先程、ヤフー・ジャパンより配信された記事を見ている中で、
『 暑い夏「急に立ち上がる」と命にかかわるかも・・・
急な血圧低下が転倒・ショック状態を招く!
上皇陛下執刀医が教える<低血圧>の注意点 と題された見出しを見たりした。
《・・厚生労働省の「令和4年 人口動態統計」によると、
日本人の死因第2位は「心疾患」で、23万2879人が亡くなったそう。
そのような中、「命にかかわる血管と心臓の病気も、生活習慣で予防できる」と話すのは、
2012年に当時の天皇陛下(現・上皇陛下)の執刀医を務めたことで広く知られる、
心臓血管外科医の天野篤先生。
今回は、天野先生が「命を落とすリスク」を減らすためのアドバイスをまとめた自著
『60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常』より、一部引用、再編集してお届けします。
【書影】上皇さま、美智子さまにもお伝えした「血管元気」「心臓元気」の処方箋。
天野篤『60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常』 * * * * * * *
◆血圧が下がると、まず腹痛が起きる
夏は、血圧が低下する季節です。
気温が上昇すると、体内にも熱がこもるため、その熱を放散しようと、血管が拡張します。
また、汗をたくさんかくと、血管内の水分と塩分が失われ、血液量が減少します。
こうしたことから、血圧が下がりやすくなるのです。
血圧というと高血圧ばかりが問題視されますが、低血圧も軽く考えてはいけません。
血圧が低いことそのものは、高血圧のようにほかの病気には、直接つながりませんが、
めまい、立ちくらみ、頭痛、全身の倦怠感といった症状が生じ、
失神して命にかかわるような、大きな事故につながるリスクがあるのです。
低血圧には、明確な基準はありませんが、WHO(世界保健機関)によると、
安静時で「上の血圧(収縮期血圧)100mmHg以下/下の血圧(拡張期血圧)60mmHg以下」とされています。
普段は正常範囲なのに、急激に血圧が低下して、上の血圧が70以下になると、
まず腹痛が起こります。
これは、われわれの体の仕組みが関係しています。
というのも、血圧が下がって血流が少なくなると、
体は優先的に脳、心臓、腎臓に、血液を送ろうとします。
そのため、ほかの臓器への血流が減って、影響が出るのです。
具体的には、胃への血流が減ると、胃粘膜の保護機構が障害されて、腹痛が起こるのです。
さらに低血圧が続いて脳への血流が減ると、意識消失を招きます。
高齢者は、動脈硬化が進んでいる場合が多く、血管に弾力性がないため、
急激な血圧低下を起こす可能性が高くなるので、注意が必要です。
◆立ち上がるときなど、心臓に戻る血液量が一時的に減って低血圧に
夏場の低血圧では、「起立性低血圧」にも気をつけましょう。
急な立ち上がりや長時間立ち続けていることで生じます。
座ったり横になったりしている状態から立ち上がるとき、
重力によって血液が、上半身から下半身に移動してたまります。
それによって全身から心臓に戻る血液量が一時的に減り、
心拍出量が低下して、血圧も下がります。
このとき、通常であれば、交感神経が働いて血管を収縮させ、速やかに血圧を正常化します。
しかし、人工透析や糖尿病の患者さんは、交感神経がうまく働かなくなっているため、
血圧が下がったままの状態になってしまいます。
座ったり寝ていたりするときに比べ、立ち上がったときの血圧が、ストンと下がるのです。
また、エキサイトしやすくストレスを抱えていて血圧が上がりやすい人、
高血圧のなかでも拡張期血圧が高い人に関しては、
年をとるとともに寝ているときと立ち上がったときの血圧の差が、大きくなる傾向があります。
ですから、たとえば夜中に目覚めてトイレに行く際などに、
血圧が一気に下がって、フラッとなり暗い中で転倒して頭を打ち、
事故につながる危険があるので要注意です。
◆心臓疾患がある人は、低血圧で心臓が止まる危険性も
起立性低血圧が起こった場合でいちばん危険なのは、
基礎疾患として大動脈弁狭窄症や、
心房細動性の徐脈(じょみゃく)(1分間の脈拍が60回未満になる)がある人です。
急に血圧が低下すると、さらに脈拍が減るため、ショック状態になって、心臓が止まる危険があるのです。
心臓の反射作用に、心房に入る血液量が増えると、
心拍数を増加させて心房内の血液を早く動脈内に押し込もうとする「ベインブリッジ反射」というものがあります。
血管内の血液量が減ると脈拍数を落とすので、血圧低下が助長されます。
普通ならば血圧が急に低下しても、血の気が引いたくらいの状態で済むのですが、
その反射が極端な人は、そのまま意識を失ってしまうとか、
心臓が止まってしまうといった状況を招くリスクがあるのです。
◆降圧薬が効きすぎて、血圧の低下を招く場合も
ほかにも、女性で生理が重い人、運動習慣があって汗をたくさんかくのに水分補給が少ない人など、
循環血液量が変化する要因がある場合は、起立性低血圧に注意したほうがいいでしょう。
また、高齢者の骨格筋量が減少し、筋力もしくは歩行速度などの身体機能が低下する「サルコペニア」の人は、
水分貯蔵庫である筋肉の量が減っているため、脱水や熱中症リスクが高くなります。
サルコペニアの人は、脱水や熱中症になると、
脳保護のために血圧が、一時的にバーンと上がります。
その状態で急に立ち上がると、今度は血圧が一気に下がるため、
そのまま意識がなくなり、命を失うといった事態が起こりかねません。
さらに日本人は、サルコペニアの人も含めて、処方されている降圧薬をきちんと飲む人がほとんどです。
そのため、ただでさえ血圧が下がる夏は、降圧薬が効きすぎて、
血圧がさらに下がりやすくなる恐れがあります。
糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある人、心臓や腎臓の異常を指摘されている人、
高齢者で筋肉量が落ちている人などは、しっかり水分補給したうえで、
横になっている姿勢から急に立ち上がることは、避けるよう意識しましょう。
※本稿は、『60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常』(講談社ビーシー)の一部を再編集したものです。
天野篤 ・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
・・急な血圧低下が転倒・ショック状態を招く・・》、
多岐に及ぶ具体的な症状を学び、79歳の私は学び、多々教示させられたりした・・。
もとより現役のサラリーマン時代は、時間との勝負で責務を果たしてきたが、
年金生活の今は、ゆっくりと時を過ごせることができるので、
今回、学んだ《・・「急に立ち上がる」と命にかかわるかも・・》教訓は、
今後は対処します、と心の中で呟(つぶや)いたりした・・。
そして