太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

「オッケイ♡」でチャドになる

2019-10-17 08:26:24 | 日記
SNL(サタデイ ナイト ライブ)は、土曜日の夜11時から始まる、
コメディの生放送長寿番組だ。
ここから、多くのコメディアンが世に出た。

今日、仕事から帰ると夫がSNLをYouTubeで見て笑っていた。

主人公の青年チャドは、お気楽呑気オトコ。
リビングのソファに座って、TVを見ながら誰かと電話で話している。
相手はなにかの理由で、チャドに恨みをもつ男。
電話でどんなに脅しをかけても、チャドは一向に恐れる気配がない。

男「今に恐ろしいことがおまえに起こる」
チャド「オッケイ♡」
男「お前は死ぬかもしれない」
チャド「オッケイ♡」

仕方がないので男は家に侵入し、チャドの目の前に立ち、恨みつらみを並べ立てる。

男「(話の途中で)おまえ、俺の話を聞かないでテレビ見てるだろう」
チャド「ちょっと今いいところ。横にどいて」
男「おれはお前を殺す!ってんだよ!」
チャド「ノー サンキュー♡」

フォークを食べ物と一緒に電子レンジに入れ、爆発して死んだチャドは天国に行く。
天使が出てきて「残念なお知らせなんだけど、あんたは死にました」
チャド「オッケイ♡」

そんな具合で、チャドは何があっても、とぼけた調子で「オッケイ♡」


ああ、これなのか。そう、これだった。


海の波に逆らって向かってゆくと、ものすごい水の抵抗に合う。
押し寄せてくる力は、それを押し返そうとしても止まるものではなく、
いっそ、その力に乗っかってみたほうがずっと楽。
夫と結婚してこのかた、私は何度もそうやってきたはずなのだ。

実家の母に、夫が仕事を辞めそうだと愚痴をこぼしたら、
「それが〇〇(夫)の病気なんだよね。私の脳細胞の病気みたいにサ」
と言った。
そうか、病気なんだ。病気だったら仕方がない。
『職を転々として』という言葉も文化もないアメリカでよかった。
働きたくないわけじゃなく、むしろ働き者なのだからよかった。
ウツは心の病気だけれど、体が健康で働けるのだからよかった。


私はひとりで心の中で「オッケイ♡」と言ってみる。

仕事辞めようとおもう。
「オッケイ♡」
いくつか仕事を申し込んだら、今度の月曜日に面接になったよ。
「オッケイ♡」


ああなったら困る、こうなってほしい、という思いが強いほどつらく生きにくい。
人は、たとえそれが自分の子供であっても、思い通りになどいくものではない。
そんなことは、わかりすぎるぐらいわかっているのに。

「オッケイ♡」と声に出して言ってみる。
人生は、劇だ。
私の本質であるものは、この劇を他人事のように眺めている。
深刻なドラマより、コメディを見たいから、「オッケイ♡」と言ってチャドになる。