いつもと違った瞑想をしてみようと、誘導瞑想をやってみた。
その瞑想の後半に、亡くなって、もう会えない人に謝りたいことがあったら伝えるという場面があった。
真っ先に現れたのは、父だった。
私は父には感謝ばかりで、謝りたいことなどあっただろうかと考えた。
最後の10年はハワイと日本で離れてしまってごめんね、と言ったら
父はニコニコとうなづいていた。
そして、最初の結婚相手がいた。
その前夫の思い出は、最高に嫌な、今でも思い出して腹がたつようなことばっかりだ。
7年交際して、11年結婚していたその間に、確かに楽しかったこともあったはずなのに、
楽しかったことを思い出そうとしても、すぐさま嫌な思い出が出てくる。
深い縁があって出会ったのだろうから、「ま、いろいろあったよね」と茶飲み話にしたっていい頃だと思うのだが、そうはならない。
相手は亡くなっているのだし、と思っても、思い出が美化することはない。
別居したときに便箋7枚に、この11年間の嫌だったことをぎっしり書き連ねたら
「なんかほかに良いこともあったと思うんだけど・・・」
と言ったのを覚えている。
私は自分の負の感情にがっちりと蓋をして、表面だけ美しく暮らしていたから、
いったん外れたその蓋の下から溢れたどろどろの魑魅魍魎は持て余すほどで、
それが今でも続いているということなのか。
それとも、私はいまだ、何か終わらせていない宿題があるからのか。
あるいは、面と向かって「だーーーいきらい」と言えるほど、近い存在だったりするのか。
「なーーーーーーーーんにも良い思い出を思い出せなくて、ほんッとにゴメン」
私はそう言って謝った。
相手は、居心地の悪そうな感じだったと思うが、よくわからない。