四川家常菜「巴蜀」(ハショク)
最寄り駅は都営新宿線岩本町駅。靖国通り沿いの路面店。
当店の前に立つのはこれで2回目。
残暑厳しいお盆明けの8月某火曜日に訪れたところ、店のガラスには貼り紙がでていて、
都合により8月火曜・木曜はランチを休むという。
なんで?夏は厨房も暑いから??
やだ、お先真っ暗。この後の予定が総崩れ(涙)。クラクラして軽く脱水気味。
でも食べるまでは絶対に諦めない!リベンジを果たすべく、確実な翌水曜日にやってきた。
遠目から店のスタンド看板を確認したときには、長らく砂漠でさまよった旅人が
オアシスを見つけたように嬉しくて小走りになった。
ランチダッシュをしてきたのに強者はいるものだ。
先客でテーブル席には付近のサラリーマン風のおじさまが3人、注文はもう済ませたのだろう。談笑中。
まあ、ご近所パワーにはかなわないな。
天井が高く、明るくカジュアルな店内だが、フロアに店員さんがいないため奥に向かって声をかけた。
すると軽装のお姉さんが気が付いてくれ、私は通りを眺められるカウンター席に着いた。
この席、夏の陽射しが入り込み暑いくらいだ。
当店これと言ってメニューは出てこない。
表の看板にも出ていたが、店内のボードにも記されており、ランチは2種類。
注文は麻婆豆腐定食だ。昨日から頭は麻婆なんだ。
「ご飯はどうします?」
オーダーを取りに来てくれた彼女の話だと、白飯又は炒飯が選べるという。
白飯オンザ麻婆が念頭にある自分は、即座に白飯チョイス。
かなりがっついていたので☆印を見落としていたが、割増料金(各150円)で
ミニマーボーとミニ蒸し鶏もつけられたのだ。失態。
卓上には使い捨て紙おしぼりと爪楊枝。陽にさらされ、こいつも軽く脱水気味。
1杯目は氷を入れ茶をコップ出ししてくれたが、お替わりはウォーターピッチャーよりセルフ。
おそらく、他のテーブルの注文とまとめて作っているのだろう。
注文を通してから15~20分ぐらいは待ったと思う。
その間にお客様はどんどん入ってきて満席となった。
麻婆豆腐定食@850
角盆に同席する定食メンバーは、麻婆豆腐、白飯、溶きたまごスープ、もやしの和え物、カットオレンジ。
レンゲと箸を従えている。
当店、激辛をお願いすると950円になるのだが、まずはランチのスタンダードな辛さを
知りたいため、リクエストはしていない。
昨日から恋焦がれた“麻婆豆腐”との対面に合掌。いただきます。
レンゲで掬い口に運ぶ。挽肉はカリカリタイプではなく、豆腐は舌触り滑らかで従順だ。
表面には刻みネギ、花椒がふられているが、風味は飛んでしまっている。
当店、四川スパイス使いには定評があるようで、味わうと確かに辛さの中に旨味が共存し、
やみくもに辛いだけではない。じんわり、じっくり効いてくる気持ちの良い辛さだ。
塩味で整えた溶きたまごスープと、もやしの和え物を間に挟みながら、白飯オンザ麻婆を楽しむ。
この白飯のおかわりも、自由である。
隣の席の男性は私より後に来店し、その注文も聞こえていたが、激辛はオーダーしていない。
しかし、ウォーターピッチャーを求め、何度も席を立ち、お茶のお替わりをガブガブだ。
――お兄さん、辛さに弱いねえ。
などと、横目に見ていたら、私も小鼻あたりから、じわっと汗が噴き出ていた。
最後にオレンジをかじり、お茶を一気飲み。うん、満足。
当店、四川省の特徴ある料理が並ぶ夜も期待できそうだ。
角盆の脇に置かれた伝票を持ち、レジで会計を済ませ、外に出ると、
夏は最後の本気を見せるように、眩しいばかりの強い陽射しを注いでいた。
巴蜀 (ハショク)
東京都千代田区岩本町3-8-15 東京ファスナービル 1F
TEL 03-3863-0199
営業時間/ 11:30~14:00 18:00~22:30
定休日 土曜・日曜・祝祭日 -店舗情報「食べログ」より-
※ランチ満足度数は、3.8~5.0