先週の日曜日あたりから、ハワイは秋になった。
その前の日まで夏だった。
先週の日曜日。
急に、偏西風が吹き、雨が降り、寝るときにアイスノンがいらなくなった。
それから毎日、雨が降る。
昼間は、お天気雨がサーっと降ってぱったりと止み、
止んだかと思うとサーっとくる。
夜の間は、けっこうしっかりと雨が降る。
ハワイの冬は雨期。
それでなくても、私が住む地域は雨が多い。
日本に住んでいたころは、雨の日は嫌いだった。
電車やバスに乗って通勤通学していたときは、雨の日の車内にたちこめる
ムッとした匂いや、濡れた傘が作る水たまりが嫌だった。
エアコンなどなかった教室の、壁も廊下も床も雨の匂いを吸い込んで
じっとりとよどんで見えた。
低くなった空から、だらだらといつまでも雨が降りそぼって、
昼間なのに部屋の蛍光灯をつけると、よけいに気分が落ち込んだ。
ハワイに来てから、雨が嫌いじゃなくなった。
雨が降っても、空が低くならない。
高いままの空から、パラパラと、あるいはドカンドカンと雨が落ちる。
めったに、一日中降り込めるということがない。
湿度はあっても、どんよりしないから落ち込まない。
明るい雨だ。
地元の人は、たいがいの雨なら傘はささない。
降り続けないことを知っているから、傘は荷物になるだけだ。
濡れたところで、寒くないし、そのうち乾く。
夫の、転職気分は今のところ鳴りをひそめている。
が、油断大敵。
私が腹をくくるまで何日かかるかと思っていたが、
二日もかからずに降参の気分になりつつある。
何をどうコントロールしようったって、そうはイカのなんとか。
明日はフランス人の話を書こう。
