太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

開放感

2017-03-04 21:17:50 | 日記
その昔、東京で姉と住んでいた部屋は三田にある古いビルで、

住まっている人もいたが、オフィスとして使っている部屋のほうが多かった。

そこのトイレはお風呂とひとつの場所にあった。

浴槽とトイレと洗面台が隣り合っていて、

便器を真横に眺めながらお風呂に浸かるのも、

申し訳程度の窓が(それも傾くだけで全開しないやつ)あるだけだから

いつも湿って、独特のにおいがこもっているのも好きじゃなかった。



だからその後、アパートを探すときには、トイレとお風呂が別であることが重要視された。

こじんまりとした小部屋で用をたすヨロコビ。



ところが、日本を離れてみたら、トイレだけが独立した小部屋になっている家を見たことがない。

トイレのことをバスルームと呼ぶのは、バス(お風呂)と一緒にトイレがあるからだろう。

浴槽の中ですべてを終わらせてしまうアメリカ式と、

浴槽は浸かるだけ、ジャージャーとお湯を流して体を洗いたい日本式という違いはあるにしても

東京のビルのお風呂のようにしんなりとしていなくて、どこかセイセイとしている。

本土にある知人の家は、浴槽から出ると、もうそこがカーペット敷きになっていた。

湿気の多い日本じゃ考えられない。





2年前に建てた我が家も、

日本式の浴槽(ちっさーいやつ)を置いた、大きめのシャワールームに透明ガラス引き戸があるが、

洗面台とトイレが丸見えだ。

さらにそのバスルーム全体の引き戸があるのだけれど、これは1度も使ったことがなく、壁の中に入ったままだ。

つまり、シャワーを使うときも、用をたすときも完全開放。

どうせ家の中にいるのは夫と猫だけ。



公共の場にあるトイレのドアが小さいのは、防犯以外に、実はこういう生活習慣も原因なんじゃないか、と思う。

というのも、年に1度日本に行くときにトイレに入ると息が詰まりそうになる。

実家のトイレはむろん、デパートなどのトイレは、ドアがきっちりと床まであって

閉じ込められた感じがして落ち着かない。

ハワイの公共のトイレのドアは下半分が50センチ以上あいていて、ホッとする。

日本からくるお客様は、個室の中の足が見えるのが嫌だと言うけれど

普段から開放的なトイレに慣れているコッチの人は、オナラはぶーぶー、出る音にはまったく無頓着。

足が見えたぐらい何なのさ、というかんじである。

用をたすときの音を消すための装置が、日本以外で売られない理由はコレであろう。





こじんまりとしたトイレで用をたすヨロコビは、

あっというまに開放体験によって消え去った。

中国には、ドアがないトイレがあると聞いたことがある。

昔は、そんなところには行けないと思っていたけれど、今なら行けそうな気がしている。






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