関帝廟通りの北京料理「蓬莱閣」(ホウライカク)
昭和34年(1959年)創業、横浜中華街でその歴史を刻む老舗店。
主力は北京及び山東地方の料理だが、創業から変わらぬ味を提供している“餃子”の味にも定評がある。
また、小説家・池波正太郎さんが通い食したという「酸辣湯麺」も当店の看板メニューの一つ。
本日は、その2つをいただいてみたい。
平日、まだランチのピークタイムには、早い時間帯に訪れた。
店内は奥行のある造りで、気負いのないテーブルや椅子から受ける印象からだろう、
親しみやすさがある。
フロアには年配の男性店員さんが一人。
どこでもかまわないというので、1階、入口近くのテーブル席を選んだ。
1階は、カウンター席なしでテーブル数は7卓、小ぢんまりとした感じだが、
ぐるなびによると2階には個室も完備、総席数は50席あるという。
卓上には、醤油、酢、辣油、爪楊枝、紙ナプキン。季節ものなのか、うちわ。
着座後には、メニューと水が置かれる。
お目当ては決まっているものの、やはり(メニューに)目を通す。
この間、男性店員さんは、各卓の調味料容器をふきんで拭き、紙ナプキンを補充している。
開店前に済ませておけ、という意見もあるかもしれないが、卓上が綺麗に整っているのも、
きちんと手を入れているからだ。
さて、ランチセットには、酸辣湯麺(サンラータン麺)が組み込まれていないため、
グランドメニューからお願いすることになるが、気になるのは「ランチプラス一品」。
店員さんに聞くと、セットでなくても注文が可能とのこと。
オーダーを通すと、小皿、ロゴ入り箸袋に入った割り箸が置かれる。
酸辣湯麺(サンラータン麺)@1,000
受け皿付きでのサーブ。ランチセット同様に、サラダが付く。
具材は、豆腐、タケノコ、干しシイタケ、溶きたまご。香菜を散らし、表面には黒胡椒が浮く。
しかし、香りが飛んでいるためスパイスのどぎつさは感じない。
箸で麺を掬い上げてみた。
麵は乾麺の一種、伊府麺(幅の広い平打ち麺)を使っている。
これは同じく中華街で、池波正太郎さんが愛した「徳記」さん以来だ。
先生好み、なのかもしれない。
当店ではしっかり煮込まれていて、やわやわ。
お好みで、自家製ラー油を足すのも良いらしいが、
そのものは酸味もマイルドで、黒胡椒のビジュアルに反して、物腰の優しい味である。
焼き餃子(2ヶ)@300
酸辣湯麺から遅れること少し、焼き上ったばかりの餃子が到着。
出会いがしらに郷愁を覚えた。その出で立ち、規律正しい焼き餃子と見た!
1個がパワフルボディ。サイドメニューとしては、1人2個で十分な様相。
歯を入れると、手作り皮は厚くてモチモチとした食べ応えのある食感。
かりっと香ばしく焼け、中には、ニラや白菜の入った肉餡が詰まっている。
昭和だ。自分が子供の頃に食べて美味しいと思った焼き餃子の味がする。
懐かしいなあ――。
味がしっかりしているので、そのまま食べてもOKだけれど、個人的には
チョンと酢醤油をつけ、昔を追想したくなる味だ。
目尻を下げつつ、完食。ご馳走さまでした。
餃子は他に、蒸、水、湯があり、2名様から注文できる餃子コースも興味深い。
蓬莱閣 (ホウライカク)
神奈川県横浜市中区山下町189
TEL 045-681-5514
営業時間/月~金 11:00~15:00 17:00~21:00
土・日・祝 11:00~21:00
定休日 水曜日 -店舗情報「食べログ」より-
※横浜中華街満足度数は、3.7~5.0