梃子(てこ)とは、支点を使って小さな力で大きな力を生み出す仕組みでありますが、手子(てこ)ならお手伝いをしてくれる人であります。我が在所では「雪囲いの手子(テゴ)してけろ(してください。)」のような使い方をしますが、こちらから申し出る場合は、「手子子(テコゴ)すっか?」などと手子に子をさらに重ねたと思われる使い方をする場合もあります^^;
天気予報は雨…しかし、曇り空ですから、これは儲けものであります。日曜日は低気圧の影響で大荒れの模様であるから、「雪囲い」の作業は今日中に大方を終わらせてしまいたいところであります。先々週、モチ米の収穫祭を催した時に、友人である『貧乏父さん(H.N.)』の軒先に干してあるハクサイを見たら、正直なところ余りにも貧弱なハクサイだったので、『夢屋農園』産のハクサイを進呈する約束をしておりました。ブログのコメントに「本日、9時に受け取りに来る。」とのメッセージがあったので彼の到着を待っていたら、彼は悪びれた様子も無く、革靴・スーツ姿で現れたのであります。
「君ねぇ…夢屋農園に来るときは、長靴持参だよ^^;」と、ひと言だけ毒を吐いて、10株ほど畑から収穫し渡す。彼は決して計算高い男では無いから、手を汚さずにハクサイを手に入れようとした訳ではないのでありまして、土曜日の営業活動の途中で『夢屋農園』に回ったに違いないのであります。「だいぶ雪囲いが進んだねぇ。」とか「庭が綺麗になったねぇ。」などと、営業活動で身に付け始めた『褒め言葉』が嫌味では無い程度に出て来るようになったようであります。
「雪囲いの骨組みはどのように仕立てるのか。」「雪囲い用の男結びはどうするのか。」「お手伝いが必要なんじゃないか。」…彼の矢継ぎ早の質問が続いた後で、「親しい間柄でも手子(テゴ)は頼まない。余程手馴れた相手でないと、最後は喧嘩になってしまうから。」と、それだけは即座に否定する『夢屋国王』であります。工業製品のように規格が定まっており、決められたパーツを添えていけば良い流れ作業と違って、「雪囲い」作業は生きた庭木を相手に行う作業でありますから、枝ぶりや骨組みの長さ、幅が毎年微妙に違ってくるのでありまして、あてがう板の長さや枚数が微妙に違うのであります。(とは言え、使う材料は同じでありますが…)したがって、ここにこの長さの材料が欲しいという主作業者と手子の気持ちが合わないと、「もう少し長いヤツ!もうちょっと短いヤツ!!…薄勘悪いなぁお前…!!!ブチッ!(切れる音)」といった具合に喧嘩の材料にしかならないのであります。
だから、賢明な『夢屋国王』は、例えオッカーが暇してコタツでくつろいでいたとしても、昼寝をしていたとしても、決してお手伝いを頼んだりはしないのであります。ましてや、そのことを怒ったり、怨んだりしない。彼女がどんなに気を利かせたとしても、最後は喧嘩になると結論が分っているから…^^; 寒かったでしょうと夕方風呂を沸かしてくれて、熱燗の一本もつけてくれれば(これは絶対無い)充分満足しなければならないのであります。
今朝は、予報通り大荒れ模様…昨日の内に何とか庭木の「雪囲い」はその大方を終えることが出来ましたよ。来週は「勤労感謝の日」であります。山形青菜やダイコンを漬け込んだり、『夢屋農園』の残渣を片付けなければなりません。まだまだ、冬を迎える準備は続くのであります。今年の漬物はオッカーにやらせてみるか…^^;