太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

鬼門

2017-03-22 07:33:59 | 日記
コンクリート柱にぶつけて壊れた車はまだ修理中なので、

ドイツに行っている、夫の叔母の車を借りている。

その叔母の車で、ホノルルに出かけた。

最新作のコラージュ作品を、マットに入れて売れる状態にするためには、

オリジナルのキャンバスをプロ仕様の写真に落とし、それを別の店でプロ仕様のコピーで焼かねばならず

しかもどちらも即日にはできず、平日しかあいていない。

だから平日の休みの多くは結局ホノルルまで行くことになる。



写真を受け取り、コピー屋に行った。

コピー屋はハンバーガーショップと同じビルにあって、そのビルの平面駐車場に車をとめた。

コピーのあと、ハンバーガーショップで飲み物を買い、

道を渡ったところにある日本食スーパーに寄って、15分後、駐車場に戻ると



車が消えていた。



日本食スーパーの駐車場に警察官がいたのを思い出したので、走って行って訴えた。

「車が消えたんですけど」

きっとレッカー移動されたのだろうということで、車内のパソコンで調べてくれた。

やはり叔母の車はレッカーで持っていかれており、警察官はレッカー先の電話番号をくれた。

「これは警察の管轄じゃないからこれしかできないけど」

「叔母の車なんですよね」

「車の持ち主が行かないと受け取れないんだよ」

「そんなぁ。叔母はドイツにいてあと1ヶ月は戻ってこないのに」

「んー、共同名義になっているから旦那さんがハワイにいれば受け取れるはずだよ」


さて、どうしようか。


途方に暮れているところに私の名前を呼ぶ人がいる。

見れば、前の職場の社長がそこに立っていた。

スーパーの中に店があって、そこに寄るところらしい。

事情を話すと、必要なら車で家まで送ってくれるという。

社長が店で用事を済ませている間に、叔父に電話をした。

叔父はすぐにつかまって、レッカー先に電話をしてくれ、会議が終わったら私を拾って

一緒に車を取りに行ってくれることになった。

会議が終わるまで2時間以上あるので、社長にアラモアナショッピングセンターまで送ってもらった。


おなかがすいたので、ランチを食べ、

風通しのいいベンチで本を読んだ。





起きることが起きているだけ、なんかなあ。






車をぶつけたのも、あの日本食スーパーだった。

あそこは私にとって鬼門ってことか。

だから、職場があのスーパーの中に引っ越した矢先に辞めることになったのか。



叔父がやってきた。

叔父といっても、私と5歳ぐらいしか違わない。

「どーってことない、気にしない気にしない。せっかくの休みに災難だったねぇー」

レッカー屋をみつけ、16000円を現金で支払って車を取り返した。



今朝だってちゃんと瞑想して、チャクラも調整して、出かけるときには

無事に帰ってこれるように後ろの人達に頼んでいったのに、なんでこんなことになるのさ。

なにやってンだよ、後ろの人達。しっかり仕事しろやっ。



すると、後ろの人達から文句がたらたら返ってきた。


『スーパーの駐車場に警察官がいたの、まさか偶然だと思ってんじゃないでしょね』

『叔父さんがすぐにつかまったのも偶然だとでも?』

たまたま社長が通りかかったとか思ってンだ?え?』

『普段は持ち歩かない、読みかけの本をたまたま持っていたから2時間つぶせたとか?』

『レッカー代の現金が、たまたま財布にあったのかねー?アンタあまり現金持たないじゃないさ』

『ぶーぶー言ってるけど、こうして無事に帰ってこれたでしょ、文句あんの』

『そもそもあそこの磁場は合わないって言ってんじゃん、車ぶつけただけでわかりそうなもんだけど?』





いちいちごもっとも。



あそこに警察官がいなかったら、911に電話して全部説明しなくてはならなかったし、

叔父と連絡がとれなかったら、今日は車を取りに行けず、明日仕事に行くのに車がなかった。

社長と会ったのも、不思議だった。

私は社長が嫌いだった。

でも昨日、まったく嫌な感情が沸いてこなくて、まるで昔のクラスメイトに会った様な懐かしさがあった。

彼は再婚したのだと言った。照れくさそうな様子を見て、心からよかったなと思っている私がいた。

私の心の中でギザギザのままだった関係が、まあるくきれいにおさまった。



さらには、叔父に電話しようとして

どうやら間違えて日本にいる友人に電話をかけたらしかった。

日本は早朝なので電話には出なかったが、ランチを食べていたら電話がかかってきた。

彼女とは、なぜだかここ数年、心の距離を感じていて、それが寂しいのだけれどどうすることもできないでいた。

日本に行ったときには必ず会うし、表面は変わらないのだが、何かが変わってきた。

何ヶ月ぶりかで声を聞いて、嬉しかった。

何かが違うとか言ってないで、私がもっとシンプルに彼女に向き合えばいいのだと思った。





確かに、後ろの人達は八面六臂のご活躍で、こうして平和に今日を迎えた。

それには感謝しよう。

しかし、めんどくさいことはお断り。

あの界隈には、行かないわけにはいかないけれど、

今後はどこか遠くに車をとめて歩こう。そうしよう。




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