太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

前進

2015-08-25 21:39:58 | 日記
私の作品を見た仲間が、ギャラリーに出して売るべきだと強く勧める。

「誰もができることじゃない。家に飾っておくだけじゃもったいないし

売りたくても、技術が追いつかない人はたくさんいるのよ」

言ってくれる気持ちはとてもありがたいけれど、

私はあいまいな返事をする。


ウェブサイトで売ればいい、という人もいる。


クラフトショー(手作りの作品を売るイベント。ハワイではとてもポピュラー)や、

動物園の柵で売るのもいい(ホノルル動物園の外側のフェンスで、毎日曜にアーティストが絵を売る)

と言う人もいる。


私はどうしたいのだろう。

どの声も、私の中にある声だろう。

多くの人に私の作品を見て欲しいと思う。

しかしその一方で、今の場所から動きたくない私もいる。

絵を仕事にしてこなかったのは、プロとしての責任から逃れたかったからで

いったん売るとなったら、私は創りたいものではなく、いい作品を創ろうとするだろう。

評価を気にして、私の創りたいものより、私に求められるものを目指すようになるかもしれない。

あるいは、それらは取り越し苦労かもしれない。

でも私はいろんな言い訳をくっつけて、「めんどくさいこと」から逃げようとしている。


ギャラリーのオーナーに作品を売り込むとか、ウェブサイトを開設するとか

クラフトショーで丸一日テントに張り付いているだとか、

そうまでして外に出したいという情熱がない。

でも、作品を見る人達から、なぜ売らないのかと言われるたびに

罪悪感に似た痛みが胸に走る。

できるのに、前進しないことが、悪いことのように思える。



「大変なことはもう、いいじゃん」

愚痴をこぼしたら、友人がそう言った。

張り詰めたガスがシュウッと抜けた。


3回目の流産のあと、私はもう妊娠はこりごりだった。

でも、敏感な人が、私の子供に生まれたい存在がここにいて、

今度は元気に生まれてくるから、と言っている、と言う。

本当に私を待っている存在がいるとしたら、心が揺れる。

しかし、母になるという気持ちが、擦り切れたとでも言おうか。

「もう、産まなくていいよ」

そう言ってくれた友達がいた。

その時も、シュウッとガスが抜けた。



やらなくてはならないことなど何もない。

前進しなくてもいい。

切磋琢磨しなくていい。

買ってまで苦労しなくていい。

魂なんか磨かなくていい。誰の魂もほんとはピッカピカなんだから。

楽しければ、いい。



10年前の私に、こんなふうに考えている私を見せてあげたい。



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青い鳥

2015-08-25 07:26:51 | 絵とか、いろいろ





月と海の作品と前後してできた、青い鳥。

2枚のキャンバスで1つの作品。



いつものことだけれど、下書きと構想段階とはだいぶ離れたものができた。

構想は暗いジャングル。

でもどうしても暗くならない。

なにかが足りないような気がしていたとき、

これも「生き物をおいてみたら?」という仲間のアドバイスで、

青い鳥をいれてみた。





画面が、パッと変わった。


勢いに乗って、トンボも置いた。





さらに楽しくなって、鳥を1羽増やしてみた。







構想とは違ったものができあがってゆく、それもまた楽し。





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