太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

私を押す力

2019-07-07 13:00:02 | 日記
人生の流れが変わるとき、不安になるようにできている。
ずっと幸せになるかもしれないのに、
不幸になるかもしれないほうを恐れる。
未知の大不幸より、不満はあるが、慣れた不幸のままでいるほうがいいと思う。
乗ったカヌーの行き先に、大きな滝があるのではないかと
びくびくしながら乗っている。
滝があるかどうか、霊能者に聞いたりする。
どうしたら滝を避けられるか、必死になって知ろうとする。
その間、景色を楽しむこともなく。
人間はどうしてこうも小心者なんだろう。
私も例外でなく。

思えば、人生の転機には、私はいつも背中を蹴飛ばされて次に進んできた。
先のことを恐れる暇がないほどに、流れは速く、
私は滝を飛び降りるしかなく、そうしてきた。
私のカヌーを先へ先へとうながしてきた不思議な力と同じ力が、
今、私の背中を押している。

そこまでわかっていて、
それでも私はへタレになる。
実家の母と、電話で話をしたとき、自分の老後の愚痴をこぼした。

「○○(夫の名前)のご両親はどんなふうに過ごしてる?」
「そりゃもう豊かに老後を楽しんで元気にしているよ」
「ほらね、そういう人達が近くにいるっていうことは、
アンタもそういうふうに過ごす選択があるよ、ってことじゃない?
それに先のことを考えたって仕方ない。
今日を楽しく過ごせば、それでいいじゃないの」

母はあっけらかんと言った。
母には、私を人間的な現実に引き戻そうとするネガティブな力と、
スピリチュアルな世界にとどまらせるポジティブな力の両方があり、
その極端な力のバランスが、私はいつも不思議でならないのである。