月曜日から将棋の名人戦・第六局が行われていたのをうっかり忘れていた。
新聞のテレビ番組欄に目が行ったのは2日目・火曜日の昼時、あちゃ~と思ったのも後の祭り、しかし、最も面白いのは2日目の夕方4時から6時までの放送時間帯だ。それが見れるのだからむしろ幸運である。陽転思考、陽転思考っと。
この日の大盤解説はタイトルを失って間もない佐藤九段、勝負の行方もさることながら、解説者と聞き手のやり取りはもう一つのお楽しみである。
先のNHK杯トーナメント、北浜七段対中川七段戦の解説は三浦八段だった。
三浦八段は、奇をてらうとか、意識して面白いことを言うとかをしない人だ。声も小さく、ボソボソと話す。
ところが、その日の解説は面白かった。三浦八段の人柄が実によく現れていると感じた。
テレビの画面は、よくその人柄を映し出す。
佐藤九段も、自ら面白いことを言うような人ではないというのは分かるが、よく分からない。考えてみれば、羽生名人・森内九段・郷田九段・丸山九段の「羽生世代」は、似てないようで似てる気がする。藤井九段だけ、ちょっと異なる。まぁ、例外のないルールはない。
さて、名人戦・第六局の勝負の行くへだが、夕方のBS放送終了後の午後9時過ぎ頃に決着がついたようだった。
その模様は、深夜0時40分からダイジェストで放送される。ここまで目を覚ましておくのが難しいのだが、この夜は頑張った。
結局、第六局を制したのは羽生名人だった。
これで3勝3敗の五分、最終局で雌雄を決するという将棋ファンにとっては願ってもない展開となった。
ところで、勝負をつける一手を指す瞬間、羽生名人の手がやはり震えていた。
さらに、挑戦者の郷田九段が「負けました」と投了を告げた直後、羽生名人は一礼し、やおら脇においてあったペットボトルに手を伸ばし、ペットボトル中のおそらくは水をグラスに注ぎ、視線は盤上に落としたまま、そのグラスの水を口に運んだのだが、そのグラスを持つ手もブルブルと震えていた。
それが、タイトル戦登場96回、獲得タイトル72期という偉大な棋士なだけに、勝負というものの厳しさをいっそう強く思い知らされる。
しかし同時に、いつまでも色あせないそのナイーブな感性が彼をこれほどまで勝ち続けさせていると言えるのかもしれない。
新聞のテレビ番組欄に目が行ったのは2日目・火曜日の昼時、あちゃ~と思ったのも後の祭り、しかし、最も面白いのは2日目の夕方4時から6時までの放送時間帯だ。それが見れるのだからむしろ幸運である。陽転思考、陽転思考っと。
この日の大盤解説はタイトルを失って間もない佐藤九段、勝負の行方もさることながら、解説者と聞き手のやり取りはもう一つのお楽しみである。
先のNHK杯トーナメント、北浜七段対中川七段戦の解説は三浦八段だった。
三浦八段は、奇をてらうとか、意識して面白いことを言うとかをしない人だ。声も小さく、ボソボソと話す。
ところが、その日の解説は面白かった。三浦八段の人柄が実によく現れていると感じた。
テレビの画面は、よくその人柄を映し出す。
佐藤九段も、自ら面白いことを言うような人ではないというのは分かるが、よく分からない。考えてみれば、羽生名人・森内九段・郷田九段・丸山九段の「羽生世代」は、似てないようで似てる気がする。藤井九段だけ、ちょっと異なる。まぁ、例外のないルールはない。
さて、名人戦・第六局の勝負の行くへだが、夕方のBS放送終了後の午後9時過ぎ頃に決着がついたようだった。
その模様は、深夜0時40分からダイジェストで放送される。ここまで目を覚ましておくのが難しいのだが、この夜は頑張った。
結局、第六局を制したのは羽生名人だった。
これで3勝3敗の五分、最終局で雌雄を決するという将棋ファンにとっては願ってもない展開となった。
ところで、勝負をつける一手を指す瞬間、羽生名人の手がやはり震えていた。
さらに、挑戦者の郷田九段が「負けました」と投了を告げた直後、羽生名人は一礼し、やおら脇においてあったペットボトルに手を伸ばし、ペットボトル中のおそらくは水をグラスに注ぎ、視線は盤上に落としたまま、そのグラスの水を口に運んだのだが、そのグラスを持つ手もブルブルと震えていた。
それが、タイトル戦登場96回、獲得タイトル72期という偉大な棋士なだけに、勝負というものの厳しさをいっそう強く思い知らされる。
しかし同時に、いつまでも色あせないそのナイーブな感性が彼をこれほどまで勝ち続けさせていると言えるのかもしれない。