東京チャイニーズ「一凛」(イチリン)
オープンは2013年3月。シェフ、斎藤宏文氏は四川飯店グループで修業を積んだ方。
後に調べたところ、当店は東京に飲食業を展開する株式会社ウェイブズの直営店舗のようだ。
最寄り駅は東京メトロ有楽町線 新富町駅。築地警察署並びのビルの1階、路面店である。
ガラス越しには厨房が見えるので、当店でもダイナミックな調理工程を観ることができそうだ。
重い扉を開け入店すると広々としたオープンキッチンから「いらっしゃいませ」という男性の声がかかる。
彼が当店のシェフかな? 次いで、フロアを担当する女性が声をかけてくれた。
1人飯なので、カウンター席への案内になるかと期待していたのだが、サジェスチョンは
店内中ほどの2人掛けテーブル席。 この日の時間帯、店は2人で切り盛りしている。
静かにピアノのBGMが流れ、木の質感を生かした店内はすっきりとしてモダン。
カウンターの半分は紹興酒や中国茶の缶が占拠していて、使用できる状態ではないように
見えたが、これも昼の時間帯だからなのだろうか?
奥の右手には半個室のテーブル席もあり、HPによると席数は42席とのこと。
卓上には、小皿、紙ナプキンと使い捨ての紙おしぼりは箸と一緒に箸立てにまとめて。
この他、野菜のピクルスと青唐辛子を漬けたようなものが置かれている。
着座後には水とランチメニューが置かれた。さっそく目を通す。
外のスタンド看板にも記されていたが、当店のランチは1,500円で1週間ごとに変わる
麺飯(3種類)から1つを選んで注文するスタイルだ。
この週は、1.あっさり鶏そば、2.真ダコの焼きめし、3.よだれ鶏冷麺。
なお、すべてに週替わりの前菜と副菜、お菓子が付く。
別料金で飲み物が頼めるらしいのでスタッフさんに声をかけ、本日の中国茶を聞いた。
「ほうじ茶です」
結局、ランチにアイスジャスミン茶をつけてもらった。
正直なところ、接客は素っ気ない。
サーブ時に料理の説明はするが、一人でフロアを回るため忙しいのだろう。
口数も少なく、私は事前情報として卓に置かれているピクルスが自由に食べて良いものだ
と知っていたので小皿に取り箸をつけるのだが、これらについての説明はなし。
また、サービスやセットのドリンクならわかるが、別料金の発生するジャスミン茶まで
ストローを挿して最初に運んできた。出すタイミングについては、一言聞いて欲しかった。
前菜 ぴーたん豆腐
口に含むと滑らかな豆腐は、しっかりとした大豆の香りと味。
刻んだ皮蛋、ネギ、香菜、ガリが見事に調和を果たす。もちろん皮蛋に臭みは存在しない。
さっぱりいただけタレの味加減も良い。
しかし、残念なことにスプーンを提供されないため、美味い薬味を救出しきれず、
泣く泣く手放すことになる。
副菜 水餃子
料理は出来上がり次第の提供。ぱっと見は水餃子というより餅だ。
芝麻醤とニンニクが効いた濃厚タレをからめ皮を噛み切る。
――おおっ!
中から肉汁が勢いよく飛び出した。
手作り感たっぷりの水餃子はタレが甘めのこともあり、私には2個で十分満足した。
さて、スタッフさんが皿を下げに来たので、ついに私は聞いた。
「これは何でしょう?青唐辛子?」
「はい」
返答も淡白なものだった。ともかく、次はこれを使ってみたい。
よだれ鶏冷麺
鶏肉、ピーナッツと刻んだ香菜が散らされ、スパイスの効いたタレには胡麻も浮かぶ。
かき混ぜて口にした。きりっと氷水でしめた冷たい麺は細めで縮れている。
花椒もきっちり効いていて、次第に口の中がビリビリ痺れてくるけれど、冷麺用に
仕立てているため、タレの濃度は控えめであっさり。
さらに刺激が欲しくなった自分は、青唐辛子をのせてみた。
う~ん!カツンとくる辛さだ。これでラストスパートをかけ完食するぞ。
当店、自家製のピクルスもだが、漬物が美味いのが有難い。
お菓子
ひと口サイズの杏仁豆腐。スプーンを突っ込み、麺が食べ終わらないうちに店ペースで登場した。
味は期待値以上のものを提供してくれたけれど、昼のサービスは少し雑なように思う。
そのため印象がプラスに働かず残念だ。今回は運が悪かったとして、改善を期待したい。
当店の勝負はリニューアルして、おまかせコース(6,500円)1つだけとなった夜なのだろう。
この日の来店、実は夜の会食の予約を入れるために下見にきたのだけれど、
少し時間を置いてから再訪を検討しようと思う。
東京チャイニーズ 一凛(イチリン)
東京都中央区築地1-5-8 樋泉ビル 1F
TEL 03-3542-6663
営業時間/ 11:30~14:30(L.O.14:00)17:30~23:00(L.O.22:00)
定休日 日曜・祝日・第一月曜日
※ランチ満足度数は、見送り。