太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

アイロン

2015-09-10 22:01:04 | 日記
家事の中で、アイロンがけが1番好きだ。

好きといっても、料理と掃除とアイロンとどれが好き?と聞かれたら、

アイロン、と答える程度に。


最初の結婚相手は、毎日ネクタイを締めていく仕事についていたから

1週間に5枚、ワイシャツにアイロンがけをした。

私はフルタイムで働いていて、帰宅するのは7時で、しかも週休2日ではなかった。

相手は高給取りだったのだし、ワイシャツなどクリーニングに出せばよかったのに、

私の「お金がなくなっちゃう症候群」が、それを許さなかった。

当時、我が家には床に座ってアイロンがけする用のアイロン台しかなく

しびれる足を組み替えながら、ひたすらワイシャツにアイロンをかけた。


布の上をアイロンがすべると、布がいきいきとしてゆく。

襟と袖口の部分は、最初に裏側からアイロンをあててからのほうが、余計な皺が寄りにくい。

袖の折山は、まず脇下の縫い合わせ部分をきっちりと合わせてから。

背中側の肩から肩甲骨にかけての部分は、背中部分とは別にアイロンをかけるときれいに仕上がる。

アイロンがけの間は、頭はブランクで、それは瞑想にも似ている。



今、夫はネクタイは締めないけれど、毎日シャツを着てゆくので

やはり1週間に5枚、アイロンがけをする。

ほとんど半そでだし、アロハシャツは皺が目立たないから

アイロンがけのスキルはそれほど必要ではない。

アメリカの一般的なアイロン台は、立ったままできるような足長のもので、これがとても楽なのだ。



ハワイに来て、最初に夫が就いた仕事はとてもストレスが多くて

不機嫌だったり、元気がなかったりする夫を見るのは辛かった。

せっかく見つけた仕事なのだし、私も働いていなかったし、なんとか我慢して

続けてほしいと強く思っていた私は、

アイロンがけをするときに、夫のシャツにいつも頼んでいた。

「楽しく仕事ができるように、絶対に守ってよ。一番近くにいるんだから」


今思うと、その当時着ていたシャツは傷みが早くて、

すぐにどこかがほつれたり、コシがなくなったりして着られなくなった。

私の無理なお願いが、よほど重荷だったんだろうか。


シャツにお願いしなくてもよくなったことを感謝しつつ(シャツのほうもホッとしていることだろうが)

今日も音楽を聞きながらアイロンをかける。






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