陽ざしが肌に突き刺さります。どこにいても今日は暑いです。
縁側でおじいさんとおばあさんが夕涼みをしながら、熱い、甘いおぜんざいを食べています。「なぁ、この暑い時には冷やしぜんざいの方がおいしいだろう」とおじさん。「いいえ、冷やしぜんざいだとお餅でなくて白玉の方が合うでしょう。あなたはお持ちの方が好きじゃないですか」とおばあさん。
いえいえ、熱く甘い夜は短いはもう少し色気のあるお話です。熱くてあま~い夜は、後で思うと短くてもいいと思うような激しい想いかもしれませんね。そういうこひも一つぐらいはあるといいかもしれません。あまくてもつらいかもしれませんが。ただ奪い合うようなこひですから。だから、激しい割には心には残らないのでが、体のどこかでくすぶる小さな小さな火種かもしれません。
いつまでも余韻を残して心にある夜はただ月を見ているだけかもしれませんね。だから、短い夜ではないのでしょう。熱く甘い夜は、そんなに長くは続きません。「短くも激しく燃え」なのかもしれません。
肌を焼き尽くすような陽ざしの中を歩きながら、ふとそんなことを思いました。月夜に二つの影が寄り添いながら歩くような静かな想いがいいなぁと思うのです。