太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

そんな世界もあった

2019-10-12 20:28:34 | 日記
友人の結婚式のためにハワイに来た友達と、食事をした。
たまに日本に行ったとき、私の姉妹と話をしても感じることなのだけれど、
私はまるで川の対岸にいて、かれらの話を聞いているような気分になる。

どこそこの店に売っている何がおいしい、という情報がネットで流れると
それが口コミとなって広がって、その品物が品薄になる。
食べ物に限らず、物であっても、店であっても
そういう情報に貪欲なのが日本人なのだと思う。
(韓国人の同僚によれば、韓国でもそうであるらしい)

だからハワイに何度も来るような人たちは、
私よりもはるかにいろんな店や物の情報を持っており
まるで、渋谷に行ったらあの店で食べよう、代官山だったらあそこで、
というような気軽さで、店めぐりをしたり、限定品を買ったりしている。

私だって、以前はそういう中で暮らしていた。
日本にいると、とにかくいろんな情報が常に押し寄せてくる。
「お取り寄せ」が流行ったときもあったし、
話題の店だけを載せた雑誌もたくさんある。


川の対岸にいる私はといえば、
日本人に人気の話題の店も知らず、限定品も知らず、
こだわりの美味しいものを売っている店もなく、
お取り寄せしたいようなものの情報もなく、
また、取り寄せするにも、送料を思うと腰が引ける。
そういうことを生活の中で楽しんでいる仲間も、身近にはいない。
私のまわりの人は、家族も含め、
早起きして仕事をし、休みは海で泳ぎ、外食は馴染みのレストランに順繰りに行き、
勝手知った店で同じようなものを買い、
ねぐらに戻ってくる鳥たちのおしゃべりを聞きながら食事の支度をし、
シャワーを浴び、テレビを少し見て、
9時前には寝てしまう。

海で貝を拾って瓶に詰める。
満月の夜には散歩に行く。
渡り鳥のプラバーが、アラスカから戻ってきたのが夕食の1番の話題になる。
(プラバーは6月に旅立って、8月半ばに同じ敷地に戻ってくるのだ)
日常が単調なだけに、クリスマスパーティや、家族が集まるイベントが楽しみになる。
昔のように、仲間と飲みに行く機会も店もない。
ハワイで暮らす9年の間に、これが私の世界になった。
そして私はどうやらこっちのほうが合っている。

友人の、日本の楽しそうな話を聞きながら、
そんな世界もあったよなァ、と懐かしく思うのである。