のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ズッコケ三人組の卒業式 /那須正幹

2007年09月07日 23時53分39秒 | 読書歴
■ズッコケ三人組の卒業式 /那須正幹
■ストーリ
 ついに、ズッコケ三人組は、稲穂県ミドリ市立花山第2小学校を卒業。
 思い出のタイムカプセルに自分たちのものをうめようとした三人組は。
 「ズッコケ三人組」シリーズ、ここに完結。

■感想 ☆☆☆☆
 ズッコケ三人組を久々に読み返そうと思い立ちましたが
 全50巻もあるので、すべてを読んでいるわけでもなく
 どうせなら、読んだことのない最終巻を読もう!と手を伸ばしました。
 運命的にも「ズッコケ三人組の未来報告」とリンクした内容で
 話が通じる部分がたくさん。こういうふうに「以前読んだ作品との
 つながり」がわかるのって純粋に嬉しくて好きです。

 いよいよ三人組ともお別れ。
 けれども、いつもの三人組らしく、最後の最後までどたばた
 走り回って、冒険を繰り広げ、湿っぽさとは無縁です。
 小学校が終わって、さあ次は中学校だ!というような
 未来へつながる終わり方です。
 卒業はお別れではなく、次の始まりだものね。
 
 と、思っていたら、意外にもシリーズラストのラスト
 4ページでしみじみとさせられます。
 胸をぎゅっと掴まれます。
 ああ、こんな切ない別れ方で三人組とお別れするなんて。
 大人と子供の暖かい信頼関係、先生と生徒の間に本来あるべきものが
 しっとりと描かれています。

 卒業式ではクラスメイト全員の名前が省略されることなく
 呼ばれました。その手抜きのなさ、ひとりひとりに傾けられている
 作者の愛情が大好きです。

 この作品の作者から読者へのメッセージは以下の通りです。
 胸にしみます。

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  ものごとには、はじめがあり、そしておしまいがある。
  永遠につづくと思っている、きみの子ども時代も、
  やがては卒業式をむかえるのだよ。
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ズッコケ三人組の未来報告/那須正幹

2007年09月07日 23時39分55秒 | 読書歴
■ズッコケ三人組の未来報告/那須正幹
■ストーリ
 ある朝、ハチベエが奥さんとこどもの声で目を覚ますと、
 そばには安藤圭子が。そう今は二十年後の世界。
 おとなになった三人組は、クラスのタイムカプセル紛失事件の
 解決に向けて乗り出す!

■感想 ☆☆☆*
 久々に読み返したズッコケ三人組シリーズです。
 軽くさくさく楽しく読めるこのシリーズ。
 今、読んでも、変わらず面白いってすごいことだと思うのです。
 むしろ、大人になってからのほうが楽しめるのかも。

 今回読みなおしてしみじみと感心したのは
 那須先生が登場人物ひとりひとりを大切にしているところ。
 確かに「ズッコケ三人組」シリーズですが
 三人組以外のクラスメイトひとりひとりまで丁寧に描いています。
 おざなりな扱いを受けている登場人物がひとりたりとも存在しません。

 扉をめくってすぐ、表表紙の裏に掲載されている
 「作者からのメッセージ」には、こんなふうに書かれていました。

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 この物語には、子どもがほとんど登場しません。
 この物語は、おとなのお話です。ただし子どもが読んでも、
 けっこうおもしろい。なぜならおとなだって、むかしはみんな
 子どもだったんだから。
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