太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

前世のはなし 1

2015-08-17 20:04:46 | 不思議なはなし
人は、思い出す必要がある前世は思い出すようにできているらしい。

私は何回生きてきたのかわからないが、

折に触れ、いくつかの前世を思い出した。



その中で、もっとも心に残った人生が二つある。


今の夫と結婚したあと、私は3回妊娠したものの誰も生まれてこなかったのだけれど、

これは1番最初に流産をしたあとのことである。


私たちは子供が女の子だと信じていて、名前までつけていた。

夢の中で、4歳ぐらいの女の子が目の前にいる。

私には、その子が流産した子供だということがわかっている。

「今までどこにいたの。あなたはもうどこかに行ってしまったかと思ったよ」

私がそう言葉をかけると、その子は言った。

「女の人が私と一緒にいてくれたの」

「そうだったんだ。あなた名前は?」

名前を決めてあったのに、なぜか私はその子の名前を聞いた。


「マーサ」


その瞬間、夢の中の私にはすべてが一瞬でわかった。

その昔、私はどこかの国の、ある部族の酋長の妻だった人生があった。

私たち夫婦は子供に恵まれず、しかし跡継ぎが必要だったから、

私は私が1番目をかけている下女に、夫の子供を生ませた。

生まれたのは女の子で、私はその子供を自分の子供として育てた。

その子供が「マーサ」だった。

マーサが、今度は本当の私の子供としてやってきたのだった。

私はその人生において、「人からエライ人だと思われたい」一心で、自分を偽っていた。

私が望むことよりも、私に望まれることのほうを大事にしたし、

私がこうしたいと思うことよりも、こうすべきであることのほうを優先していた。



だから、今世では、それと同じことをしないように、

マーサは私のところにやってきて、そのことを思い出させて、

それで役目を終えて去ったのかもしれなかった。






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