太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

くちぐせ

2019-07-11 13:41:58 | 日記
日本の旅番組をテレビでみていた。
旅番組は、日本に限らず好きだ。
行ったことのない場所だと、いつか行く参考になるし、
中国の奥地など、生涯行かないであろう場所なら、せめて見ておきたい。
日本の旅番組は、芸能人がやたらはしゃいでいるのを見せられるのがあって
できれば、NHK的に余計なことは抜きにしてほしいと思うのは私だけか。

その番組では、北海道の冬の湖や山を取り上げていた。
冬場の北海道にはあまり行ったことがないので、ぜひじっくり見たかったのだが、
その場所を案内してくれる地元のガイド氏が、やたらと
「というカタチになります」
と言う。
「ここを通って向こう側に抜ける、というカタチになります」
「冬だけ通行禁止、というカタチになります」
「一応、許可がいる、というカタチになります」
2回目までは「おや?」という程度で聞き流していた。
それが3回目以降になると、だんだんイライラしてくる。

「というカタチってどんなカタチなんだよッ!!正しい日本語を話さんか!」

画面に向かって一人で怒るオバサン一人。
「なに怒ってんの」
意味がわからないガイジン一人。
英語の字幕は普通の文章で表現されているからね。
とうとう「カタチ発言」を平常心で聞いていられなくなり、チャンネルを変えた。
「なんでー、もっと見たかったのに」
「どうしてもカタチ男に耐えられん」

自分の口癖には気づかない。
でも他人の口癖には、いやでも気づく。
昔の上司は、「逆に」というのが口癖だった。
たとえば何かについて上司と話している。
「私はこれがこうで、こうだと思う」と誰かが言うと上司は、
「逆にさぁ、ボクはこう思う」
と言う。
何かの操作について意見を言い合うときも、
「逆にさぁ、これをこうしたらどうかな」



似たようなことが、小説にもある。
どうしても気になって読み進めることができなかったのは島崎藤村。
ストーリーは興味深いのでなんとか読むけれど、気になってしかたがないのは宮尾登美子氏。
むろん、一般読者の私の意見でしかないけど。
私が気づかない、私の口癖や文体が、誰かをイライラさせていることだろう。