太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

いくとき

2019-06-27 07:59:34 | 日記
ノースショアで、スカイダイビングをする小型飛行機が墜落して
11人が亡くなるという悲惨な事故が起きた。
6人はスカイダイビングの会社の社員で、ベテラン揃いだ。

旅行者の中に、アメリカ本土からきたカップルがいた。
1年前にハワイで結婚式を挙げて、1年目の記念日で再びハワイに来た。
その人たちのご両親の話では、スカイダイビングをしたいと言うので
止めたのだという。
けれど、本人達は家族には言わずにスカイダイビングに登録して、
家族は事故の知らせでそれを知ったらしい。

「こうなってしまったのはやりきれないけれど、
彼らは1年目の記念日に、二人一緒に別の、もっとすばらしい場所に
行ったのだから」

ご両親のコメントが、心に残る。

親よりも先に逝って、親を悲しませる後悔はあるだろう。
まだ二十代で、これから地球で体験できたであろう、さまざまな楽しいことが
できない寂しさはあるだろう。
でも、最愛の人を失って取り残される悲しみを味わうことなく
手に手をとって、次の場所に行けることを羨ましいと思う気持ちも少しある。

5年ほど前、私達は同じ場所でスカイダイビングをする予定だったことがある。
夫が30歳の誕生日に、一人でそこでスカイダイビングをした。
日本から友人達が来ていたときに、その話になって、
「行こう、行こう!」というふうに盛り上がり、その場で予約した。
日本から来た友人二人と、私達夫婦、それとハワイ在住の日本人の友人。
そのとき13歳だった、その友人の娘が、
当日になって、孤児になりたくないからやめてくれ、と言い出し、
その友人はキャンセルすることにした。
あとの4人は、やる気満々でノースショアに向かったのだけれど、
かんかん照りの晴天が、ノースショアに着くなり一転かき曇り、
オフィスに入るときには大雨になった。
天気の回復を待つこともできたけれど、
これはやめとけ、ってことだろうと私達は理解し、取りやめにした。

キャンセルした途端、すっと雨はあがった。
やはり、そういうことだったのだろう。

1年目の記念日に、一緒にすばらしいところに行った二人に祝福を。
それぞれにこの人生に幕を引き、次のステージに移った人たちに、祝福を。