朝起きて、「コー!コー!」という鳴き声に空を見上げると、10羽ほどの白鳥の一群が見事な逆V字を描いて空を飛んでおりました。最も風の抵抗を受ける先頭は、お父さん鳥か…いやいや、白鳥の世界もお母さんが主導権を握っているに違いないなどと、我が家の力関係と白鳥の家族の力関係を同列に置き換えながら、空を眺める『夢屋国王』であります。白鳥たちが北の空に帰る「北帰行」の話題もちらほら聞かれますが、我が在所に飛来した白鳥たちは、雪融けの田んぼで餌を啄ばみながら、もうしばらく留まるようであります。
ハクセキレイやカワラヒワは留鳥と言われていますが、冬場はほとんど見かけることがありません。ようやく彼らも庭先の枝で見かけるようになりました。長く雪に閉ざされた地面が現れ、水仙の葉もようやく緑色に変わり始めました。春であります。東北地方にもようやく春が訪れようとしております。
春の陽気に誘われて浮かれ出すのは『夢屋国王』だけではなく、昆虫ならばユスリカが動き出し、壁面の陽だまりにはコモリグモが日向ぼっこに動き出す。そんな虫たちにせかされるように『夢屋国王』は、畑のあちらこちらをスコップ片手に掘り出すのであります。決して気がふれた訳ではありません。クキタチ菜(菜の花)やコゴミが植えてある場所に見当をつけて、その場所の雪を少しでも早く消そうと掘るのであります。スーパーに行けば、関東産のホウレンソウや菜の花が売りに出されておりますが、4ヶ月以上雪に閉ざされた生活をしていると、やはり地物の青い野菜が食べたくなる。お日様の力の方が断然勝っていることなど承知の上で、ただひたすら掘るのであります^^;
「もうすぐ春ですねぇ~♪」…古いキャンディーズの歌を口ずさみながら、雪を掘り返す『夢屋国王』の頭は、いつでも春ですけどねぇ…って、余計なお世話です^^;