太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

キュウリのアク

2012-03-13 10:25:28 | 日記
子供の頃、母がキュウリを料理に使うときに、

ヘタから1センチぐらいのところをスパンと切り、その切り口同士をこすり合わせた。

そうすると、白いカスのようなものがずりずりと出てきて、

「これがキュウリのアクである」と母は言うのだった。



私はそれを信じて、以来ずっと、キュウリのヘタをこすり合わせてアクを取っていたのだが、

かつて、そのやり方に賛同を得た試しがない。



キュウリにアクがあるのか?という疑問を投げかける人もいたし、

それがアクなら、ヘタ近くだけじゃなくてキュウリ全体にアクがあるのではないか?と言う人もいた。

そしてそのどちらにも私は答えられない。


よかれと思ってやっていたことが、後に、間違っていたことが立証される例はあって、

たとえばゴボウのアク抜きも、本当はしなくてもいいのだということに最近はなっていると聞いた。

ゴボウのアク抜きは、たぶん多くの人がやっていたであろうから、賛同者ゼロのキュウリと並べるのは無理があるだろうが、

今の私には、キュウリのアクがどうであろうがたいしたことではない。

ただ、

「そうそう、私もキュウリのヘタをこすり合わせてるよー!」

という同志が欲しい、それだけである。



久々、日本のキュウリが手に入って、そんなことを思い出した。






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美しさの基準

2012-03-13 09:18:31 | 日記
テレビで見たい特別番組があって、番組のあと、そのままテレビをつけておいたらテレビショッピングが始まった。


国が違えば、価値観だって違うに決まってる。

たった10ヶ月ハワイにいるだけだって、それは嫌というほど身にしみる。

それでも私は、テレビショッピングを見て、改めてそれを認識したのである。



『タン タオル』なる商品を紹介していて、それは濡れティッシュのようなものが、1枚ずつ個別包装されている。

それで毎日、顔から足まで拭く。

そうするとたった数日で 見事な日焼け肌になる 。

紹介している女性ナンシーは、もう5年も毎日これを使っているという。

「見て、私のこのすべすべお肌。これさえあれば、小麦肌とすべすべ肌がいっぺんで手に入るのよ」

すると、ツッコミ・ボケ役兼ねた相方(?)メリサが、

「ンもう、羨ましい!私、こんな白い肌じゃ恥ずかしくて外に出られない・・・」


片足だけタン タオルを塗ったモデルが登場し、その違いをアピール。

「ほらみて!最高に自然、最高にきれい!もう色オチや、服についちゃうファンデなんか捨ててOK!」

ナンシーとメリサがおおげさに騒ぎ立てる間に、一気に商品は売り切れた。

ハワイの化粧品売り場に、シワや毛穴対策商品はあっても、美白商品はかつて見たことがないのも、こういうことか。



日本じゃ、美白美白と呪文のように、いかにして肌を白くするかに躍起になっているじゃないか。

『色白は七難隠す』なんて言う言葉があるぐらいだから、昔から肌は白いほうが美しいとされていたんだろう。






次に出てきたのが、女性っぽい仕草のトニー。スプレーを片手に

「さあ、これさえあれば、貧相な髪とはおさらばよッ!」


トニーは、モデルの髪の毛を、スプレーを根元にかけながら指で逆立て、見事な爆発ヘアにしてゆく。

髪のボリュームは顔幅の2倍、頭のてっぺんも膨れ上がっている。

ナンシーは「ゴージャス!ゴージャス!」と大騒ぎし、それもまたたくまに売り切れてしまった。



でもどのモデルも、大変よく似合っていることに感心する。

きっとこれが日本人だったら、駄目なんだろうと思う。これが似合うのは、基本的に頭が非常に小さいのと、彫りの深い顔立ちがあってこそ。


それに白人の髪は1本1本がとても細くて、かなりの長さの髪でも、簡単にちっちゃくまとめることができる。

だけど、ぺたっと頭に張り付いたようになりやすいから、なんとかボリュームがほしいと思うのかもしれない。


日本人の髪はしっかりしていて、しかも私は量が多いから、ポニーテールにすると、ポニーじゃなくて馬の尻尾かと思うほどだし、

まとめようとしても、コシがありすぎてまとまらない。

これでも定期的に美容院で梳いてもらっていて、こうなのだ。


そういえば、私は日本人の美容師さんに髪をお任せしているのだけれど、地元の人がやっている美容院だと

「内側を梳く」という技術が期待できないと聞いたことがある。

梳いてほしいと頼んだら、外側から梳いてしまって、乾かしてゆくにつれてブワーっと広がってしまう、なんてことが起こるらしい。







美しさの基準って、住む文化が変われば180度変わってしまうものなんだ。

長い首が美しいとか、太っているのが美人とか、テレビの向こうの話としては知っていたけれど、

実際にこうしてその中に入ってみると、また違う感慨がある。








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