☆良質なたんぱく質で認知機能低下を防ぐ
医学博士で日本応用老年学会理事長の柴田博さんはこう話す。
「栄養状態の良否は、血液中の『アルブミン』というたんぱく質の値で判断されます。
この数値が低下すると寿命や身体機能と
ともに認知機能が低下することが明らかになっています」(柴田さん)
アルブミン値を上げるためには、食生活の改善が何よりも重要だ。
「特に意識してほしいのは、良質なたんぱく質を摂取すること。
必須アミノ酸を豊富に含む肉、魚、卵、乳製品が
不足しないよう心がけることが最も大切です。
ご飯とみそ汁、漬けもの、海藻といった昔ながらの粗食に慣れている高齢者がいますが、
こうした粗食は、認知機能低下の原因となります」(柴田さん)
■アミノ酸スコアが高い主要な食品


☆早期発見次第で症状を緩和・進行を遅らせることも
豊富な臨床経験とエビデンスに基づいた予防法を駆使して、
生活習慣や行動様式の改善に努めたとする。
しかし、5人に1人が発症する現代において、
準備と努力を重ねても、発症が避けられないケースもある。
また、すでに症状が出ている家族を持つ人もいるだろう。
「残念ながら現代医学では、認知症の根治は、ほぼ不可能であるのが現状です。
しかし症状を緩和させたり、進行を遅らせたりすることはできる。
そのために最も重要なのは、早期発見です」(奥村さん)
☆奥村さんが挙げる早期発見の5つのポイント

特に連続ドラマは、前回のストーリーを覚えていられなくなってしまい、
面白く感じることができずに、視聴をやめてしまう。
初診で来た患者に、『最近、朝ドラを見ていますか?』と聞くと
多くの人は『昔は見ていたけれど、最近のものはつまらないから見ていない』と答えます」
このような兆候を家族の言動から感じたり、自覚したりしたら
早めに病院にかかって治療を受ける必要がある。

☆認知症の薬プラス適切な処置が大事
アルツクリニック東京院長の新井平伊さんが解説する。
「現状、治療の中心は、薬と心理的支援になります。
健康保険で使える薬は、アリセプト、レミニール、イクセロンパッチ・リバスタッチ、
メマリーの4種類。
いずれも効果があって、安全性が高いと厚労省が認め、世界中で使われている信頼のおける薬です。
認知症は、進行性の病気であり、早く治療を始めた方がいいことは間違いありません」
ただし、薬に頼るだけでは不充分だと新井さんが続ける。
「WHOのガイドラインに従って、生活習慣病を治療したり、
飲酒や喫煙の習慣を改めることも重要。
耳が聞こえにくいことも症状の悪化につながるため、
難聴の人は、補聴器を使うなどすれば、進行を遅らせることができます」
多くの認知症患者を診療してきた園田さんは、
その経験から適切な処置をすることで、症状は大きく改善すると断言する。
「私の場合、初診は1時間ほどかけて、
患者本人や家族から話を聞き、検査などで認知症のタイプを見分けます。
そのうえで薬を処方し、その人に合ったサプリメントを提案するなど
食事や環境要因を整えることで治療を進めます」(園田さん・以下同)
☆認知症の症状を緩和するためにできる4つのこと

☆適切な治療を受けるための病院選びのポイント
ただし、医師や病院選びを間違えれば、適切な治療を受けることは難しい。
園田さんは、病院選択のポイントについてこう話す。
「さまざまな医師が、認知症外来やもの忘れ外来を掲げていますが、
専門が、脳神経内科または精神科の医師が、知識と経験の豊富さという点でベターでしょう。
また、名古屋の河野和彦医師が考案した認知症治療法である『コウノメソッド』を取り入れていたり、
それをベースにした知識の共有を進める認知症治療研究会の会員の医師なら、
適切な治療をしてもらえる可能性が高いでしょう」
コウノメソッドとは、認知症の分類を行ったうえで、
症状に見合った薬をできる限り少量処方し、治療する実践法のこと。
取り入れている病院は、ホームページに記載しているところも多いため、確認するのも有用だ。 ・・ 》
今回、《・・認知症の症状緩和のためにできる4つのこと、
そして早期発見のポイントなど・・》、
それぞれ専門分野の医師の懇切丁寧な解説文に導かれて、
認知症に関しての多岐に及び、多々教示させられたりした・・。
自身が正気な言動がおぼつかなくなり、自覚も出来なくなることであり、
できれば、この世に別れを告げるまで、無縁でいたいよなぁ・・と時折、
空を見上げながら懇願する時もある。
《・・残念ながら現代医学では、認知症の根治は、ほぼ不可能であるのが現状です。
しかし症状を緩和させたり、進行を遅らせたりすることはできる。
そのために最も重要なのは、早期発見です」(奥村さん)・・》であったりした。
こうしたことを私は思い重ねて、今後も明るく過ごして、
いつの日にか、自身が認知症の初期の状態に予感をさせられた時は、積極的に治療を受ける。
このような防衛策で、過ごそうと思い馳せたりしている。