太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

日本よりも「お客様は神様」の国

2021-02-12 09:44:15 | 日記
職場では、オンラインで商品を買うこともできる。
バケーションでハワイに来たときに買ったのがきっかけで、注文してくれる人が殆どだ。

先日、アメリカ本土に住む女性が、コーヒーをオンラインで買ったのだが、
「美味しくない、古いのではないか」
という苦情の電話をよこした。
郵送する際には必ず賞味期限を確認するから、古いことはないはずだけれど
お詫びに新しいコーヒーを2バッグ、無料で送った。
すると、
「やっぱり美味しくなかったから、返金してほしい」
と言ってきた。

客商売は喧嘩せず、なので返金したが、日本人の私はもやもやが残る。


アメリカは、返品天国、返金天国だ。
1度使ったシーツを洗って返品、着た服を返品、履いた靴を返品なんてのは珍しくない。
やりようによっては、パーティ用のドレスを買って着用し、用事が済んだら返品することだって可能。
そうなるともう、個人の良心にたのむしかない。

返品できるものは、まだいい。
食べ物は、返品もきかず、お金だけ返さなくてはならない。
前述の、コーヒー代金を返金した女性客は、
新しいコーヒーを2バッグも無料で受け取っておきながら、よくも返金してほしいなどと言えたものだと、
私はあきれるを通り越して感心してしまう。
自分の口に合わないものにお金を払いたくない気持ちはわかるけど、
その人はスーパーマーケットで買ったものが口に合わないからといって
いちいち返金してもらっているんだろうか。
美味しくなかったから、もう買わない、という私の「普通」は普通じゃないんだろうか。


和食のお弁当を売るお店で仕事をしている友人が、
「レシートも持たずに、昨日買ったお弁当が腐ってた、とかいつも言ってくる人がいるねんよ」
とぼやいた。
本来はレシートなしでは返金しないのだが、ぐだぐだと粘って商売の邪魔になるので、
3回に1度ぐらいは返金するのだそうだ。
「うちら、その男にマークって名前つけてブラックリストに載せてるんよ」

マーク!!
そういえば、本屋で働いていたときも「マーク」がいたことを思い出した。
その人は、1ドルの棚にある本の値札をうまく剥がして、正規価格の本に貼り付けてレジに持ってくる。
一定期間売れなかった本の値段を下げることを「マークダウン」と言うので
私たちは彼を「マーク」と呼んで、
彼が姿を現すと、誰かが棚の整理をする振りをして、マークの行動を見張っていた。

「そのマーク、同じ人だったりして!!」

弁当やのマークはフィリピン人で、本屋のマークは白人だったから同一人物じゃないけど、
ズルして儲けようと平気でできる人達は、どこにでもいる。
幸い、友人も私もそこで働いているだけだが、オーナーだったら、ストレスはいかばかりか。

ズルをしてお金を得てやろう、という人は、宇宙に向かって
「わたしはそのぐらい貧乏でーーーす!」
と大宣言しているのと同じなので、延々に貧乏が続き、絶対に豊かにはなれないことになっている。
私はそういう人たちに出会うと、そう心で思って同情することで溜飲を下げているのだが、
アメリカで販売の商売をするのは、かなり難儀なことなのである。