ればせながら定年退職の数ヶ月前にインターネットを自宅に開設した身で、
その後は梅田望夫、佐々木俊尚の両氏をはじめとするウェブに関する数多くの本を読み、学んできたひとりである。

この当時の私は、屈折の多い人生を過ごしてきたので、この地球に生を受けたひとりとして、私が亡くなる前まで、
何らかのかけらを残したい、と定年前から思索していた。
あたかも満天の星空の中で、片隅に少し煌(きらめ)く星のように、と思ったりしていた・・。

そして、定年後まもなくしてブログの世界を知り、
文章修行と思いながら、ブログ、ブログに準じたサイトに投稿文を日々重ねてきた。
そして、亡くなるまでに、歴然とした随筆をひとつだけは残したい、
と人生の敗者復活戦のような思いで、投稿していた時であった。

こうした深い思いのある私は、《 ネットのヘビーユーザーは、やっぱり「暇人」 》
と明記されれば、私は心の純潔を穢されたようで、不愉快な心となり、購入を見送ったりした。

しかし、やはり気になり読んでみたくなり、買い求めたし、
中川淳一郎・著の『ウェブはバカと暇人のもの ~現場からのネット敗北宣言である』を読んだりした。

そして著作者は、ウェブの前線で奮闘されている方で、
日本のウェブの現状を怜悧に描き、企業と個人の利用の実態と問題点を提示され、
私は微苦笑しながらも数多く学んだりした。

何よりも著作者は、ウェブに対する人々の理念と実質は大いに違う実情に憂いながらも、
根底には限りなく愛(いと)おしさを秘めた良書でもある。
             

やがて2014年(平成26年)初夏、中川淳一郎さんが、
【ネットで賢く生きる方法 SNSでいかに自分が弱者かアピール】と題された
『NEWS ポストセブン 』の8月9日(土)に於いて配信された寄稿文を読み、
多々教示されながら、微苦笑をしたりした。

《・・ネット社会でどう生きるかは多くの人にとって重要なテーマだ。
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はこうアドバイスする。

2014年、ネットで賢く生きる方法を紹介しよう。
【1】いかに自分が傷ついたかをアピール
【2】いかに自分が弱者であるかをアピール
【3】正義感をふりかざし「○○に謝れ!」と言うことの3点だ。

これをネットでやっておけば、まぁ、強い強い! 【1】~【3】のコンボを出されてしまったら、もはや勝てない。
「弱者の強者化」である。

【1】、【2】については、持病があること、貧乏なこと、父親からDⅤを受けたことなどを
SNS等のプロフィール欄などに書いておくことが重要だ。
これにより「弱者様」になれるし、この方々を批判すると人でなし扱いされ、
「彼女は心の傷を負ってるんですよ! 彼女に謝ってください!」なんて話になる。

(略)重要なのは、自分の努力ではどうしようもならないことを書いておくことです。(略)・・》

このような3つのネット上の哲学のような記事を読み終わった後、私は微苦笑してしまった・・。
                       

こうした心情を中川淳一郎さんに秘めてきた私は、やはり今回『東洋経済オンライン』に4月5日に、
配信されて寄稿文を精読し、無断であるが一部を転載させて頂く。

《・・ほんの10年ほど前まで、テレビや新聞、雑誌といったマスメディアの中には、
「ネットネタ=忌避すべきもの」という風潮があった。

ところが、いまや時代は大きく変わった。
NHKの朝のニュースやフジテレビの「情報プレゼンター とくダネ!」のような高視聴率の人気情報番組が、
YouTubeに投稿されたおもしろ動画を流し、番組の一構成要素にしている。

「情報7days ニュースキャスター」(TBS系)では、
「ニュースワードランキング」と題し、ネットで話題となったニュースをトップ20形式で紹介。

同番組に限らず、2013年はいわゆる「バカッター騒動」といって、
若者が自身の愚行をネットにさらす行為を連日のように取り上げた。
コメンテーターがしたり顔で分析コメントを述べたものだ。
             

☆ネット発の情報が、番組の重要構成要素に

2015年2月の「つまようじ少年」、昨年12月の「おでんツンツン男」、今年1月の「モノレール線路飛び降り喫煙少年」。
テレビが連日、時間を割いて取り上げるネット発の珍事報告の事例は、枚挙にいとまがない。

覚せい剤取締法違反などで逮捕・有罪判決を受けたミュージシャン・ASKAのブログも
マスメディアにとっては、重要な情報ソース。
ブログの書き込みがメディア関係者からつねにウォッチ対象となり、内容がニュースとなった。

こうした衝撃的な告白だけでなく、有名芸能人のブログでの結婚報告や出産報告も頻繁にメディアで紹介されるし、
ドナルド・トランプ米大統領や橋下徹氏、松井一郎氏といった政治家が、
ツイッターでつぶやいた内容(ツイート)もマスメディアで紹介されている。

