「火曜日、Saversに行かない?そのあとランチもしようよ」
Vickyから誘われた。
Saversはホノルルにある大きなリサイクルストアだ。
存在は知っていたけど、行ったことはない。
火曜日、Vickyが迎えに来てくれて、一緒にSaversへ行った。
ウェアハウスみたいに天井が高い建物には、ありとあらゆるものが整然と売られていて、どこから見ればいいのかわからない。
「この辺が服で、あっちがインテリアとかいろいろ。じゃ、あとでねー」
一人になって、とりあえず端っこから見てまわる。
リサイクルストアだから、日本のHARD OFFみたいもの。
日本にいたとき、新品を買うのは無駄だと思えるもの、
たとえば、ウェットスーツなどはリサイクル品を買ったりした。
今も屋根裏にあるが、結局、下田の海で1度だけ着たきりだ。
日本のリサイクルショップのほうが、売っているものの質が断然いいのは、
それらが「買い取られた」ものだからだ。
こっちのリサイクルショップの品物は、「寄付」されたものを選別しているから、
見るからに何度も履いた靴なんかも並んでいる。
滅多に使わないウェットスーツはともかく、知らない人が使ったものには何となく抵抗がある。
デパートなどの在庫品を売るROSSと価格はそれほど変わらないし、
ROSSなら全部新品なので安心して買えるから、今日は見るだけにしようと思う。
そう思ったのに、私は服を買っていた・・・
ブラウス
ニット風Tシャツ
家に帰ったらきれいに洗えばいいか。
絵の具などを入れておくブリキの缶や、蛇の目傘(和紙みたい)や
部屋着のパンツなどを抱えたVickyが、レジに並んでいる私に言った。
「いうの忘れてたけど、今日はシニアディスカウントだよ!」
なんと!!!
55歳以上はシニアディスカウントの対象になるという。
レジでIDを印籠のように掲げたら、30%OFFになった。
ブラウスとシャツで、10ドル(1000円ぐらい)。
生まれて初めてのシニアディスカウント。
昔、日頃年寄り扱いされることを嫌がっていた父が、美術館や映画館などでは
「はい、年寄りです」
と言ってシニアディスカウントを享受していたことを思い出す。
まるで同じ。
聞けば、ROSSも火曜日はシニアディスカウントで、10%OFFらしい。
そのあとランチを食べて、近くのROSSに寄り、白いイーセルを買ったが、
レジでディスカウントを申請するのを忘れた。
IDが印籠になる。
年とってよかったと思えることもないとつまらないではないか。