太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

浦島太郎

2019-06-23 10:11:41 | 日記
職場にみえた日本人のお客様が使ったクレジットカードの裏側に
駅の名前のようなものが2つ印刷されていた。
駅名と駅名の間がハイフンで繋がれており、まるで電車の定期券だ。

「電車の定期券みたいですね」
穏やかそうな人だったので、つい声をかけた。
「これ、定期ですよ」
「えっ!でもクレジットカードですよね?」
「そうですよ、クレジットカードで、定期でもあるんです」
「今、日本はそうなっているんですか」
「普通の定期券もあるんだけどね」
「じゃ、改札でクレジットカードをピッとやるわけですね」
「そうそう、楽ですよ」

いや、もう、全然ついてゆけない。
スイカとかいう、改札でピッとやるカードすらもよくわからない。
スイカを買っておけば、日本に行って電車に乗るときに楽だよ、
と友人に言われているのだけれど、
めんどくささが先に立ち、結局いつも、人の邪魔になりながら
券売機の前で立ち止まって、区間金額表とにらめっこをする。
そして3枚以上切符があると、いつ、どれを改札に通すべきか
どんなに考えてもわからないので、とりあえず全部入れる。
そうして、ドアが非情にも閉まり、駅員が駆けてくる。
そんなことを繰り返している。

日本に住んでいたときだって、
じゅうぶんに人よりも情報は遅かったのに、
8年あまりも離れているのだから、そりゃもう浦島にもなるだろう。

日本に行った時、
「Tカードはお持ちですか」
とよく聞かれる。
Tカードが何なのか、まったくわからないのだが、
もうそれを聞こうとも思わない。
こうやって、私がおろおろしている間に、日本はどんどん変わってゆくのに違いない。