夫の誕生日のプレゼントを、早く渡したくてワナワナしていた私だったが
ようやく誕生日の日になった。
朝食を食べ、外が明るくなるのを待ってから、
クロゼットから取り出してきたプレゼントを、おおげさにもったいぶって渡した。
これは、家を建てたときに玄関の外の壁に(屋根はある)掛けた。
シュートメの書斎で眠っていたのを夫が見つけてきたのだった。
ハワイ大学の、シュートメのオフィスに長年かけてあったものらしい。
もらってきたときに、すでに色が剥げかけていたから、
数十年は経っていたのではないかと思う。
あれから5年。
すっかり玄関先の風景の一部になってしまったが、改めて見ると、相当にみすぼらしくなっていた。
青い枠と、葉っぱ、花の一部、アルファベットは全部、コラージュの紙。
市松模様はアクリル絵の具。
細いゴールドの枠は、金色の紙。
暇にまかせて5時間かかった。
「ワーーーーっ!すごい!大好き!!!」
これこれ、このリアクションが見たかったんだ。
「これが紙で、これは絵の具なの?」
「そうそう、ほら、触ってみてー」
「ほんとだー、この色もいいねえー。すごいねえー!」
さすが夫は、私が喜ぶツボを心得ている。
仕事に行く支度をした夫と、下に降りると、
テーブルの上に、義両親からのプレゼントがカードと共に置いてあった。
私たちが2階にいる間に、そっと置いて行ってくれたのだ。
私は夫が開けるのをワクワクしながら待っていたら、そのまま仕事に行こうとする。
「え・・開けないの?」
「今夜あけるよ」
( ゚Д゚)ハァ?
なんでなんで?
開けるのに1分だってかからないぞ?
今日は誕生日なんだし、なんで開けないでいられるのかわかんない。
目の前に、きれいに包装されたプレゼントがあるのに。
私が、もし開けずに仕事に出かけたら、仕事が手につかないと思う。
私あてのものじゃなくても、私は今すぐにそれが何か知りたい。
人のものであっても、開けて、「わー!」って一緒に喜びたくてウズウズする。
夫が帰ってくるまで、今日一日そのプレゼントが気になって仕方がない。
私はそういう、とにかく待てない人なのである。