最近では籠池泰典・森友学園前理事長の証人喚問の内容に
安倍昭恵・首相夫人が自身のフェイスブックで反論したが、その内容も記事・番組の重要構成要素となった。

もはやいくらでも、ネット上の騒動がマスメディアに反映される例を挙げることができる。
それは数字で見ても明確に現れている。(略)
             

☆ネット広告市場はテレビ広告に迫る規模

1990年代後半に勃興したネット広告市場は、2006年に雑誌、2010年に新聞を抜いた。
2014年に1兆円を超え、2016年は約1.3兆円。同2兆円弱のテレビ広告に迫る規模になっている
(2016年の新聞広告市場は約5400億円、雑誌は約2200億円、いずれも電通調べ)。

アップル「iPhone」をはじめとするスマホの爆発的普及や高速通信網の整備などに伴って、
「いつでもどこでも」ネットにつながる環境が整ったことが要因として大きいが、
いまや「ネット=社会のⅠつ」となっている。

マスメディアの企画の立て方も、いろいろと変わってきている。
ネット上での諍(いさか)いやら、ほのぼの動画、
あとは「大学生協がプリンを大量に発注し、ツイッターでSNSを出したら、
近隣の大学からも学生がやってきて見事売りさばけた」といった美談もメディアの企画のネタになる。

テレビマンはいかにしてネットを活用しているのか。

とある民放の情報番組のディレクターはこう語る。
「ネットは、1次情報として非常に活用しています。
新聞サイトもそうですし、NHKのサイトもそうですし、ツイッターとか、
あとはライターやジャーナリストの発信する情報なども、かなり活用しています。

それを後追い取材したり、社内のシステムで裏付けを取り、放送に乗っけていったりする手順を取っています。
ただし、一個人の炎上とか、ニュースバリューとしては低いと思いますね。」
             

☆かつてマスメディア人が「バカにしていた」ネット

「記者は、足で稼いでなんぼでしょ?」
「ネットなんて、まだまだサブカル以下でしょ?」
「そんなものをニュースにする感覚がわからない」――

2000年代中盤、J-CASTニュースやITメディアニュース、
私も関与している(いた)アメーバニュース、R25は、
「ネットも“社会”の1つ」という考えの下、「ネット事件簿」的なものも記事として紹介していた。

それこそ、「豚丼を牛丼店の店員が、山盛りにして『テラ豚丼』を作り、それを動画配信して炎上」といった記事である。

当時、新聞記者やテレビマンとの会合などで、こうした話をすると鼻で笑われたものだ。

かつてのマスメディア人は、「ネットはあくまでも、オタクが集う場所であり、
世間に顔出しできぬ臆病者が、傷をなめ合ったり、
匿名で立場ある者を罵倒したりする異常空間である」ととらえていたフシがある。

悪い言い方をすれば「バカにしていた」といえる。

ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「2ちゃんねるは、ゴミため」という趣旨の発言をしたことがある。
同じくジャーナリストだった故・筑紫哲也氏も「ネットの書き込みは、便所の落書きのようなもの」と言っていたものだ。

そんなふうに揶揄されていたネット発の情報だが、テレビ関係者も無視できない存在になったどころか、
ネット頼みになっているテレビ人も、少なくない。

それは新聞や雑誌も同じだ。
ネット発の情報が、いまや世間を大きく騒がせ、時代を動かすこともある。

黎明期からのネットニュースを知っている編集者としては感慨深い。皮肉なものだ。・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
             

私は恥ずかしながらガラケーと称される携帯電話、
そしスマホと省略されているスマートフォンも使えない拙(つたな)い身である。

その上にフェイスブック、ツイッター、そしてモバイルパソコンにも無縁であり、
やむなくインターネットは固定回線の光ファイバーの『フレッツ』を頼りに、
せめてと思いながら、有線の据え置き型のパソコンとノートパソコンを利用している。
          
私は定年退職した2004年(平成16年)秋の数ヶ月前にインターネットを自宅に開設した身であるが、
この当時は、ネットが今日のように、まさに誰しもが発信できる時代となり、
そしてネットを殆どの人々が活用することは、予測できなかった。

今回の新聞、雑誌、そしてテレビ業界の殆どの人々が、ネット記事を小バカにしてきたことは、
私も風の噂で数多く学んできた・・。

東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)の数年前の当時、
映画界の有数な俳優さんが、テレビのドラマに出演するなんて・・と軽蔑していた時代もあったりしたが、
こうしたことに私は思いを重ねたりして、時代の変貌に多々教示され、たかがネットされどネット・・と微苦笑を重ねたりしている。

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