太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

子供ごころ

2013-11-18 19:29:53 | 日記
週に2日、7歳の子供に日本語を教えているのだが、

なぜだかここ1ヶ月ほど、クラスのあとに、絵を描かされている。


最初に描いたのは、たしか遊び友達の絵だった。

「ディーンを描いて」

「誰それ?」

「友達」

「どんな髪型でどんな服なの」

正面を向いた友達数人の絵を描いた。


だんだんと注文が細かくなってゆく。

「海でエゼキエルと私とディーンがサーフィンしてるところ」

「それから、カウカが砂浜にいて、こんな格好しているの」

「エゼキエルはその髪型じゃないよ」

またはバスケットボールをしているところだったりする。

シュートしているところをうまく描けない、といえば、実際にシュートしている格好をしてみせてくれる。




生徒の母親が、外に停めた車の中で待っている。

あまり待たせたくないので、5分ぐらいでササっと描いてしまいたいのだけれど

注文が細かい上に、あれもこれも描いているうちに20分ぐらいは過ぎてしまう。

今日はお絵かきはないよ、と言っても

「お願い、1個だけ。すごく簡単なのでいいから1個だけ、おねがーーい!」

と言われると、「じゃあ1個だけだよ」となる。


その1個だけの注文が、

「ゴーストライダー描いて」

だから困る。名前は知っているけど、見たことがない。

「顔が骸骨で、皮ジャン着てて、ブーツはいてバイクにまたがってて、頭が燃えてんの」


なんじゃそりゃあ???


言われたものを描いて、はい終わり、となったら

「変身する前のゴーストライダーも描いて、簡単でいいから」

ゴーストライダーって変身するのかい。



あるときは、

「女の子で、ワンピース着ていて、ブーツはいてるの。髪の毛が肩ぐらいで」

「ふんふん、こんなかんじ?」

「そう、それで牙を描いて」

「牙?」

「だってドラキュラだもん」

「はぁ?」


そして他の紙に、ドラキュラをやっつける正義の味方を描く。


それも遊び友達が正義の味方になったり、お姫さまだったり、プリキュア風みたいなだったり。

遊び友達の男の子ふたりは、上半身を裸にし、筋肉隆々にしろという。

「でね、アンダーパンツなの」

「下着でいいの?」

「トランクスじゃないよ、パンツだよ」

パンツをはいた、筋肉隆々の8歳の正義の味方ってなんだよ・・・・?



フルタイムで仕事をしながら、週2回日本語を教えるのは、重荷に思うことがある。


それでも生徒はかわいいし、

こうして外国で出会った縁を大切にしたい気持ちもある。

ハワイに来る前に、私はハワイで子供とかかわってゆくと言われたことがあった。

やめたくてもやめられずにいるのは、私がまだこの子供とかかわるべきいろんな理由があるのだろう。





子供の考えていることは大人の考えの範疇を超えていて、驚かされる。

どこまで自由なんだ、どうしてそういう発想が出てくるわけ?と驚嘆するいっぽうで、

7歳というのは大人の気持ちを察することもできるようにもなっていて、

そういう一面をみると、切なくいじらしくなったりもする。



授業のあと

「お絵かきの時間~~!」

と手を叩いて喜ぶ子供の顔が見たくて、

「えー、簡単なの1個だけだよー」とふてくされてみせつつ、

今週もまた私はあれやこれやの訳のわからん絵を描くのだろう。







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